- 著者
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山崎 祐介
江頭 進治
南雲 直子
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
- 巻号頁・発行日
- vol.74, no.4, pp.I_931-I_936, 2018 (Released:2019-03-30)
- 参考文献数
- 8
- 被引用文献数
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本研究では,豪雨に伴う崩壊分布の推定法および土砂流出量の推定法を提案している.土砂流出予測法は,崩壊土砂が土石流化したものを質点系支配方程式で記述し,崩壊土砂の流下に伴う侵食・堆積の解析にもとづいて開発している.これを福岡県赤谷川流域において2017年7月に発生した豪雨を対象に適用し,次のような結果を得ている.本推定法は,豪雨に伴って支川流域で発生した崩壊土砂が土石流化し,流下にともない侵食して主要河道に到達し,そこで堆積するという土砂流出過程をよく再現している.流域河道の次数をHorton-Strahlerによる方法で分類し,各河道の平均渓床勾配と土石流の平衡勾配を用いて表現される渓床の侵食・堆積現象は,実際の土石流の侵食・堆積の傾向とよく一致している.流域内の侵食・堆積の空間分布は,河床勾配の空間分布と土石流の平衡勾配によって推測可能である.