著者
永田 勝太郎 長谷川 拓也 岡野 寛 大槻 千住 広門 靖正 青山 幸生
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.479-486, 2004
参考文献数
15

専門医により予後不良と診断された末期がん患者28例に対し,補剤を投与し,実存分析的なアプローチを加え,全人的医療を試みた.その効果について,レトロスペクティブに検討した.評価は,主観的にはQOL調査票を用いてQOLを評価し,客観的には尿17-KS-S(以下,S),17-OHCS(以下,OH),S/OH比を用いた.補剤である十全大補湯,紅参末,コエンザイムQ10を用い,さらに実存分析を基盤とした心理療法を行った.その結果,延命効果(6カ月未満から平均18カ月へ)とQOLの改善(特に食欲と疼痛)が認められ,低下していたS,S/OH比が上昇した.さらに,6例が実存的転換を示した.転換群と非転換群の身体・心理・社会・実存的条件を比較した.トータルQOL,食欲,高S,至高体験,意味への気つきが転換群で優れていた.また,死の様態では転換群に尊厳死が多かった.
著者
杉山 敏郎 岡野 寛
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.48, no.574, pp.357-361, 1941-07-20 (Released:2008-04-11)
被引用文献数
2 1

本邦には三葉蟲類の尾部が北上及び阿武隈兩山地の二疊紀から夫々知られ, 大體廣義のPhilipsiaに同定せられてゐた。最近此外に石炭紀・泥盆紀及びゴトランド紀層からも夫々發見せらるるに至つた。本報告では北上の中里統から産出したPhacopsの尾部の記載をした。この標本は狹義のPhacopsに同定され, 殊にP., latifronsに酷似する諸性質を帶びてゐる。この泥盆紀産の三葉蟲の報告は本邦では初めてである。
著者
岡野 寛 細川 敏弘
出版者
香川高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

グラファイトシートを用いて弱光時には化学電池として動作し光励起によりパワーアップするソーラーアシストバッテリーを開発する。空気電池正極のグラファイトシート中もしくは表面に酸化物半導体が分散した構造を有する。グラファイトシート中への酸化物半導体の分散方法としては,アルコキシドを利用した湿式法とスパッタ法による表面への形成が有効である。またスパッタ法では,可視光域にバンドギャップを有するNbOの作製に成功した。正極にアルミニウム,負極に銅を用い,正極表面に酸化チタンを形成した構造で光照射により約18%光電流が増加した。しかし,実用的な空気電池に適用したところ,増加率は1%に満たない結果となった。