著者
山内 美穂
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.162, pp.82-96, 2015 (Released:2017-12-26)
参考文献数
15

本稿は,一般に並列で用いられる「たり」を,「単独使用」することで生じる新たな用法に着目した研究である。具体的には「結婚しないと言ってた人が,結婚したりする」というような,会話文によく見られ,「可能性」の意味合いなどが生じる「たり」の用法について調査・考察した。調査にあたっては,20代~70代の日本語母語話者による2人1組の自然会話データ100人分を用い,会話で使用される頻度,形式のパタン,会話の流れなどを丹念に観察した。その結果,会話において,「たり」の「単独使用」形式は(a)「~たり」形式,(b)「~たりとか」形式,(c)「~たりして」形式の3つに分類され,「1つだけを例示し,一方でそれ以外のあらゆる事態や側面を暗示する用法」から「可能性」の意味合いなどが生じたり,話者の「意外」な気持ちが表せることなどを,実際の会話データを示しながら明らかにした。
著者
山内 美穂 岩切 昌宏
出版者
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
雑誌
学校危機とメンタルケア (ISSN:1883745X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.118-127, 2017-03-31

トラウマおよびPTSDに対する治療には、薬物療法とトラウマを焦点とする認知行動療法の有効性が高い。PTSD発症の要因の一つとして脳構造との関係が示されているが、心理療法である認知行動療法の臨床的効果と脳のメカニズムについては、まだ明らかになっていないことも多い。そこで脳機能画像を評価手法に用いた文献の研究を行い、トラウマに焦点をあてた認知行動療法の効果について検討した。現段階では、心理学的評価ほどには脳機能画像の変化は示されていないが、今後の研究によっては脳機能の評価が治療効果を予測するひとつの指標となることが期待される。Cognitive Behavior therapy focused on trauma and medication therapy show high effect on the treatment of trauma and PTSD. One of the factors of PTSD development is related to the cerebral structure. But it doesn't become clear yet about the relationship between the clinical effect of cognitive behavioral therapy and the brain mechanism. We searched the literature that used the brain function image for evaluation, and examined that the effects of the trauma focused cognitive behavioral therapy. Currently, the effects of brain function image are less than the result of psychological evaluation. In future research, what we expect that the brain function assessment to become an index to predict the treatment effect.