著者
田辺 和俊 鈴木 孝弘
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.A41-A48, 2021 (Released:2021-09-15)
参考文献数
15

全世界に蔓延している新型コロナウイルス(COVID-19)の日本における死亡要因を探るために,都道府県別の死亡率を目的変数とし,生活や健康,社会経済的要因など各種の指標を説明変数として重回帰分析による実証研究を試みた.目的変数と説明変数との非線形関係に対処するためにSupport Vector Machineを適用し,感度分析により要因を探索した.その結果,死亡率を上げる危険要因として生活保護,都市化,貧困率,サービス業,性比の5種,死亡率を下げる防御要因として単独世帯,食事,睡眠の3要因,併せて計8種の要因が得られた.特に,いわゆる「三密」に関連する都市化,サービス業,単独世帯の3要因の寄与がもっとも大きいこと,次いで貧困層の実態を反映する生活保護と貧困率の寄与が大きいことなど,新型コロナウイルスの予防対策に関して新規かつ有用な知見が得られた.
著者
時田 澄男 時田 那珂子
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.A14-A20, 2019 (Released:2020-01-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2

元素を特徴付ける原子軌道を電子雲的表示および等値曲面表示によって描き,周期表に配置した.元素の周期性は,列方向(族方向)に節面の数だけが異なる類似の軌道が規則的に並ぶことによって見事に表現できた.微妙に存在する規則性からの「ずれ」からも,元素の特性を見極めることが出来た.
著者
清野 淳司 中井 浩巳
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-17, 2014-03-21 (Released:2014-03-21)
参考文献数
63
被引用文献数
3 6

本稿では,大規模な重元素化合物を高効率・高精度に計算するための理論を取り上げる.まず相対論的量子化学の現状を概観し,それを踏まえて目的を遂行するためにどの部分を考察しなければならないのかを述べたい.次にこれらの問題点を解決すべく,著者らが開発した高効率・高精度な2成分相対論計算手法,無限次Douglas-Kroll-Hess変換に基づく局所ユニタリー変換法の理論について解説し,数値検証を行うことで有用性を示す.さらに本手法を分割統治法へと拡張することにより,計算全体の線形スケーリングを達成する手法となることを示す.本手法に基づけば,非相対論と同等の計算コストで (スピン非依存の) 4成分相対論と同程度の精度を与えることができるため,従来の非相対論的なSchrödinger方程式から相対論的なDirac方程式へのパラダイムシフトが可能となる.
著者
奥脇 弘次 土居 英男 望月 祐志
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.102-109, 2018 (Released:2018-06-07)
参考文献数
29
被引用文献数
3 9

近年,用途に応じて目的の機能を有した材料開発の要求が高まっており,大規模な構造予測のためのシミュレーションが注目を浴びている.私達は,今回,散逸粒子動力学(DPD: Dissipative Particle Dynamics)シミュレーションを例に,有効相互作用パラメータ(χパラメータと呼ばれる) をフラグメント分子軌道(FMO)法から算定するためのフレームワークとワークフローシステムを開発した.FMO計算は非経験的であるため,高分子系素材に関わるほとんどの有機化合物に対して使うことが可能であり,χパラメータの算定に対して汎用性を持つと考えられる.この報告では,本システム(FCEWS: FMO-based Chi-parameter Evaluation Workflow System)の開発の目的,理論的な背景,ならびにソフトウェアについて解説する.
著者
常田 貴夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
pp.2013-0013, (Released:2014-01-24)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

理論化学の研究対象において金属表面や金属錯体が主要になりつつある現在,相対論的密度汎関数法(RDFT)の重要性は増している.この方法は,多電子系の電子状態を金属を含む大規模系の反応や物性を定量的に取り扱えるため,大規模金属系の理論研究においてもっともすぐれた理論の1つであることは間違いない.RDFTは量子電気力学にもとづく確かな土台をもつ理論であり,化学における相対論的計算の主要理論となっている.本レビューでは,RDFTの基礎を説明した後,最新の2成分RDFTに至るまでの具体的な道筋を明らかにする.さらには,RDFTが将来的に進むであろう道筋も示すことも目的としている.
著者
本間 善夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.A16-A18, 2021 (Released:2021-09-15)
参考文献数
15

新型コロナウイルスの影響で全国の科学イベントが制限されたりオンライン開催になるなどしている.日本コンピュータ化学会の公開イベント等も影響を受けていることを紹介し,計算科学の役割を知ってもらう上でも,オンラインコンテンツの公開やソーシャルメディア活用による連携の必要性を述べる.
著者
齊藤 瑠偉 奥脇 弘次 望月 祐志 永井 隆太郎 加藤 拓己 杉﨑 研司 湊 雄一郎
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.39-42, 2022 (Released:2022-11-16)
参考文献数
16
被引用文献数
1

We have performed a series of quantum computations for folding of the PSVKMA peptide by using the blueqat AutoQML simulator by which a given problem can be converted from QUBO (quadratic unconstrained binary optimization) of quantum annealing to QAOA (quantum approximate optimization algorithm) of VQE (variational quantum eigensolver). The IonQ quantum system of ion-trap type was utilized as well. A three qubit problem was successful by both. However, the situation became difficult for a five qubit case, especially for the IonQ having vulnerability to noises.
著者
宋 致宖 村田 和義
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.38-45, 2018 (Released:2018-03-23)
参考文献数
13
被引用文献数
1

新たなタンパク質の構造決定手法として,クライオ電子顕微鏡による単粒子構造解析が注目を集めている.本手法は試料に対する制約が少なく,数十キロダルトンのタンパク質から数百メガダルトンのウイルス粒子に至るまで同じ方法で解析できる(Figure 1).また,その空間的な自由度を生かしてタンパク質の各刺激に対する動的構造変化や動態解析も可能となる.本総説では,クライオ電子顕微鏡単粒子構造解析の原理と,これを可能にした画像記録装置と解析手法の進歩について解説し,さらに動的なタンパク質構造解析への応用についても紹介する.
著者
内橋 貴之
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.20-30, 2018 (Released:2018-03-23)
参考文献数
22

最近の高速原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy: AFM)の進展によって, 生理溶液中でのタンパク質の構造とその時間発展,分子の離散集合などダイナミクスをリアルタイムで可視化できるようになってきた. これまで様々な計測手法による実験事実の積み重ねから推定されてきた事実を動画として提示することで, タンパク質の動的振る舞いを介した機能発現の分子機構を直接的かつ直感的に把握できるようになった. 動画は静止画に比べて極めて多くの情報を与えるが, 一方で, 単に動画鑑賞に終わることなく, そこから有益な情報を客観的な指標を基に抽出すること, すなわち動画解析が次のステップには重要である. 本稿では, これまで高速AFMで観察されてきた代表的なタンパク質の動的現象をi)一分子の構造変化, ii)分子の直進運動と速度解析, iii)二分子間の結合と解離, の3つに大別し, それぞれについて筆者らの実験結果をデータの解釈と解析の効率化のために開発した画像解析法とともに解説する.
著者
高野 森乃介 金子 弘昌
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.115-121, 2019 (Released:2019-08-16)
参考文献数
25
被引用文献数
3

本研究ではポリマー物性として屈折率 (refractive index, RI) およびガラス転移温度 (glass transition temperature, Tg) を対象にして,モノマーの化学構造から計算される構造記述子 X とそのモノマーを重合して得られるポリマーの物性 y との間で,高分子データベースを用いて物性推定モデルを構築し,構築されたモデルを用いて高い RI かつ高い Tg をもつポリマーを重合できると考えられる新規モノマー構造の設計を行った.モノマー構造の前処理方法・構造記述子・回帰分析手法を検討したところ,RDKit で構造記述子を計算し,support vector regression で回帰モデルを構築したときに,推定性能の良好な RI および Tg 推定モデルが得られた.RI と Tg がともに高いポリマーを達成するモノマーを設計するため,breaking of retrosynthetically interesting chemical substructure (BRICS) により仮想的な化学構造を生成し,モデルの適用範囲により推定値の信頼性を評価した後に,モデルを用いて RI および Tg を推定した.その結果,多様な化学構造が得られ,中には良好な RI および Tg の推定値をもつ化学構造が存在することを確認した.提案手法により複数の目標物性のある高分子材料の開発が促進することを期待する.
著者
青山 智夫 神部 順子 中山 榮子 長嶋 雲兵
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.49-77, 2012-04-28 (Released:2012-05-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

2011年3月12日以降に東京電力福島第1原子力発電所から南,北西方向に拡散した放射性物質の4カ月間にわたる変化を次のようにまとめた.空間線量率,環境資料等を文部科学省,地方自治体等が公表した資料から抽出し,5月15日から7月29日間の福島県,関東各県の主要都市の空間線量率が自然界で本来の物理的半減期と異なる速度で半減することを表す指標(滞留半減期)を計算した.また福島県相馬郡飯舘村八木沢地区の土壌,雑草,陸水の放射線強度の時間変化を示して議論した.さらに東京と福島市の下水汚泥の放射線強度の問題点を示した.これにより放射性物質と大気に関する知見として,放射性物質は浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter, SPM)として移動するが,それは環境省大気汚染物質広域監視システムでは検出しにくいタイプのSPMであること,そして放射性SPM分布には複雑な構造が存在することを示した.またその構造はγ線のエネルギー分布観測で識別できること,加えて放射性SPMの移動には大気境界面が関与していることを示した.さらに沈降した放射性物質と降雨との関連,空間線量率の微細動現象の周期性を示し,同現象と気温の相関を示した.
著者
青山 智夫 若月 泰孝
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.74-76, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
5

Under nuclear power plant accident, by the ventilation of containment vessel, suspended particulate matter (SPM) is emitted; it attracts radioactive compounds, and the plume diffuses in air. It soaks into the human body. We are required to run away from the invisible plumes. The routes do not exist at any time. We recognize status soon, and should select priority persons to escape from there. We code a real-time plume tracer, which reads 4D-winds of Meso Scale Model (MSM), calculates time-development of plumes. The precision for reach time of plumes is 3–5 min, inner 8 km points from emission.
著者
三部 勉
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.64-70, 2020 (Released:2021-02-28)
参考文献数
18

ミュオンはスピン1/2を持つレプトンという種類の素粒子である. ミュオンのスピンは磁場や電場と双極子能率を通じて相互作用する.ミュオンの異常磁気(双極子)能率は素粒子標準理論において極めて精密に計算することができる.先行研究では,20年前よりその測定値が予想値よりも大きい兆候が示唆され現在に至る.これは素粒子物理学上の重要な未解決問題となっている.現在,米国では従来の方法で新しい測定が行われている.日本ではミュオンを冷却して加速するという新しい方法でこの問題を解決する研究を進めている.本稿ではミュオンの異常磁気能率の精密測定の最前線について平易に解説する.
著者
田村 綾子 Gerardo VALADEZ HUERTA 難波 優輔 久間 馨 古山 通久
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.129-133, 2022 (Released:2023-06-22)
参考文献数
9

Multi-element alloy nanoparticles have attracted attention for their potentially high catalytic properties. However, a high degree of freedom in configurations of metal atoms within nanoparticle increases the distinct adsorption sites, making it difficult to theoretically analyze its catalytic properties because the first-principles calculation requires a considerable computational cost. In this study, we develop a sequential scheme to calculate hundreds of adsorption sites by employing a pre-trained universal neural network potential named PFP. Our automated scheme is applied to CO single-molecule adsorption of CO onto PtRuIr ternary alloy nanoparticles. The calculation results are first compared with DFT results to confirm the accuracy. Adsorption energies in the alloy systems are widely distributed in comparison with those of the monometal counterparts, indicating that the alloy nanoparticle includes adsorption sites with various catalytic activities.
著者
末永 正彦
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.25-32, 2005 (Released:2005-03-31)
参考文献数
11
被引用文献数
63 75

Windows環境におけるフリーの分子軌道計算プログラムであるPC GAMESSのための新しい計算化学統合環境の開発を行った。分子モデリングの機能については、市販のモデリングソフトに匹敵するものを実装した。モデルの描画にはOpenGLを用いているため精緻な3Dモデルの作成ができる。GAMESSの入力データの作成および計算の起動はGUIを介して支援され、計算結果の可視化については、最適化構造、分子軌道、静電ポテンシャル・電子密度の等値表面の表示、基準振動のアニメーション表示、赤外・ラマンスペクトルのシミュレーション等を実装している。更に、最適化構造は計算終了後直ちにモデルに反映されるので、GAMESSと連携したモデリングができる。このように、PC GAMESSを中心とした計算化学に必要な種々機能が統合されているため、作業が効率的となる。
著者
片岡 洋右 山田 祐理
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.18-21, 2015 (Released:2015-03-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1 1

EXCELによる分子動力学プログラムを開発した.採用した分子模型はレナードージョーンズ関数である.実行方法,結果の読み方,設定条件の入力の仕方などを示した.ワークシートから系の状態を規定する温度と数密度を与える.熱力学量の他にニ体相関関数,積算配位数,平均ニ乗変位,速度自己相関関数,自己拡散係数などが計算できる.プログラムはEXCEL worksheet として付録に示される.
著者
吉村 季織 高柳 正夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
pp.2014-0001, (Released:2014-05-17)
参考文献数
17

近年,化学データを数学的・統計的手法により解析する「ケモメトリクス」が頻繁に用いられるようになってきた.しかし,日本の大学の化学教育の場ではほとんど取り上げられていない.ケモメトリクスや数値計算の専用ソフトウェアを使うことなく,現在最も普及しているソフトウェアのひとつであるMicrosoft Excel (Excel)の基本機能を用いてケモメトリクス計算を行うことができれば,多くの教育・研究機関で役立つものと思われる.シリーズ6回目は,ケモメトリクスの多変量による定量モデル作成において,最も頻繁に用いられるPLS (partial least squares) 回帰 (PLSR)を取り扱った.これまでと同様に,スペクトルの解析を例に挙げた.モデル構成試料および未知試料のスペクトルの生成,潜在変量を抽出するPLS1 (1化学種の場合) とPLS2 (多化学種の場合) の実行,PLSRによる濃度定量モデル作成を行うワークシートを作成した.生成したスペクトルを使いPLSRとPCRの定量性能について比較を行った.その結果,PLS1によるPLSRでは特定の化学種の濃度データを用いるため,目的とする化学種に関して少ない因子数で良好なモデルが得られた.一方PLS2によるPLSRでは,複数の化学種に対して安定して濃度予測できるモデルが得られることが分かった.少ない因子数においてPLSRがPCRと比較して優位であることは示されたが,最適なモデルが得られるとは限らなかった.モデル化手法と因子数を変えて予測性能を比較しながら最適なモデルを得る必要があることが示唆された.
著者
植村 豪 小寺 厚 津島 将司 河村 雄行 平井 秀一郎
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.222-229, 2013 (Released:2013-12-25)
参考文献数
8

CO2を用いた原油増進回収(Enhanced Oil Recovery, EOR)は,原油が取り残された油田にCO2を圧入することで原油回収率を高める技術であり,原油の増産と同時に二酸化炭素の隔離が可能な技術として,近年注目されている.EORでは油田中に圧入されたCO2が残存油に溶解することで,粘性低下,体積膨張など,油の物理化学的性状が変化し,原油回収率が高まるとされている.油へのCO2の溶解が原油回収率の向上と密接に関係していると考えられるものの,CO2の溶解に関するメカニズムは未だ解明されていない.このため,本研究では油へのCO2の溶解に関して分子論的な知見を得ることを目的とし,分子動力学シミュレーションを行った.単成分系を仮定した油(シクロヘキサン,C6H12)を用い,CO2が溶解した平衡状態において解析を行い,さらに分子間相互作用の一つであるクーロン相互作用が溶解現象に及ぼす影響についても考察した.その結果,油に対してCO2がクラスター構造を伴って溶解していることを示した.