著者
小橋 暁子 山田 響子 南 銀祐 砂上 史子 佐瀬 一生 岡田 加奈子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.387-396, 2013-03

2006年WHO西太平洋地域事務局(WPRO)は,学校教育の中で健康教育を普及するための教材を開発した。その教材は7つの項目からなる冊子,紙芝居,ポスター,口腔内の模型,歯ブラシ,ボールなどの視覚教材,そしてそれらを納める箱で構成され,アーバニー・ヘルス・スクール・キット(USHK)と名付けられている。現在WPROは,その教材の普及のためにWPRO所在地のフィリピン国内において試験校をいくつか設定し,教員の研修,学校での実施,評価を行い,教材の普及と内容の充実を図っている。HPS(ヘルスプロモーティングスクール)プロジェクトを組む筆者らは,HPSの概念を実践に移す教材の基盤づくりのため,今回,USHKを使用している小学校を見学し,フィリピンの学校や児童の状況とともに使用状況の調査を行った。調査を通して,日本およびアジア地域のHPSを進めるための教材の在り方を考える手立てとしたい。冊子体では著者名部分の英語表記がMamu, Un Wooとなっているが、実際はNam, Eun Wooである。リポジトリでは修正済みのファイルを掲載。冊子体ではアーバニー学校健康教育キット(USHK)の略称がUHSKになっている部分が数箇所あるが、リポジトリでは修正済みのファイルを掲載。
著者
嶋田 雅子 小林 陽子 坂口 寄子 岡田 加奈子 村山 伸子 佐々木 敏 武見 ゆかり
出版者
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.94-109, 2008
被引用文献数
1 1

目的: 小学生を対象に「弁当箱ダイエット法」を用いたランチバイキング学習を実施した.このランチバイキング学習を通して, 児童の食物選択内容が改善するかを検討した.<BR>方法: 東京都世田谷区の小学6年の児童61名 (男子30名, 女子31名) が2003年秋にこの研究に参加した.ランチバイキング学習は, 年間を通じた食に関する学習プログラムの最初と後半の2回実施された.児童の食物選択内容の変化を, 栄養素, 食品, 料理レベルで検討した.さらに, 児童自身の選択内容の変化の気づきについてワークシートを分析した.<BR>結果: 栄養素では, 脂肪エネルギー比が男子は41%から33%, 女子は42%から29%へと有意に減少した.一方, 炭水化物エネルギー比は男子は40%から51%, 女子は40%から55%へと有意に増加した.食品では, 白飯が男子は108gから192g, 女子は82gから186gへと有意に増加し, 緑黄色野菜, 及び野菜の総重量も有意に増加した.料理では, 「食事バランスガイド」のサービング (SV) 数に基づき評価した結果, 主食と副菜の平均SV数が増え, 主菜のサービング数が減少した.学習時に児童が記入したワークシートの記述内容の分析では, 多くの児童がバランスの良い食物選択について正しい認識をしていた.<BR>結論: このランチバイキング学習を通して, 児童がバランスのよい食物選択のための知識とスキルを獲得したと示唆された.