著者
山田 政信
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.785-806, 2004-12-30 (Released:2017-07-14)

ブラジルではプロテスタンティズムが盛んだが、これはペンテコスタリズムの伸展に他ならない。この動向を探ることは伝統的にカトリックの国であったとされるブラジルの宗教変容を理解するうえで重要だといえる。ユニバーサル教会(Igreja Universal do Reino de Deus)は、一九七七年にリオデジャネイロで創始され、わずかの年限でブラジルのペンテコスタリズムで第三番目の大教団に急成長した。現在では、ラテンアメリカのみならず、多くの国で活動するようになっている。同教団の特徴は、繁栄の神学と悪魔祓いにあり、ネオペンテコスタリズムと呼ばれて従来のペンテコスタリズム教団と区別される。本稿では、同教団の発展要因にかんして、新自由主義経済とマチズム、宣教方法と教え、ブラジルの宗教文化という三つの側面について考察した。そして、宗教教団のグローバル化という現象についてグローカリゼーションの視点で論じるとともに、ネオペンテコスタリズムの可能性と限界を探った。
著者
三田 千代子 小池 洋一 柳田 利夫 山田 政信 山ノ内 裕子 拝野 寿美子 田中 祐司 柴崎 敏男 田村 エミリオ 加藤 博惠 堀 永乃 高木 和彦 松尾 隆司 松井 謙一郎 渡会 環
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本の外国人就労者である日系ブラジル人は、ホスト社会、エスニック集団、ホームランドの3社会に同時に存在している。エスニック集団はホスト社会に組み込まれたものであるが、ホームランドとの繋がりを維持しているのは、IT機器や携帯電話といった容易で安価で迅速なコミュニケーション手段の普及の結果である。すなわち、物理的に存在しているホスト社会は、ブラジル人就労者にとっては絶対的空間であり、種々のコミュニケーション手段によって社会的関係を維持しているホームランドは相対的空間である。この2つの空間に人が生きているということは、グローバル化時代だからこそ可能となったことである。
著者
山田 政信 魯 ゼウォン 奥島 美夏
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、日本産ブラジル系プロテスタント教会を主要な事例として次のテーマについて明らかにした。①ブラジルに帰還した夫婦の再適応戦略としての司牧活動。②ブラジル帰国と再適応:カンポグランデ・ホーリネス教会のケース。③デカセギ現象と日系宗教:マリンガ市の事例。④神の王国ユニバーサル教会の日本における展開。⑤ブラジル系プロテスタント教会の脱領域的なコミュニティ。⑥ヨーロッパのブラジル系プロテスタント教会(予備調査)。⑦日本の韓国系・インドネシア系プロテスタント教会。主たる成果は、雑誌論文3件、国内学会発表2件、海外発表2件(うち招待講演1件)、図書1件である。
著者
山田 政信
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.785-806, 2004-12-30

ブラジルではプロテスタンティズムが盛んだが、これはペンテコスタリズムの伸展に他ならない。この動向を探ることは伝統的にカトリックの国であったとされるブラジルの宗教変容を理解するうえで重要だといえる。ユニバーサル教会(Igreja Universal do Reino de Deus)は、一九七七年にリオデジャネイロで創始され、わずかの年限でブラジルのペンテコスタリズムで第三番目の大教団に急成長した。現在では、ラテンアメリカのみならず、多くの国で活動するようになっている。同教団の特徴は、繁栄の神学と悪魔祓いにあり、ネオペンテコスタリズムと呼ばれて従来のペンテコスタリズム教団と区別される。本稿では、同教団の発展要因にかんして、新自由主義経済とマチズム、宣教方法と教え、ブラジルの宗教文化という三つの側面について考察した。そして、宗教教団のグローバル化という現象についてグローカリゼーションの視点で論じるとともに、ネオペンテコスタリズムの可能性と限界を探った。