著者
更科 紗和子 松崎 孝 小野 大輔 中村 龍 賀来 隆治 森松 博史
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-4, 2021-01-25 (Released:2021-01-25)
参考文献数
10

ドライアイ類似の慢性難治性眼痛の3症例を経験した.当院の眼科治療後難治性眼痛の治療プロトコールに基づき,オキシブプロカイン点眼検査,リドカイン静脈内投与,薬物療法,神経ブロックを行い,痛みの機序を考慮し診断的治療を施行した.眼科領域では,客観的所見と疼痛の乖離を説明する概念として神経障害性眼痛(neuropathic ocular pain:NOP)が報告されているが,病態が国際疼痛学会の提唱する神経障害性痛の定義に適さないため,本稿では神経障害性痛を部分的に有する神経障害類似の眼痛(neuropathic like ocular pain:NLOP)と定義して症例を提示した.
著者
小野 大輔
出版者
北海道大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

昨年度は、生物発光、多電極ディッシュを用い概日時計の中枢である視交叉上核(SCN)の分散培養を行い、個々の細胞の概日リズムにCRY1/CRY2が必要ではない事を明らかとした。さらにこれらの同時測定系を用い、脱同調したPer1発現リズムと同調した電気活動リズムがCry1-/-/Cry2-/-マウスのSCNに存在することを明らかとした。さらに最近Cryl-/-/Cry2-/-マウスのSCNのPER2::LUCに減衰していくリズムが認められ、一貫した結果が得られていない。これらの原因には測定系とマウスのageが考えられる。本年度はこの原因を検証するために、発達段階におけるSCNのPerl-luc,PER2::LUCのリズムを測定した。生後1日目(P1),P7,P14,P21,adult(8-16w)のマウスからSCNを切り出しメンブレン上で培養し、SCN全体の発光リズムを測定した所、P1,P7のCry1-/-/Cry2-/-マウスのSCNからはrobustなリズムが認められたが、このリズムはP14になると減弱し、P21,adultになると消失した。これらの結果はCry1-/-/Cry2-/-マウスのSCNのリズムは生後初期に出現し、離乳するP21付近で消失する事を示す。さらにこのリズムの消失は個々の細胞の脱同調である事を発光イメージングを用いる事で明らかとした。本研究結果はCRY1/CRY2に依存しない細胞間ネットワークが存在すること、そしてこのネットワークは離乳する生後3週間で消失する事を初めて示し、SCNの新たな細胞間ネットワークにCRY1/CRY2が関わっている事を明らかとした。
著者
浮田 徳樹 小野 大輔 工藤 結希菜 鳥越 夕妃 阿部 正之
出版者
公益社団法人 北海道作業療法士会
雑誌
作業療法の実践と科学 (ISSN:24345806)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.16-22, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
6

今回,当センター回復期リハビリテーション病棟に入院した脳血管疾患症例に対し,心身ともに落ち着きが見られ始めた発症後3ヵ月目より,生活行為向上マネジメント(Management Tool for Daily Life Performance,以下,MTDLP)を活用し自宅退院後の生活課題を抽出した.転帰先での銭湯利用を想定した段階的な外出訓練を中軸とした介入によって,不安を抱きがちな退院直後の生活像を症例本人が実際に認識・経験したことで,目的とした生活行為に対する課題解決や不安発言の解消に繋がったため,ここに報告する.