著者
村尾 哲 江口 正雄 和田 文夫 島内 卓 井樋 直孝 中島 勝也 柴田 堅一郎 杉岡 洋一 塩田 悦仁
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.316-320, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

We have been reported the effects of some drugs (ex. calcitonine, vitamin D etc.) on epiphyseal growth plate of HEBP (EHDP) induced rachitic rats, but those effects may be characteristic for HEBP induced richets. So we started the study about strontium induced rachitic rats. In this paper, effects of calcium and strontium content in a diet on epiphyseal growth plates of rats were reported.Our results were as follows: 1) With the diet containing 2 weight % of strontium and 0.1 weight % of calcium for 3 weeks, remarkable rachitic changes of epiphyseal growth plate of the rat were evoked; 2) In this exprimental model, serum Pi and Ca decresed, and serum Alp incresed significantly compared with control.
著者
髙橋 祐介 島内 卓 真島 久 酒井 隆士郎 瓜生 佳代 野口 康男 江口 正雄
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.369-370, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

輸血拒否を特徴とするエホバの証人に対する手術治療成績を報告する.対象は2004年から2018年の115症例,手術時間,出血量,術前後のHb値,術中回収式自己血輸血使用の有無,手術の際に生じる問題点について検討した.男性17例,女性98例,人工股関節置換術25例,寛骨臼移動術3例,人工膝関節置換術12例,脊椎6例,大腿骨頚部,転子部骨折14例,四肢骨接合術12例,抜釘その他43例であった.手術時間は平均121分,出血量は平均218 ml,術中回収式自己血輸血は5例に行った.[考察]エホバの証人は2014年から免責証書を持参せず,当院では新たに免責証書を作成した.使用できる血液製剤,自己輸血療法の内容を明記し,新たに親族のサイン欄も設けた.回収式自己血輸血は600 ml以上出血がないと診療報酬点数が取れず,エリスロポエチン製剤は術後貧血に対して適応がなく,治療費が病院負担となり大きな問題である.
著者
田鹿 慎二 島内 卓
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100201, 2013 (Released:2013-06-20)

【目的】体幹の動的安定性を保つ為には、運動の方向や外的な荷重に対処する表層筋と、個々の脊椎間の安定性に関与する深層筋が、適切なタイミングおよび適切な活動量で機能しなければならない。Kaderらは腰痛患者の80%に多裂筋の萎縮があることをMRIにて報告し、多裂筋の機能不全と腰痛には有意な相関があることを報告している。そこで今回、慢性腰痛症患者が外的な荷重に対処した際の多裂筋及び脊柱起立筋の筋活動量と反応開始時間を表面筋電図を用いて検証した。【方法】現在著名な神経症状を有さず、3ヶ月以上腰痛が継続している慢性腰痛症患者10名(男性10名、平均年齢36.8±9.2歳)と腰痛を有さない健常群12名(男性11名女性1名、平均年齢26.7±2.2歳)を対象とした。尚、事前に研究の目的と方法を説明し同意を得た上で測定を実施した。測定肢位は被験者を安楽な立位姿勢に保たせ、次に肩関節屈曲30°、外転0°、肘関節屈曲70°位にて前腕を90°回外させた状態と定めた。被験筋は多裂筋(L5/S1棘突起外側)および脊柱起立筋(L1棘突起外側)とした。また、荷重負荷の瞬間がデータ上に記録されるように圧力センサー(FRS402)を被験者の両手掌面の第2中手骨頭部に固定した。その後重さ3Kgのメディシンボールを被験者の手掌より45cm高位より落下させ、両手にて捕球した際の多裂筋、脊柱起立筋の活動量と反応開始時間を計測した。尚圧力センサーからのアナログ信号をサンプリング周波数1KHzにてパーソナルコンピューターに取り込み解析を行った。計測は5回行い、その平均値を代表値として算出し測定には表面筋電図(Megawin バイオモニターME6000)を用いて動作により得られたデータを全波整流した後、正規化(100%MVC)し各筋のピークトルク値を求めた。また反応開始時間については、圧力センサーが反応した時点を基準の0秒とし、安静立位時における基線の最大振幅±2SDを超えた時点を反応開始時間として算出し比較検討を行った。統計処理には対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。【結果】メディシンボールを捕球した直後の脊柱起立筋の筋活動は腰痛群85.6%に対し健常群68.1%と腰痛群が有意に高い値を示し(p<0.05)多裂筋の筋活動は腰痛群49.4%に対し健常群50.3%と有意差は認められなかった。外的荷重に対する多裂筋の反応開始時間に関しては、腰痛群がボールを捕球し圧力センサーが反応する0.19秒前に先行して活動するのに対し、健常群は0.14秒前に先行して活動する結果となり、2群間に有意差は認められなかった。【考察】慢性腰痛症患者に外乱負荷や外的荷重が生じた際の多裂筋及び脊柱起立筋の筋活動量と反応開始時間を表面筋電図を用い客観的に評価し、機能不全の原因を明確にする目的で今回の研究を行った。しかし多裂筋において、負荷発生時の反応開始時間の差は両群間で認められず、Newmanらの慢性腰痛症患者は多裂筋の萎縮により、活動開始時間が遅延し機能不全が生じるとする報告とは異なる結果となった。一方で慢性腰痛症患者の脊柱起立筋の活動量が健常群よりも高いことが確認された。この結果について、両群間において多裂筋のピークトルク値に有意差は認められないものの、慢性腰痛症患者の多裂筋にはMRIにて筋萎縮が認められるとした報告から、外的荷重が発生した際に生じる体幹の前方モーメントに抗する多裂筋の収縮力では腰部の安定化が不十分となり、代償として脊柱起立筋の筋活動が過剰になったと推測した。今回の結果から腰痛が慢性化する背景には、筋バランスの不均整による脊柱起立筋の慢性的な疲労の蓄積が強く関与していることが考えられる。
著者
田鹿 慎二 島内 卓
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100201-48100201, 2013

【目的】体幹の動的安定性を保つ為には、運動の方向や外的な荷重に対処する表層筋と、個々の脊椎間の安定性に関与する深層筋が、適切なタイミングおよび適切な活動量で機能しなければならない。Kaderらは腰痛患者の80%に多裂筋の萎縮があることをMRIにて報告し、多裂筋の機能不全と腰痛には有意な相関があることを報告している。そこで今回、慢性腰痛症患者が外的な荷重に対処した際の多裂筋及び脊柱起立筋の筋活動量と反応開始時間を表面筋電図を用いて検証した。【方法】現在著名な神経症状を有さず、3ヶ月以上腰痛が継続している慢性腰痛症患者10名(男性10名、平均年齢36.8±9.2歳)と腰痛を有さない健常群12名(男性11名女性1名、平均年齢26.7±2.2歳)を対象とした。尚、事前に研究の目的と方法を説明し同意を得た上で測定を実施した。測定肢位は被験者を安楽な立位姿勢に保たせ、次に肩関節屈曲30°、外転0°、肘関節屈曲70°位にて前腕を90°回外させた状態と定めた。被験筋は多裂筋(L5/S1棘突起外側)および脊柱起立筋(L1棘突起外側)とした。また、荷重負荷の瞬間がデータ上に記録されるように圧力センサー(FRS402)を被験者の両手掌面の第2中手骨頭部に固定した。その後重さ3Kgのメディシンボールを被験者の手掌より45cm高位より落下させ、両手にて捕球した際の多裂筋、脊柱起立筋の活動量と反応開始時間を計測した。尚圧力センサーからのアナログ信号をサンプリング周波数1KHzにてパーソナルコンピューターに取り込み解析を行った。計測は5回行い、その平均値を代表値として算出し測定には表面筋電図(Megawin バイオモニターME6000)を用いて動作により得られたデータを全波整流した後、正規化(100%MVC)し各筋のピークトルク値を求めた。また反応開始時間については、圧力センサーが反応した時点を基準の0秒とし、安静立位時における基線の最大振幅±2SDを超えた時点を反応開始時間として算出し比較検討を行った。統計処理には対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。【結果】メディシンボールを捕球した直後の脊柱起立筋の筋活動は腰痛群85.6%に対し健常群68.1%と腰痛群が有意に高い値を示し(p<0.05)多裂筋の筋活動は腰痛群49.4%に対し健常群50.3%と有意差は認められなかった。外的荷重に対する多裂筋の反応開始時間に関しては、腰痛群がボールを捕球し圧力センサーが反応する0.19秒前に先行して活動するのに対し、健常群は0.14秒前に先行して活動する結果となり、2群間に有意差は認められなかった。【考察】慢性腰痛症患者に外乱負荷や外的荷重が生じた際の多裂筋及び脊柱起立筋の筋活動量と反応開始時間を表面筋電図を用い客観的に評価し、機能不全の原因を明確にする目的で今回の研究を行った。しかし多裂筋において、負荷発生時の反応開始時間の差は両群間で認められず、Newmanらの慢性腰痛症患者は多裂筋の萎縮により、活動開始時間が遅延し機能不全が生じるとする報告とは異なる結果となった。一方で慢性腰痛症患者の脊柱起立筋の活動量が健常群よりも高いことが確認された。この結果について、両群間において多裂筋のピークトルク値に有意差は認められないものの、慢性腰痛症患者の多裂筋にはMRIにて筋萎縮が認められるとした報告から、外的荷重が発生した際に生じる体幹の前方モーメントに抗する多裂筋の収縮力では腰部の安定化が不十分となり、代償として脊柱起立筋の筋活動が過剰になったと推測した。今回の結果から腰痛が慢性化する背景には、筋バランスの不均整による脊柱起立筋の慢性的な疲労の蓄積が強く関与していることが考えられる。