著者
迫田 礼子 山下 謙一郎 林田 光正 岩本 幸英 山崎 亮 吉良 潤一
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.180-183, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
10
被引用文献数
2 7

症例は64歳男性である.1998年に頭部を打撲し慢性硬膜下血腫を来した既往がある.2000年から頭痛,ふらつき,聴力低下が出現し緩徐に増悪した.2011年,他院精査で血性髄液を認め,MRIでT2/T2*強調画像にて脳・脊髄表面に沿った低信号病変を認めた.脳表ヘモジデリン沈着症と診断されるも出血源は不明で,止血剤も無効であった.2015年当科受診時,水平性注視方向性眼振,両側高度感音性難聴,四肢・体幹失調を認め,MRIではCISS法にてTh2~3レベル硬膜前面に欠損を認めた.硬膜欠損に対して硬膜欠損閉鎖術を行ったところ,血性髄液の改善を認め,術後頭痛,失調の改善を認めた.
著者
山下 謙一郎 若生 忠幸 小原 隆由 塚崎 光 小島 昭夫
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.444-450, 2005-11-15
参考文献数
27

ネギのさび病抵抗性を改良するため, '聖冬一本', '岩井2号', '長寿', 'せなみ', '冬扇一本', '豊川太'の6品種を育種素材(C_0)として循環選抜を行った.循環選抜の1サイクルは2段階からなり, 最初の年に自殖および自殖系統選抜を行い, 2年目に相互交配および母系系統選抜を行った.2サイクルの循環選抜により, 10母系系統からなる改良集団(C_2)を得た.さらに, 2世代の自殖と自殖系統選抜を行い, 13のC_2S_2系統を得た.実施した循環選抜の効果を評価するために, 2回の接種検定により上記の選抜で得られた全世代のさび病抵抗性の程度を比較した.春季および秋季の接種検定において, 発病程度の指標であるarea under the disease progress curve (AUDPC)の値は循環選抜が進むにともない明らかに減少し, 抵抗性の向上が認められた.C_1からC_2世代にかけて抵抗性の変化は小さかったものの, C_2S_2世代では大幅な向上が認められ, C_2S_2系統のAUDPCは素材品種の約38%となった.以上の結果, ネギのさび病抵抗性の改良に循環選抜は有効であることが実証された.