著者
岸本 真弓 金子 弥生
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.237-250, 2005 (Released:2006-12-27)
参考文献数
18
被引用文献数
6
著者
岸本 真弓 金子 弥生
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.237-250, 2005-12-30
参考文献数
18
被引用文献数
5
著者
濱崎 伸一郎 岸本 真弓 坂田 宏志
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.65-71, 2007-06-30
被引用文献数
8

ニホンジカの管理に必要な密度指標として, 区画法と糞塊密度法, および目撃効率の整合性を調べ, モニタリング指標としての妥当性を検証した. これらの調査は, 福井県, 滋賀県, 京都府, 兵庫県, 徳島県などのニホンジカ特定鳥獣管理計画策定前調査および策定後のモニタリングで採用されている. 区画法による面積あたりのカウント数と糞塊密度, および糞塊密度と目撃効率には有意な正の相関があった. これまでのところ, 十分な調査努力をしている地域では, 両指標の年推移も非常によく一致しており, いずれも密度変化の動向を適切に反映していると考えられた. 目撃効率の活用においては, 狩猟者から寄せられる報告数 (出猟人日数) の確保や, 積雪が目撃数におよぼす影響などを明らかにすることが課題である. また, 糞塊密度調査では, 平均気温の差による糞塊消失率の変化などが結果を左右することが懸念される. 精度の高い確実な調査法がない現状では, 複数の指標から密度変化の動向を評価することが重要である. <br>
著者
小松 武志 坪田 敏男 岸本 真弓 濱崎 伸一郎 千葉 敏郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.j65-j71, 1994
被引用文献数
9 16

ニホンツキノワグマ(<I>Selenarctos thibetanus japonicus</I>)の捕殺個体27頭から採取した精巣と,捕獲個体13頭の精巣から採取したバイオプシー材料を用いて,性成熟年齢と,未成熟および成熟個体における精子形成の開始および至開始にかかわる幹細胞について検討した.<BR>精巣の大きさ,重量および精細管直径の各値は2~3歳において急激に上昇し,また精巣の組織学的観察により成熟と判断された個体は,1歳で0%,2歳で50%,3歳以上で100%であった.よって生理的な性成熟(春機発動)年齢は,2~3歳であると推定された.<BR>未成熟個体の精細管中には,セルトリ細胞と巨大円形細胞のみが観察された.この後者の細胞は他種の動物で報告されているGonocyteと形態学的に一致した.よってこの細胞は未成熟期から精子形成を開始するための幹細胞であると推察された.<BR>一方成熟個体の精細管中には,Gonocyteと類似する巨大細胞が観察され, Gonocyte-like cellと名付けられた.この細胞は非繁殖期の精細管中に急激に増加した.このような性質は他種の動物で報告されている未分化型A型精祖細胞の性質と類似した.よってこの細胞は未分化型A型精祖細胞であり,成熟期の非繁殖期から精子形成を再開するための幹細胞であると推察された.
著者
岸本 真弓
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.31-37, 2002-03
被引用文献数
6

生態系を構成する野生動物に対しての畏敬の念を持つことがフィールドでの野生動物捕獲の心構えの基本である。野生動物の捕獲はそれによってもたらされるマイナス影響につりあうだけの結果が得られる場合にのみ認められるものであり,明確な目的のないまま行われてはならない。先人達の経験を生かし,対象動物の生理・生態のみならず地域生態系の特性をも踏まえ,研究計画を立てなくてはならない。方法を選択する場合には,個体の安全,作業員の安全,周辺環境への最低限の影響を念頭におき,目的を達成するために最小の危険性で最大の効果が得られるよう手段と時期と場所を選ぶことが重要である。捕獲作業における責任の所在と役割分担を明確にし,作業工程のシミュレーションをし,最低限必要な道具や薬品,人手の準備だけでなく予測されるトラブルに対応できる準備をして捕獲に臨むべきである。
著者
濱崎 伸一郎 岸本 真弓 坂田 宏志
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.65-71, 2007 (Released:2007-08-21)
参考文献数
11
被引用文献数
10

ニホンジカの管理に必要な密度指標として, 区画法と糞塊密度法, および目撃効率の整合性を調べ, モニタリング指標としての妥当性を検証した. これらの調査は, 福井県, 滋賀県, 京都府, 兵庫県, 徳島県などのニホンジカ特定鳥獣管理計画策定前調査および策定後のモニタリングで採用されている. 区画法による面積あたりのカウント数と糞塊密度, および糞塊密度と目撃効率には有意な正の相関があった. これまでのところ, 十分な調査努力をしている地域では, 両指標の年推移も非常によく一致しており, いずれも密度変化の動向を適切に反映していると考えられた. 目撃効率の活用においては, 狩猟者から寄せられる報告数 (出猟人日数) の確保や, 積雪が目撃数におよぼす影響などを明らかにすることが課題である. また, 糞塊密度調査では, 平均気温の差による糞塊消失率の変化などが結果を左右することが懸念される. 精度の高い確実な調査法がない現状では, 複数の指標から密度変化の動向を評価することが重要である.