著者
山本 訓史 徳原 太豪 西川 正博 西澤 聡 西岡 孝芳 野沢 彰紀 高橋 亮 渡邊 芳久 和田 力門 若狭 研一 久保 正二
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.164-174, 2012 (Released:2012-04-03)
参考文献数
44
被引用文献数
2 14

症例は60歳代,男性.8年前に肝細胞癌に対し肝部分切除術が施行された.平成23年2月の精査で肝S4/8とS6に再発が認められたため手術予定となった.糖尿病のコントロールが悪くHbA1cが8%台と長期間高値であったため術前にdi-peptidyl peptidase-IV(以下DPP-4)阻害薬内服によりコントロールを行った.DPP-4阻害薬内服前の腫瘍最大径はダイナミックCTでS4/8が5.0 cm,S6が2.5 cmであったが,内服開始3週間後のダイナミックCTでは腫瘍最大径はS4/8が2.5 cm,S6が2.0 cmと縮小した.AFPとPIVKA-IIはDPP-4阻害薬内服後に著明に低下した.病理組織学検査で肝細胞癌内に著明なリンパ球浸潤を認め,免疫組織化学染色で浸潤リンパ球はCD8陽性T細胞であった.免疫応答が強く関与していると考えられる肝細胞癌自然退縮の1例を経験した.

1 0 0 0 OA 1.肝切除

著者
長谷川 潔 青木 琢 山本 訓史 竹村 信行 阪本 良弘 菅原 寧彦 國土 典宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.1, pp.70-77, 2014-01-10 (Released:2015-01-10)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

肝細胞がんに対する肝切除は局所コントロールに優れており,肝機能が許す限り,治療の第一選択である.微小転移巣も系統的切除により除去可能であり,再発率を抑制しうる.脈管浸潤を伴う進行例でも肝切除により,予後改善が期待できる.ただし,術後の肝不全は致死的で,いったん発症すると回復困難なため,肝不全に至らないような厳密な術前評価と入念な準備,術中の工夫,綿密な術後管理が必須である.
著者
井上 清俊 西田 達 河田 安浩 泉 信博 山本 訓史 西山 典利 大杉 治司 木下 博明
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.150-156, 2002-03-15
参考文献数
30
被引用文献数
1

交通外傷12年後に診断され,手術治療した気管食道瘻の1例を報告する.症例は31歳,男性.1987年交通外傷にて両側気胸,意識消失のため入院加療を受けた.1999年4月食事摂取時の咳嗽のため受診した.気管分岐部直上膜様部の径33mm大の気管食道瘻と診断し,手術を施行した.瘻孔を食道壁とともに自動縫合器により閉鎖し,第5肋間筋を間置した.術後合併症はなく退院し社会復帰している.