著者
岡本 峰雄
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.197-203, 1989-02-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

To examine the function of artificial reefs for gathering fishes, fish faunas were observed by using SCUBA on artificial reefs in sandy and rocky bottom areas and on natural reefs around Hatsu Shima Island, and compared among the reefs. There was a slight difference in the fish faunas between the two artificial reefs, but totally these faunas were same as those on the natural reefs. Fishes gathering around the artificial reefs were classified into three types according to the activities in the daytime: 1) settled, 2) active and 3) floating-types. For settled and active-type fishes, the artificial reefs functioned the same as natural reefs. For floating-type fishes which act in the nighttime, the artificial reefs functioned as a rest place in the daytime. The artificial reef which was located in sandy bootom area and isolated from natural reefs was seemed to have strong gathering effect for floating-type fishes.
著者
岡本 峰雄
出版者
東京海洋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

1.藻類増殖具の改良新型増殖具(鉄鋼スラグが原料のセラミック)は強度が高い微細多孔質構造という特徴を有していた。18年11月、東京湾内2ケ所(江奈漁港、竹岡海岸)のアラメ藻場に設置し、19年5,6月に回収した。また19年10-11月、館山実験場と茨城水試でアラメ着生実験を行った。2.海域実験18年に設置した増殖具は実験室で詳細な計測を行った。江奈の0m層の増殖具にはアオサ、0.2mはツノマタ、竹岡の2mはツノマタとテングサ)が生育していた。藻類はさまざまな生長段階のものが密生し(株数計測不能)、着生位は光を受ける上面から側面に限られていた。3.水槽実験館山では漂着したアラメ、茨城では当日採取したアラメを用い、遊走子を抽出した。増殖具は遊走子液に浸漬して水槽で育成した。茨城では増殖具を配置した水槽に母藻を投入する方法も追加した。増殖具表面は1-2週間で珪藻が厚く覆ったため、適時表面をブラシで軽く清掃した。20年2月段階で一部の増殖具に数ミリから10mmのアラメ幼体(胞子体)が確認され、以後は成長を速めた。増殖具に数個から数十個の幼体が密生していた。母藻を投入して放置し、適時表面をブラシで清掃したものが着生に成功した。遊走子の着生から幼体が確認できるまでの成長段階は観察することはできなかった。増殖具の微細孔に珪藻は入れないが遊走子は入れることが理由と考えるが未解明である。
著者
岡本 峰雄 野島 哲 古澤 昌彦
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.有性生殖を利用したサンゴ再生技術の研究開発セラミック製の着床具を開発して海域着生実験を行った。海域の水温と月齢の関係を調べつつ、石西礁湖各所でサンゴの成熟度調査を行って一斉産卵の予測を試みた。着床具は4月と5月の2回の満月前に海域に設置したが、前者で適切な着生結果が得られ、後者は少し遅すぎた。また、架台に密に配置した着床具の配置についても重要な知見が得られた。各着床具に光と流れが十分にあたるよう配置することの重要性が明らかになった。2.白化が頻発するなかでのサンゴ群集構造の変化についての研究石西礁湖のサンゴの健康度評価のため、92種のサンゴを対象に、クロロフィル蛍光を利用した光合成収率と光-ETR曲線を得た。この結果、健康なサンゴは暗順応状態で収率が0.66と、また100PAR時は27.8と共通であることを見出した。これを基準に白化状態のサンゴの健康度評価を行ったところ、熟練者が目視で判断した白化段階とほぼ一致する値を簡便に計測できるようになった。3.サンゴの受精卵・幼生の定量化のための基礎研究プランクトンなどの微細な海洋生物の定量的把握は海洋生物資源管理のうえで重要な課題である。現在実用化されている計量式魚群探知機の周波数の上限は400kHz程度であり、やや大型の動物プランクトン計測に用いられている。より微細な1mm程度以下の生物の計測を目的として、1.1MHzのスプリットビーム方式のTS測定システムを試作し、水槽実験で直径2mmの較正球を用いて探知範囲と計測精度の検討を行った。その結果小型動物プランクトンの計測が可能であるとの見通しが得られた。
著者
菅 和利 大澤 和敏 赤松 良久 恵 小百合 大久保 あかね 岡本 峰雄
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

観光資源が主たる資源のパラオ共和国においては、宅地造成、農地開墾(焼畑)など土地利用形態の変化に伴う赤土流出と自然環境への影響は総合的視点から検討すべき課題である。本研究ではパラオ共和国での国土管理の指針を提供することを目的とし、赤土流出量の現地観測とモデル計算とを行った。造成地からは、草地・裸地の約300倍の年間約700t/haの赤土流出量が観測された。観測値はモデル計算での推定結果とよく対応していた。また、環境保全の観点から旅行者数と環境容量についての検討も行った。