著者
小郷 直言
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.1-9, 2012-12-31 (Released:2017-02-04)
被引用文献数
1

かつて何かが存在したこと,あるいは,かつて何かが起こったことを示す痕跡は,情報として利用できるのではないか。痕跡を記号として読み取るまえに,痕跡がつくられてきた経過を辿ることで,より一層の意味を痕跡から読み取ることができるはずである。静的な痕跡をイキイキとした動的な風景の中で観ることができれば,痕跡を単なるインデックスとしてだけではなく,われわれの動作や仕草を誘導してくれたり,快適にしてくれたり,あるいは躊躇させたりするモノとして活用できるかもしれない。社会情報学という大枠では見過ごされやすいが,痕跡を,利用しやすい情報として緻密に外環境にデザインし,用意したなら,その世界はささやかではあるが住みやすいものになりはしないだろうか。また痕跡が繰り返し行われた行為の跡であることは貴重な情報となる。痕跡の意義とその利用方法を簡単な例示によって説明する。痕跡から見える社会情報学という論題でそんな期待を込めてみた。
著者
小郷 直言 米川 覚
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.43-63, 1992

われわれはかねてより,「もんじゅ」と呼ぶ協働支援システムを構築し,相互学習法による学習・授業の支援に利用してきた。しかし,コンピュータシステムとしてTSSをベースとしていた関係上,リアルタイム性には限界があった。本稿では,もんじゅのLAN上への移植と,リアルタイム性を十分に発揮したグループライティングについて述べる。リアルタイム・グループライティングでは複数の利用者が共有ウィンドウにいつでも,自由に書き込め,しかも,十分な応答性能とWYSWIS環境を提供することができた。
著者
小郷 直言
出版者
高岡短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

本研究は人間の協働活動をコンピュータにより支援するために必要な実システムの実現と利用実験を行った。ならびに、内外のコラボレーションに関する理論的、工学的な展開について調査を行った。1.協働支援システム(もんじゅと呼ぶ)のLAN上への移植作業を行った。 協働支援システム(もんじゅ)はわれわれの考えるグループウェアの基礎となるシステムであり、サーバ/クライアント方式を採用した。2.リアルタイム・グループライティング&ドローイング 本格的なグループウェアとしてリアルタイム・グループライティング&ドローイングはネットワーク上で共有ウィンドウを使って共同執筆を試みるプログラムであり、これをわれわれの手でワークステーション上に開発した。このグループライティングの特徴は応答性能に優れ、WYSWISが満たされ、利用者はいつでも書込みが可能な点である。現在さらにシステムの機能を充実する作業を続けている。3.グループウェア利用実験 学生を対照にシステムを実際に利用し実験データを集め、分析を行い、システムの改良を続けている。協働を対象とする研究にあっては、実践を目指し、それに対して検討がなによりも重要である。4.内外の文献を調べた後、市販されているグループウェア商品を導入している企業を訪問し、その利用形態、状況を実態調査した。協働についての研究のサーベイの結果、協働は学際的な研究対象であり、経営組織論、相互作用的状況論、メディア論、分散協調システム、分散人工知能、ネットワーク論などを含む広範囲な研究領域と関係することがますます明確になった。
著者
小郷 直言 米川 覚
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.19-33, 1991

われわれは,集団における協働活動を支援するソフトウェアである「もんじゅ」と呼ぶシステムを開発した。もんじゅはTSS上にクライアント/サーバモデルをシミュレートする方法で構築されている。本論文では,システムを構成している基本的な枠組であるメッセージ通信とサーバの設計について詳しぐ述べる。
著者
小郷 直言 米川 覚
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.47-66, 1990-03

本稿では,学生の教育,学習への応用を中心に据えて,ワークステーション上に構築した一つのハイパーメディア・システムについて述べる。システムの持つべき特性として,1)マルチメディアの取り込み,2)インターフェースヘの配慮,3)ネットワークによる拡大,4)知識の増幅を目指す,5)協調的な作業環境を提供するなどについて特に注意を払った。さらにハイパーメディア・システムの応用例として,電子教科書,案内板,テレビ講座,双方向遠隔授業システムについて考察する。