- 著者
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岩坂 直人
- 出版者
- 日本海洋学会
- 雑誌
- 海の研究 (ISSN:09168362)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.3, pp.197-211, 2009-05-05
太平洋の気象観測ブイの計測値を用いて,海上気温の平均的な日変化について調べた。平均的な気温日変化は,地方時5時前後に最低値,15時から16時頃に最高値を取り,日較差は0.3〜0.8K程度であった。大気潮汐が顕著な海域では午前の昇温が強調され,逆に午後の最大は多少抑制される。しかし,そのような平均的日変化が日々の気温の日変化を代表するのは,赤道域中央,東部など天気の安定している海域だけである。赤道太平洋西部や中高緯度の海域では活発な対流活動や総観規模擾乱,季節内振動などに伴う温度変化と思われる変動が卓越し,一日の最高,最低気温の差は平均的日較差より1桁大きい。なお,過去の研究でも指摘されているが,いくつかのブイの気温観測値には正のバイアスが午前と午後に現れていることが疑われ,その大きさは平均で0.1〜0.2K程度に及ぶ可能性がある。