著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.45, pp.199-204, 2012-05-15
被引用文献数
3

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の本棚散策では大きな指標となっている.本研究では,読者の印象を反映させた書籍表紙画像を自動生成するための第一段階として,内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色の抽出を試みた.被験者20人に感想文と表紙画像を描画するタスクを与え実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず,小説において読者の描いた表紙画像色との一致率が高く,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.
著者
越前 功 大金 建夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.824-829, 2017-08-15

指紋認証が普及し,PCやスマートフォン等,個人用の機器にも広く採用されつつある.その一方で,ディジタルカメラを使って指紋を遠隔から窃取し,不正ログインやなりすましなどに悪用される危険性が指摘されている.本解説では,撮影された写真に画像処理を施すことにより.不正な指紋認証が実際に可能であることを示す.また,これを防止するための手段として,接触式の指紋センサーには正常に反応しつつ,撮影された写真から指紋の復元を不可能にする盗撮防止手法について概説する.
著者
越前 功
出版者
国立情報学研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

高解像度カメラや静脈認証センサの普及により,被撮影者の指紋・掌紋・静脈等の生体情報が意図せず取得され,悪用される可能性が指摘されている.生体認証に用いられる生体情報は終生不変のため,当該情報の漏えいは当事者の生涯に渡り不利益をもたらす危険性がある.本研究では,人間とアルゴリズムによる生体情報の認識の差異に基づいて,指紋等の生体情報のパターン認識を失敗させるジャミングパターンを被撮影者の指表面や手のひらに転写することで,視覚的違和感がなく,利便性を保ちながら,カメラやセンサ経由で取得した生体情報の認識を不能にする手法(バイオメトリックジャマー)を確立する.
著者
町田 史門 小山 貴之 宋 洋 高田 さとみ 嶋田 茂 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.226, pp.5-10, 2012-09-27

カメラ付きモバイルデバイスの普及により,SNSへの写真投稿が容易になっているが,その写真投稿に起因したプライバシー侵害の問題が次第に増加しつつある.この問題の多くは,被写体ユーザの了解を得ることなく写真を投稿する行為にあるが,そのプライバシー侵害と感じる要因を,アンケート調査と過去のSNS記事アーカイブを用いたマイニングにより解析し類型化を行なった.更にそれを用いたプライバシー保護サービスの策定を行なった.
著者
大金 建夫 越前 功
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.2, pp.355-362, 2016-10-04

撮像素子の高画素化により,数千万画素の解像度を持つデジタルカメラが広く普及している.それに伴い,従来接触式の指紋センサーでしか読み取れなかった指紋情報を,デジタルカメラを使って遠隔から窃取し,不正ログインやなりすましなどに悪用される危険性が指摘されている.本論文は,接触式の指紋センサーやタッチスクリーンには正常に反応しつつ,撮影された写真から指紋の復元を不可能にする盗撮防止手法を提案する.提案手法を実装した装着具 (BiometricJammer) は,装着したまま正当な指紋認証が可能であるなどユーザの利便性を確保しつつ,盗撮による生体情報の不正な取得を効果的に防止できることを検証した.
著者
山田 隆亮 越前 功 手塚 悟 吉浦 裕
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.126, no.9, pp.1127-1137, 2006-09-01
参考文献数
17
被引用文献数
4

Emerging broadband networks and high performance of PCs provide new business opportunities of the live video streaming services for the Internet users in sport events or in music concerts. Digital watermarking for video helps to protect the copyright of the video content and the real-time processing is an essential requirement. For the small start of new business, it should be achieved by flexible software without special equipments. This paper describes a novel real-time watermarking system implemented on a commodity PC. We propose the system architecture and methods to shorten watermarking time by reusing the estimated watermark imperceptibility among neighboring frames. A prototype system enables real time processing in a series of capturing NTSC signals, watermarking the video, encoding it to MPEG4 in QGVA, 1Mbps, 30fps style and storing the video for 12 hours in maximum
著者
越前 功 大金 建夫
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.824-829, 2017-08-15

指紋認証が普及し,PCやスマートフォン等,個人用の機器にも広く採用されつつある.その一方で,ディジタルカメラを使って指紋を遠隔から窃取し,不正ログインやなりすましなどに悪用される危険性が指摘されている.本解説では,撮影された写真に画像処理を施すことにより.不正な指紋認証が実際に可能であることを示す.また,これを防止するための手段として,接触式の指紋センサーには正常に反応しつつ,撮影された写真から指紋の復元を不可能にする盗撮防止手法について概説する.
著者
北澤 宏泰 金田 北洋 岩村 惠市 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.138, pp.205-212, 2013-07-11

紙メディアは電子化が進んだ現在においても重要なメディアであることは間違いない.しかし,紙を用いた印刷物に対する保護技術の研究は少ない.その保護技術の1つとして,金田らによって提案された単一ドット方式がある.単一ドット方式は,印刷物に小さな点を打ち込むことで情報を埋め込み,印刷物に違和感なく情報を埋込むことができるが,今までの研究ではその抽出精度が低く,100%の情報抽出は困難であった.そこで,本論文では単一ドット方式の抽出法を改善することで,元となる誤り率を低減し,かつ,誤り訂正符号を適用することで,低い冗長度でほぼ100%正確な情報抽出を実現した.
著者
飯田 拓也 梶山 朋子 大内 紀知 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.75-84, 2014-01-01

書籍の表紙は直観的に本のイメージを与えるだけでなく,書籍購入前の検索や購入後の書棚散策では大きな指標となっている.一般的に,出版書籍の表紙は,作者や出版社の意思を反映しデザインされるため,読者の印象が反映されにくい.また,近年普及が進んでいる電子書籍コンテンツの中には,表紙が提供されなかったり,同一デザインの表紙が用いられるものが存在し,表紙画像をベースとした書籍検索や書棚散策が考慮されていないという問題があった.そこで,本論文では,書籍表紙画像の自動生成を目的として,読者の印象を反映させた表紙画像色の抽出手法を提案する.具体的には,人間の内面的な性質や状態を表す形容詞と色の関係性に着目したデータベースを構築し,書籍本文と感想文から表紙色を抽出する手法を提案する.被験者20人による表紙画像の描画による実験と,被験者15名による書籍表紙色の選択による実験を行った結果,本手法は文章量に依存せず色抽出を行えること,読書後に読者の感情が揺れ動く小説において特に有効であること,実際に出版されている書籍の表紙よりも読者の印象を反映できることを確認した.
著者
町田 史門 小山 貴之 宋 洋 高田 さとみ 嶋田 茂 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.226, pp.5-10, 2012-09-27

カメラ付きモバイルデバイスの普及により,SNSへの写真投稿が容易になっているが,その写真投稿に起因したプライバシー侵害の問題が次第に増加しつつある.この問題の多くは,被写体ユーザの了解を得ることなく写真を投稿する行為にあるが,そのプライバシー侵害と感じる要因を,アンケート調査と過去のSNS記事アーカイブを用いたマイニングにより解析し類型化を行なった.更にそれを用いたプライバシー保護サービスの策定を行なった.
著者
町田 史門 梶山 朋子 嶋田 茂 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2092-2103, 2014-09-15

SNS(Social Networking Service)が幅広い年齢層に急速に普及し,SNSに投稿されるライフログにより,多くの人々がコミュニケーションを活発化している一方,SNS投稿に起因したプライバシ侵害のトラブルが多く発生している.その原因の1つとして,SNSユーザによる,個人に関する情報の漏洩がある.本論文では,SNSユーザの不用意な投稿による個人に関する情報の漏洩が,実際に発生していることを確認するために,Twitterアーカイブにおけるこのような情報漏洩の存在率の試算評価を行った.次に,本試算評価を受け,SNS投稿時に発生する情報漏洩を自動検知する第一歩として,非公開とすべき情報の内容分類と開示レベルを対応付けた,SNSにおけるプライバシ侵害情報分類表の提案とその評価を行った.さらに本分類表の特性を活かし,センシティブデータの漏洩有無の通知と,SNS投稿者を中心としたネットワーク内における公開対象者の自動設定を提供するシステムを提案した.Social Networking Service is rapidly becoming popular for all ages nowadays. Users communicate by posting messages in SNS. On the other hand, posting messages through SNS increases invasion of privacy. One of the reasons is SNS users themselves often leak their sensitive data unintentionally. In this paper, to confirm leakage of sensitive information by unintentional posts, we evaluate the abundance ratio of sensitive data in Twitter archive. As a result, we define and evaluate a classification table of invasion of privacy for SNS that is based on classification according to contents of information which should be kept private, and disclosure level as the first step to detect privacy leaks automatically. We also propose a system that provides automatic configuration of disclosure target based on SNS egocentric network.
著者
町田 史門 梶山 朋子 嶋田 茂 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.2092-2103, 2014-09-15

SNS(Social Networking Service)が幅広い年齢層に急速に普及し,SNSに投稿されるライフログにより,多くの人々がコミュニケーションを活発化している一方,SNS投稿に起因したプライバシ侵害のトラブルが多く発生している.その原因の1つとして,SNSユーザによる,個人に関する情報の漏洩がある.本論文では,SNSユーザの不用意な投稿による個人に関する情報の漏洩が,実際に発生していることを確認するために,Twitterアーカイブにおけるこのような情報漏洩の存在率の試算評価を行った.次に,本試算評価を受け,SNS投稿時に発生する情報漏洩を自動検知する第一歩として,非公開とすべき情報の内容分類と開示レベルを対応付けた,SNSにおけるプライバシ侵害情報分類表の提案とその評価を行った.さらに本分類表の特性を活かし,センシティブデータの漏洩有無の通知と,SNS投稿者を中心としたネットワーク内における公開対象者の自動設定を提供するシステムを提案した.
著者
山田 隆行 合志 清一 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.531-541, 2014-01-15

盗撮やカメラの写りこみによるプライバシー侵害を,被撮影者側から防止する手法を提案する.カメラ付き携帯端末の普及や,SNSや画像検索技術の進展により,無断で撮影・開示された写真を通じて,被撮影者がいつ・どこにいたかという情報が暴露されることになり,被撮影者のプライバシー保護が求められている.従来手法は被撮影者の顔面の隠ぺいや着色により顔面を変える必要があるため,物理空間における人対人のコミュニケーションに支障をきたすという問題があった.本論文では,被撮影者のプライバシーを保護するために,人間の視覚とデジタルカメラの撮像デバイスの感度特性の違いを利用したウェアラブルデバイスを被撮影者が着用することで,人の視覚に違和感を与えずに,撮影された画像からの人物の同定を不能にする手法を提案する.提案手法を実装したウェアラブルデバイス(プライバシーバイザー)を用いて10名の被験者による顔検出の評価実験を行った結果,プライバシーバイザーが被験者の顔を効果的に未検出にできることを確認した.
著者
高間 浩樹 越前 功 吉浦 裕
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.27, pp.1-6, 2009-05-21

取調べの可視化によって自白の任意性が客観的かつ容易に確認可能になるとの期待がある,一方,取調べの妨げや裁判の非効率化につながるとの指摘もある.①取調べの可視化に対する期待を実現するために技術によってどのような支援ができるか,②取調べの可視化について指摘される問題点を技術によってどのように軽減することができるか,という観点から取調べの可視化について分析し,(1)ヒューマンエラーの防止,(2)開示の完全性,(3)プライバシーの保護,(4)可視化記録の閲覧の効率化,という4つの技術課題を明らかにした.このうち(1)~(3)を解決する方法として,個々の被疑者を区別せず全ての取調べを自動的に記録し,一元管理する方法,顔・声紋識別を用いて一元管理された記録中から当該被疑者の記録のみを漏れなく検索する方法を提案し,これらを統合した取調べ可視化システムを提案する.In this paper, we analyze problems in visual interrogation recording and clarify four technical requirements for IT technologies to solve these problems; (1) preventing human errors, (2) guaranteeing completeness of record disclosure, (3) protecting privacy of irrelevant people, and (4) enabling effective survey of long record. To meet these requirements, we propose a method that automatically records interrogation without discriminating each suspects, a method that uses face and voice recognition techniques to retrieve all records of the target suspect without retrieving those of other suspects, and the system that integrates these methods.