著者
岡本 直子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.199-208, 1999-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本研究の目的は, 1) 親密な他者の存在と成功恐怖との関係, 2) 成功恐怖の性質における性差, 3) 性役割観すなわち, 男女が自分の性別に対する社会の期待をいかに認知しているかという「役割期待の認知」や, 成功者にどの様な性役割像を抱くかという「成功者イメージ」と, 成功恐怖の出現との関係, の3点を検討することである。大学生を対象に, 1) 性・対人関係の違いによる成功恐怖の出現の仕方を調べるための, 刺激文を与えそれに関する質問に自由記述で回答させる投影法的方法の課題, 2) 役割期待尺度, 3) 成功者に対するイメージ尺度, の3つからなる質問紙を配布し, 302名 (男性149名, 女性153名) から有効なデータが得られた。データの分析結果から, 男性は競争場面において, 親友や恋人など, 自分と親密な相手を負かして成功した場合に成功恐怖が高くなること, 一方, 女性は恋人を負かす場合に成功恐怖が高まることがうかがわれた。また, 女性が, 成功は女性としての伝統的なあり方に反するものであると感じる場合に成功恐怖を抱く傾向にあるのに対し, 男性は, 「失敗の恐れ」をもつ場合に成功に対して逃げ腰になる, というような, 男性と女性との成功恐怖の性質の違いが示された。また, 女性は, これまでの研究で男性的であるとされていた活動的な特性をもつことを望ましくないと評価すればするほど, 成功恐怖を抱きやすいことがうかがわれた。一方男性は, 望ましい男性的役割とはかけ離れたイメージを成功者に抱く場合に成功恐怖を抱きやすいことが示唆された。
著者
岡本 直子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.199-208, 1999-06-30

本研究の目的は, 1)親密な他者の存在と成功恐怖との関係, 2)成功恐怖の性質における性差, 3)性役割観すなわち, 男女が自分の性別に対する社会の期待をいかに認知しているかという「役割期待の認知」や, 成功者にどの様な性役割像を抱くかという「成功者イメージ」と, 成功恐怖の出現との関係, の3点を検討することである。大学生を対象に, I)性・対人関係の違いによる成功恐怖の出現の仕方を調べるための, 刺激文を与えそれに関する質問に自由記述で回答させる投影法的方法の課題, 2)役割期待尺度, 3)成功者に対するイメージ尺度, の3つからなる質問紙を配布し, 302名(男性149名, 女性153名)から有効なデータが得られた。データの分析結果から, 男性は競争場面において, 親友や恋人など,自分と親密な相手を負かして成功した場合に成功恐怖が高くなること, 一方, 女性は恋人を負かす場合に成功恐怖が高まることがうかがわれた。また, 女性が, 成功は女性としての伝統的なあり方に反するものであると感じる場合に成功恐怖を抱く傾向にあるのに対し, 男性は, 「失敗の恐れ」をもつ場合に成功に対して逃げ腰になる, というような, 男性と女性との成功恐怖の性質の違いが示された。また, 女性は, これまでの研究で男性的であるとされていた活動的な特性をもつことを望ましくないと評価すればするほど, 成功恐怖を抱きやすいことがうかがわれた。一方男性は, 望ましい男性的役割とはかけ離れたイメージを成功者に抱く場合に成功恐怖を抱きやすいことが示唆された。
著者
本橋 英明 小畑 満 森本 慎吾 加藤 俊介 桑山 隆志 岡本 直子 石田 孝雄 杉原 健一
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.1939-1943, 2004 (Released:2011-06-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

症例は86歳の女性で, 腹痛を主訴に外来受診し, 腹部単純X線検査にて腸閉塞と診断され入院となった. ガストログラフィン注腸検査ではS状結腸に高度の狭窄が見られ, 腹部造影CTで同部位に浮腫性変化による壁肥厚と憩室を認めたため, 憩室炎による腸閉塞と診断した. 大腸内視鏡は, 腸の屈曲が強く病変部まで挿入できなかった. 開腹するとS状結腸周囲は炎症が激しく, 強固に癒着していたが剥離可能であった. 口側の大腸は著しく拡張していたため大腸亜全摘を施行した. 切除標本の肉眼所見ではS状結腸は約6cmの壁肥厚を伴う狭窄が見られた. 病理組織学的所見では異型性のない大腸粘膜と, 筋層の肥厚, 著しい炎症細胞浸潤が認められ, 憩室による筋層の肥厚に, 浮腫性の変化が加わって狭窄がおきたと考えた. 悪性所見は認めなかった. 大腸憩室症の合併症は多彩であるが, 腸閉塞となり, 手術を要した症例の報告は少ないことから, 文献的考察を加えて報告する.
著者
坂本 誠 岡崎 吾哉 岡本 直子 川口 晴之 永野 学 瀬戸 洋一
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.52-60, 2016-01-15

個人情報影響評価(PIA:Personal information Impact Assessment)は,個人情報の収集を伴う情報システムの導入,改修の際に,個人情報漏洩問題の回避あるいは低減を目的として個人情報に関するリスクを「事前」に評価するリスク管理手法である.海外ではPIAの実施例は多いが,その有効性を客観的に評価した事例はない.日本で普及させるには,有効性の検証が必要である.評価対象システムの個人情報に関するリスクを構築前に可視化することができるか,システムを適正に構築運用するためにPIA実施依頼組織の個人情報保護意識を向上させることができるかという観点からPIAの評価を行った.個人情報保護意識が約10% 改善するなど,有効性があるという結果を得た.
著者
岡本 直子 逸見 泰久
出版者
日本ベントス学会
雑誌
日本ベントス学会誌 (ISSN:1345112X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.75-78, 2002-06-27 (Released:2009-08-07)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

The reproductive strategy of the parasitic isopod Onisocryptus ovalis in the luminescent ostracod Vargula hilgendorfii was studied at a beach in Kumamoto Prefecture, Japan, and in the laboratory, mainly from April 2000 to May 2001. Onisocryptus ovalis is a protandrous hermaphroditic species and changes from a mobile male to an immobile female that loses most of its appendages and has a sack-like body. Male parasites O. ovalis invade female hosts V. hilgendorfii, eat the host eggs, change sex, produce eggs, and die after the eggs have hatched. Some parasites invade immature or male hosts, but move to female hosts immediately afterwards. The percentage of hosts parasitized by O. ovalis was low (0-18%) from summer to autumn, but increased greatly (28-91%) from winter to spring mainly because of a shortage of hosts. Usually, one or two male parasites were found in a host, and only one male of them changed sex. From winter to spring, however, up to 8 male parasites were found in a host and a maximum of five changed sex. The most adaptive parasitic strategy of O. ovalis seems to fertilize eggs as a male as many times as possible, and then to produce more eggs as the only female in a host, although these parameters are not available at present.