著者
奥島 美夏 永井 史男 金子 勝規 池田 光穂 石川 陽子
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本年度は引き続きASEANにおける看護・介護人材の調査を中心に進めた。まず、奥島はマレーシア、ブルネイ、インドネシア、ベトナムで現地調査を実施した。本プロジェクト初のマレーシア・ブルネイの調査では、保健省・看護師協会・大学などを訪問し、政策方針、外国人看護師の受け入れ状況、看護教育、卒業後の進路などについてインタビューを行った。両国はインドネシアと同じマレー語圏だが主に受け入れ国であり、しかし近年は現地看護師のシンガポールや中東への流出にも苦しんでいることがわかった。金子はタイ、カンボジアにおいて現地調査を実施し、医療政策や病院経営などについて調査を進めた。また、インドネシアにも奥島の調査に合流し、地方部(東カリマンタン州)における保健医療の現状を探るため、保健所(地域保健センター)、助産院、看護学校、現地民の自宅介護などについて参与観察・インタビューした。地方部では海外就労の機会は少ないが、結婚・出産・育児などのライフステージに合わせて大学や大学院への進学や、昇進にむけたプロモーション(地方勤務)などを行い、長期的な勤務を続けていくことが可能であることがわかった。永井は金子、および研究協力者の河野あゆみ教授(大阪市立大学看護学部)と、タイにおいて共同調査を実施し、医療政策や看護教育のほか、介護制度の普及と自治体の役割について調査した。なお、同教授には次年度の成果論集にて、主に看護教育面に関する報告・執筆などでも協力を依頼する予定である。さらに日本国内では、石川がEPA看護師や所属機関関係者へのインタビュー、池田は多様な保健医療の在り方と今後の動向について講演を行った。
著者
奥島 美夏 池田 光穂 石川 陽子 鈴木 伸枝 永井 史男 高畑 幸 服部 美奈
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

本研究は保健医療人材の国際移動に関する学際共同研究であり、日本・東南アジア間で2008年より開始した経済連携協定(EPA)による外国人看護師・介護福祉士候補の送り出し・受け入れを軸として、送出諸国(インドネシア・ベトナムなど)の保健医療・教育・移住労働を先進モデル国であるフィリピンと比較つつ課題を分析した。送出諸国は、1990年代の中東・英米での受け入れ開放政策や2015年末のASEAN経済統合をうけて人材育成・学歴引き上げを急ぐが、受け入れ諸国との疾病構造や医療・教育制度の相違などから必ずしも即戦力にはならず、ポストコロニアル的紐帯が薄い日本では職場適応・定住化にも困難があるとわかった。
著者
山田 政信 魯 ゼウォン 奥島 美夏
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、日本産ブラジル系プロテスタント教会を主要な事例として次のテーマについて明らかにした。①ブラジルに帰還した夫婦の再適応戦略としての司牧活動。②ブラジル帰国と再適応:カンポグランデ・ホーリネス教会のケース。③デカセギ現象と日系宗教:マリンガ市の事例。④神の王国ユニバーサル教会の日本における展開。⑤ブラジル系プロテスタント教会の脱領域的なコミュニティ。⑥ヨーロッパのブラジル系プロテスタント教会(予備調査)。⑦日本の韓国系・インドネシア系プロテスタント教会。主たる成果は、雑誌論文3件、国内学会発表2件、海外発表2件(うち招待講演1件)、図書1件である。