著者
島宗 理 清水 裕文
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.269-277, 2006

We conducted theoretical analyses on reading comprehension from a behavior analytic point of view. First, reading comprehension is defined as behavioral changes that are caused by function-altering effects of reading text. Then, we inferred the conditions in which such function-altering effects might evolve. At minimum, textual, tact, and intraverbal responding are required, to the verbal stimulus in the text, ideally with equivalence relationships to what is described. Furthermore, autoclitic repertoires such as "A is B" and "if X then Y" seem to be critical for the text to have function-altering effects. Furthermore, for more comprehensive understanding, other supplemental verbal behavior, such as repetition, imagination, and looking up a dictionary seem to be effective problem-solving behavior, which could be explicitly taught. A gap between theoretical and empirical research is found in the investigation of the acquisition process of autoclitic frames, which thus calls for future research.
著者
清水 裕文
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.77-82, 2004-06-30 (Released:2017-06-28)

本稿では、行動分析学研究に掲載された心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関するスペイツ氏の英語論文(Spates & Koch, 2003)を日本語で要約した。原文では、「エキスポージャー療法」と「眼球運動による外傷的記憶の脱感作と再体制化を行う技法(EMD/R療法)」に共通する治療メカニズムについて言及している。原文を読む前、あるいは後に本稿を読んでいただいたとき、少しでも本稿がお役にたてば幸いである。
著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
清水 裕文 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.22-43, 1998
被引用文献数
1

本研究では4名の発達障害児を対象に、授与動詞や助詞を含む文の獲得に及ぼす条件の検討をおこなった。まず、高次条件性弁別の枠組みを用いて文法を分析した。実験Iでは2人の他者が物を受け渡ししている動画を提示し、"わたす""もらう"といった授与動詞を使用した文の構成を訓練した。文構成のために助詞選択条件と動詞選択条件を設定した。その結果、すべての対象児において適切な文構成が成立しなかった。実験IIでは対象児に実際動作を行ってもらい、それに対応する"わたしました""もらいました"という授与動詞を含む文を構成する反応の出現を分析した。動詞選択条件、名詞選択条件、助詞選択条件といった3つの条件性弁別場面を設定した。ベースラインでは動詞選択条件の正反応率が高く、他の条件の値はチャンスレベルであった。助詞選択条件の2つの事例を訓練することで、他の未訓練の文や名詞選択条件の正反応率も上昇した。実験IIIでは、対象児の実際動作に対応して、"あげました""くれました"という授与動詞を含む文を構成する反応を分析した。構成のために、実験IIと同じ条件性弁別手続きを設定した。その結果、ベースラインでは動詞選択条件の正反応率が高く、他の条件はチャンスレベルであった。助詞選択条件を訓練することで、名詞選択条件の正反応率も上昇した。本研究の結果から、自分自身の実際の行為を見本刺激とすることで、少数事例の訓練によって、発達障害児が適切な授与動詞や助詞を含む文を表出することが、可能となることが示された。また、授与動詞の獲得の困難さは、条件性弁別の階層性の高さに対応することが示唆された。
著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05 (Released:2017-06-28)

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
清水 裕文 山本 淳一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.639, pp.55-62, 1999-03-05
被引用文献数
2

「わ」と「ば」、「だ」と「ら」の音声弁別に困難を示す発達障害児を対象に、見本合わせ法に基づいた刺激シェイピング手続きが、それぞれの音声弁別の成立に有効であるかを検討した。弁別性を高めるために、コンピュータを使用して音声刺激を加工し、徐々に目標とする刺激へと変化させてゆく訓練を実施した。その結果、試行ブロック化手続きとの併用によって、誤反応を最小限にしながら音声弁別が獲得された。このことは、聴覚刺激を用いた場合にも刺激シェイピングが有効であることを示し、発達障害児の音声弁別を 改善するための指導法として利用可能であることを示した。