著者
山岸 直基
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1-2, pp.2-17, 1998-07-10 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
1

直前の反応と異なる反応を分化強化するとき手続きが行動の変動性に及ぼす効果を大学生を対象に調べた。実験1と実験2において1反応の単位としてそれぞれ2反応系列と3反応系列を使用した。行動の変動性は、(a)分化強化するために参照される直前の反応の数が系統的に変化する分化強化条件と、(b)分化強化条件と強化率の等しい、被験者内および被験者間の2つのヨークト条件において比較された。その結果、どちらの実験においても、分化強化条件では、行動の高い変動性と直前の反応と異なる反応の出現数が高い頻度で確認され、ヨークト条件では、行動の変動性は低く、直前の反応と異なる反応の出現数も少なかった。また、参照される直前の反応の数が1のときよりもそれ以上のときに、より大きな変動性が観察された。本実験の結果より、直前の反応と異なる反応を分化強化する手続きによって直前の反応と異なる反応の出現数が増加し、その結果として、行動の変動性が増加することが示された。
著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05 (Released:2017-06-28)

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
山岸 直基
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.52-66, 2001-06-30

研究の目的 4反応系列と2反応系列を使用し系列反応の変動性に対する直前のN試行と異なる系列反応を分化強化する手続きと系列反応の長さの効果を検討することである。実験計画 分化強化条件とヨークト条件の間で強化率を一定にした被験者間ヨークトデザインを使用した。場面 被験者は実験室内でコンピュータマウス上の2つのボタンを使用した。被験者 大学生28名(男性15名、女性13名)。独立変数 直前のN試行に生起した反応と異なった反応が出現したときにポイントを提示するという手続きおよび系列反応の長さを独立変数とした。4反応系列の実験ではNは順に、1、2、3、5、7、11、15、7、1と変化し、2反応系列の実験では1、2、3、2、1と変化した。行動の指標 反応変動性の指標として全系列反応の相対頻度(U値)と周期性(反応の出現周期)の2つを測定した。結果 当確率性はヨークト条件よりも分化強化条件において高かった。周期性については、4反応系列の場合、Nが15に近づくにつれ周期性のない反応をする被験者が増加した。結論 直前のN試行と異なる系列反応を強化する手続きにより、また反応系列が長くなることにより反応変動性が増加することが示された。