著者
鶴田 健二 小山 敏幸 尾形 修司 兵頭 志明
出版者
岡山大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本特定領域研究を通して, 複数の空間スケールをつなぐ新しいシミュレーション手法・アルゴリズムを開発・高度化し, 機能元素材料科学の学理構築に資する新しい計算科学手法・ツール開発を大きく進展させた。また, ナノ計測班ならびにプロセス班との連携において, 本領域における共通試料であるアルミナの転位・粒界構造の微視的構造と電子状態, 元素偏析の安定性と局所電子状態の定量的解明に上記新規手法を適用し, その適用性を実証した。
著者
尾形 修司 大庭 伸子 田村 友幸 旭 良司 山川 俊輔 小林 亮
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

分割統治型のオーダーN実空間密度汎関数コード(DC-RGDFT)を開発した.DC-RGDFTコードを用いて,Liイオン電池内の固体電解質皮膜ー電解質液界面を通じたLiイオン透過に関する数千原子規模の第一原理分子動力学シミュレーションを行い添加塩がLiイオン通過率に及ぼす増大効果を発見した.DC-RGDFTをハイブリッド量子古典コードに組み込み,Liイオン電池のグファファイト負極内でのLiイオン熱拡散等に関する大規模シミュレーションを外部電場による効果を含めて行った.
著者
中村 貴英 河野 貴久 小林 亮 尾形 修司
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of computer chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.59-68, 2011-12-31

対象系全体を必要な物理精度に応じて部分系に分け,各部分系に必要精度を持つ計算手法を適用する同時並列型ハイブリッドシミュレーション法が最近注目されている.我々は,原子(粒子)描像であったり連続体描像であったりするなどのハイブリッドシミュレーションコードが出力する多様かつ多数な物理変数の数値を統一的に扱い,さらにそれらの時間変化をアニメーションとして可視化するソフトウェアAkiraを開発した.Akiraを用いると,原子描像と連続体描像を混在させたり,多彩に表示した原子群のダイナミクスを原子毎の軌跡として表示させたりするなど様々な形式で,シミュレーションの結果を物理的な解釈がしやすくなるように表現することが出来る.簡易な操作で時間変化を,静止画のシークエンスとしても出力出来る.ソースコードはJava言語でOpenGLを用いて作成しているため,プラットホームの違いを気にしないで利用出来る.ユーザーが独自に改変することも,ソースコードと共に開発資料を公開しているため容易である.本論文ではAkiraの特徴的な機能を,いくつかの応用例を通じて概説する.