著者
島田 玲子 山口 真希 木村 靖子 川嶋 かほる
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.114-120, 2013 (Released:2013-10-18)
参考文献数
21
被引用文献数
3

家庭内における味覚嗜好の伝承の実態を把握するため,4種に味付けしたひじき煮を用いて家族の嗜好の類似性を調査すると同時に,調査票による食生活調査を行った。69家族,277名の回答を検討した結果,おいしいと感じるひじき煮の親子間の一致率は,他人同士よりも高かったが,約半数の家庭では味覚嗜好が伝承していないことが判明した。嗜好の一致は,父子間,母子間ともに認められたが,母子間により強く認められた。三世帯同居家族内の親子の一致率は核家族内の一致率より低く,三世代同居家族の方が味覚嗜好が伝承しやすいとはいえないことが分かった。また,味覚嗜好が一致している親子と一致してない親子の食生活調査の結果を比較したところ,一致していない親子の方が市販の惣菜類への評価が高く,家庭外の味への慣れが,嗜好の伝承に負の影響を与えている可能性が示唆された。その他,味覚嗜好の自己評価や好きな食品などには,一致親子と不一致親子に差は見られなかった。
著者
山口 真希
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.191-201, 2012

知的障害児の数概念の発達は単純に「遅れ」るのだろうか。知的障害児が生活のなかでどのようにインフォーマル算数の概念を獲得していくのかについてはあまり明らかにされていない。本研究では,知的障害のある中学生(N=15)を対象に,数概念(計数,多少等判断,保存)および均等配分課題を実施し,知的障害児の数概念発達を日常的行為との関連で明らかにすることを目的とした。その結果,知的障害児について以下のことが示された。(1)数概念の発達は,生活年齢ではなく精神年齢に関係する。ただし,課題の取り組み方は同じ精神年齢の通常発達児と異なっている部分がある。(2)精神年齢,数概念の発達がともに幼児期段階であっても簡単な演算スキルを有している生徒がいる。(3)均等配分方略の差異は,生活年齢ではなく精神年齢に関係する。また精神年齢で対応させた通常発達児と比べると均等配分課題の成績がやや低い。(4)計数概念の有無,多少等判断概念の有無によって,採用する均等配分方略に違いが見られる。以上より,知的障害児の数概念と均等配分方略は相互に関連して発達し,通常発達児と異なるプロセスを経ている可能性が示唆された。
著者
山口 真希
出版者
奈良女子大学
雑誌
人間文化研究科年報 (ISSN:09132201)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.233-242, 2010-03-31

In this paper, previous studies about number concepts in childhood were considered for investigation concerning those of children with intellectual disabilities. The main findings were as follows:(1) There are little studies about number concepts of children with intellectual disabilities.(2) Children have a surprising amount of informal mathematical knowledge in childhood.(3) Informal mathematical knowledge are greatly depended on children's own experiences.(4) Experiment about equal distribution is proper measure for understanding children's number concepts.Therefore it is necessary to investigate the relationship between number concepts and equal distribution of children with intellectual disabilities.