著者
亀岡 智美 齋藤 梓 友田 明美 八木 淳子 岩垂 喜貴 井野 敬子 酒井 佐枝子 飛鳥井 望 新井 陽子 成澤 知子 田中 英三郎 山本 沙弥加 高田 紗英子 浅野 恭子 島 ゆみ 中島 淳 竹腰 友子 西村 悠哉 三宅 和佳子 野坂 祐子 小平 雅基 市川 佳世子 岩切 昌宏 瀧野 揚三
出版者
公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、欧米で子どものPTSDへの第一選択治療として推奨されているTF-CBT(Trauma-Focused Cognitive Behavioral Therapy)の我が国における効果検証に取り組んだ。兵庫県こころのケアセンターと被害者支援都民センターにおいて実施した無作為化比較試験が終了し、先行研究と同様に、わが国においてもTF-CBTの有効性が検証された。結果については、論文にまとめ、報告する予定である。その他の研究分担機関においても、TF-CBTの終了例が蓄積された。TF-CBT実施前後のMRI画像分析については、福井大学子どものこころの発達研究センターで7例を分析した。
著者
大岡 由佳 岩切 昌宏
出版者
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
雑誌
学校危機とメンタルケア (ISSN:1883745X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.15-31, 2019-03-31

日本の精神科医療現場において、昔に比べて人権が配慮されてきているが、長期入院患者も少なくなく、また隔離拘束となる場合も多い。最近のアメリカのトラウマ研究から、医療・福祉・行政・司法・教育など様々な領域でトラウマ理解に基づいた支援(トラウマインフォームドケア)が必要であることがわかって来ている。精神障害者が、発症以前にトラウマを抱えていたり、発症後にトラウマとなりうる不当な扱いを受けて病状を悪化させたりしていたことなどが、精神障害者施設のフィールドワークより認められた。今後、日本の精神科医療の中でもトラウマインフォームドケアが行なえる体制が必要である。
著者
山内 美穂 岩切 昌宏
出版者
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
雑誌
学校危機とメンタルケア (ISSN:1883745X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.118-127, 2017-03-31

トラウマおよびPTSDに対する治療には、薬物療法とトラウマを焦点とする認知行動療法の有効性が高い。PTSD発症の要因の一つとして脳構造との関係が示されているが、心理療法である認知行動療法の臨床的効果と脳のメカニズムについては、まだ明らかになっていないことも多い。そこで脳機能画像を評価手法に用いた文献の研究を行い、トラウマに焦点をあてた認知行動療法の効果について検討した。現段階では、心理学的評価ほどには脳機能画像の変化は示されていないが、今後の研究によっては脳機能の評価が治療効果を予測するひとつの指標となることが期待される。Cognitive Behavior therapy focused on trauma and medication therapy show high effect on the treatment of trauma and PTSD. One of the factors of PTSD development is related to the cerebral structure. But it doesn't become clear yet about the relationship between the clinical effect of cognitive behavioral therapy and the brain mechanism. We searched the literature that used the brain function image for evaluation, and examined that the effects of the trauma focused cognitive behavioral therapy. Currently, the effects of brain function image are less than the result of psychological evaluation. In future research, what we expect that the brain function assessment to become an index to predict the treatment effect.
著者
小野田 正利 佐藤 晴雄 吉川 武彦 野田 正人 古川 治 楠 凡之 松本 剛 和井田 節子 岩切 昌宏 山野 則子 瀧野 揚三 西川 由紀子 新井 肇 小林 正幸 山下 晃一 岩永 定 入澤 充 嶋崎 政男 清水 和夫 清水 和夫 嶋崎 政男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

2000 年代に入ってわが国の学校現場では、教職員と保護者の間に時として激しい対立やトラブルが生じようになり、それらをどのように解決していくか、あるいは減少させていくかという課題が生まれてきた。本研究は、このような問題現象が増加している理由や背景の分析はもちろんのこと、具体的にどのようにすれば、トラブルが大きくならずに解決につながっていくかを考察したものである。このために研究者のメンバーの専門領域をより学際的なものとし、教育学だけでなく、法律学、精神医学、臨床心理学、福祉学などの幅広いものとして構成した。そこで得られた研究成果を、全国の12か所でシンポジウムとワークショップを開催する形で発表したが、これらの成果の多くは、6つの書籍などの成果物として結実した。
著者
石橋 正浩 二文字 理明 岩切 昌宏 石田 晋司 ベンクト G・エリクソン キルスティ クウセラ
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

精神障害者の地域生活を支える支援,とりわけサービス利用者と援助者との間でおこなわれる共同意思決定のプロセスについて,スウェーデンの専門職であるパーソナル・オンブズマンの制度と役割を整理し,その機能を日本で展開する可能性について,相談支援専門員を対象にした調査をもとに考察した。両国とも利用者の主観的ニーズと自己決定を最大限尊重しようとする援助者の姿勢は共通であるが,利用者の自己決定を支えるセーフティネットの広がりには違いがある。
著者
元村 直靖 石橋 正浩 瀧野 揚三 岩切 昌宏 下村 陽一
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.151-165, 2005-02-21

オーストラリアにおける学校危機への対応について調査を行った。その結果,アメリカのシステムと比較するとオーストラリアのシステムは中央集権的であり,学校に基盤を置いた危機チームの制度はあるものの,資源や訓練は限られたものになっている。日本においても,早急に,実状にあった学校危機管理システムの構築が必要であると考えられる。