- 著者
-
岩淵 洋
- 出版者
- Japan Association for Quaternary Research
- 雑誌
- 第四紀研究 (ISSN:04182642)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.4, pp.303-314, 2000-08-01 (Released:2009-08-21)
- 参考文献数
- 31
- 被引用文献数
-
5
7
内湾に潜在する活断層の検出と,基盤の形状を明らかにすることを目的として,大阪湾および伊勢湾において反射法音波探査を実施した.大阪湾には,大阪湾断層,津名沖断層のほか,いくつかの活断層が潜在している.活断層が基盤に変位を及ぼしているために,大阪湾の基盤形状は複雑であり,これを埋積する堆積層の厚さは2,700m以上に達する.大阪湾断層の北部で行ったボーリング調査では,断層が千数百年前に活動したことが示唆される.伊勢湾には伊勢湾断層,鈴鹿沖断層,白子-野間断層が伏在している.伊勢湾においても,基盤形状は複雑である.堆積層の厚さは1,700m以上ある.伊勢湾断層北部におけるボーリング調査では,断層が更新世後期以降動いていないことが明らかとなった.