著者
山澤 舞子 伊藤 貴之 山下 富義
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.85-96, 2008 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20

本論文では,階層型多変数データを可視化する一手法「十二単ビュー」を提案する.既に報告されている「平安京ビュー」が階層型データ中の各データ要素をアイコン表示したのに対して,「十二単ビュー」では個々のアイコンに割り当てられた変数の数だけの色を割り振り,この色の濃さによって各データ要素の多変数の値を表現する.また,拡大表示時にはデータの葉ノードを単位として変数値を表示し,縮小表示時には下位階層の変数値を統合し,上位階層のみを表示する,というような詳細度制御を実現する.本論文では,薬物群の分子構造情報と実験値を格納したデータベースより構築される階層型多変数データを例として,「十二単ビュー」の有用性を議論する.また,いくつかのユーザテストにより,可視化結果の有効性を検証する.
著者
山澤 舞子 伊藤 貴之 山下 富義
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.85-96, 2008

本論文では,階層型多変数データを可視化する一手法「十二単ビュー」を提案する.既に報告されている「平安京ビュー」が階層型データ中の各データ要素をアイコン表示したのに対して,「十二単ビュー」では個々のアイコンに割り当てられた変数の数だけの色を割り振り,この色の濃さによって各データ要素の多変数の値を表現する.また,拡大表示時にはデータの葉ノードを単位として変数値を表示し,縮小表示時には下位階層の変数値を統合し,上位階層のみを表示する,というような詳細度制御を実現する.本論文では,薬物群の分子構造情報と実験値を格納したデータベースより構築される階層型多変数データを例として,「十二単ビュー」の有用性を議論する.また,いくつかのユーザテストにより,可視化結果の有効性を検証する.
著者
中西 秀之 樋口 ゆり子 川上 茂 山下 富義 橋田 充
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.129, no.12, pp.1433-1443, 2009-12-01 (Released:2009-12-01)
参考文献数
58
被引用文献数
3 3

Transposons are mobile genetic elements that move between or within vectors and chromosomes. For the transposition, an enzyme called transposase recognizes transposon-specific terminal inverted repeat sequences (IRs) located on both ends of transposons, and remove them from their original sites and, integrates them into other sites. Because of this feature, transposons containing genes of interest between their two IRs are able to carry the genes from vectors to chromosomes. Transposons are promising systems for chromosomal integration because they can not only integrate exogenous genes efficiently, but also be transfected to a variety of cells or organs using a range of transfection methods. In this review, we focused on the therapeutic application of transposons. A few transposons can integrate transgenes into mammalian chromosomes. They have been used in preclinical studies of gene therapy and cell therapy. In addition, they have recently been used for generation of induced pluripotent stem cells. Transposon-based integrative vector systems have two components. One is the transposon containing transgenes, and the other is the expression cassette of the transposase. Both viral and non-viral vectors have been used to deliver these two components to mammalian cells or organs, and sustained transgene expression has been achieved. Transposon-mediated sustained transgene expression has also produced therapeutic effect in disease models of hereditary and chronic diseases. Although transposon-based integrative vector systems have problems, such as insertional mutagenesis, studies to overcome these problems have been progressing, and these vector systems will become indispensable tools to cure refractory diseases.
著者
橋田 充 山下 富義 西川 元也 川上 茂
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

癌細胞の動態、存在状態の多様性および治療薬の癌病巣への到達性の制御の困難さのため、普遍的に適用可能な治療法は未だ確立されていない。本研究では、まず、癌増殖・転移過程の非侵襲的解析に必要不可欠な基盤技術であるバイオイメージングによる可視化および定量法を確立した。さらに、DDSのコンセプトに基づき、有効な癌治療薬および遺伝子医薬品の送達システムの開発および治療への応用を行った。
著者
山下 富義
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.2, pp.95-100, 2016 (Released:2016-02-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

代謝酵素を介した薬物間相互作用は薬物療法上大きな問題となっており,医薬品開発段階でもその予測・評価が求められている.生体の階層構造を考慮した生理学的速度論モデルはin vitro-in vivo補外予測に有効であり,医薬品開発ガイドラインの中でもモデリング&シミュレーションの一手法として活用が推奨されている.しなしながら,酵素誘導を伴う薬物間相互作用に関しては,遺伝子の転写・翻訳を伴う現象であることから予測はかなり難しい.筆者らは,CYP3A4の強力な誘導薬であるリファンピシンを例として,生理学的速度論モデルと酵素誘導ダイナミクスとを組み合わせて酵素誘導による薬物間相互作用の予測に成功した.さらに,この薬物間相互作用モデルを,近年活発に開発が進められているシステムバイオロジー関連のオープンプラットフォーム(CellDesigner/PhysioDesigner)上に再現した.これらのプラットフォームはモデルの共有・再利用性に優れており,現在注目を集めているシステム薬理学研究に有効なツールとなる.