著者
大澤 啓志 横堀 耕季 島村 雅英
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.453-456, 2020-05-31 (Released:2020-07-28)
参考文献数
14

トンボ池創出後の園芸スイレンの繁茂に対し,除去効果を検討した。スイレンに覆われた水域に15m2のスイレンを除去した開放水面区画を設け,トンボ類の飛来回数を非除去区画と比較した。初夏から秋季にかけての計10回の調査により,3科9種の計127回の飛来を確認した。それぞれ飛来数の多くなる繁殖期間で比較すると,シオカラトンボ(開放水面区:平均1.5~4回,繁茂水面区:平均0.3~0.7回)とギンヤンマ(同:平均2~3.3回,同:平均0.7~1回)が開放水面区に有意に多く飛来していた。確認数は多くはなかったが,クロスジギンヤンマは非確認であった繁茂水面区に対し,開放水面区に飛来する傾向が認められた。一方,必ずしも繁殖に広い開放水面を必要としないアオモンイトトンボでは,条件間で飛来回数に有意差は認められなかった。繁茂スイレンの除去はトンボ相修復に対して一定の効果が期待されるものの,飛来が期待されたかつての生息記録種の飛来は多くはなく,対象水域周辺地域のトンボ類の生息状況も影響していると考えられた。
著者
森 清和 島村 雅英
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.575-578, 2002-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9

横浜市域のエコロジカル・ネットワーク計画の基礎研究として, 水田及び池の特質と推移について検討した。約100年前, 水田は谷戸田と河川沿い水田がほぼ同面積で約7400haあり, 池は谷戸奥の農業用の溜池を中心に約140ヶ所あった。現在では, 水田は約600haに減少するとともに, 池は溜池がほとんどなくなり, 53ヶ所が公園化等により残されているに過ぎない。その保全再生が今後の大きな課題である。
著者
大澤 啓志 横堀 耕季 島村 雅英
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.453-456, 2020

<p>トンボ池創出後の園芸スイレンの繁茂に対し,除去効果を検討した。スイレンに覆われた水域に15m<sup>2</sup>のスイレンを除去した開放水面区画を設け,トンボ類の飛来回数を非除去区画と比較した。初夏から秋季にかけての計10回の調査により,3科9種の計127回の飛来を確認した。それぞれ飛来数の多くなる繁殖期間で比較すると,シオカラトンボ(開放水面区:平均1.5~4回,繁茂水面区:平均0.3~0.7回)とギンヤンマ(同:平均2~3.3回,同:平均0.7~1回)が開放水面区に有意に多く飛来していた。確認数は多くはなかったが,クロスジギンヤンマは非確認であった繁茂水面区に対し,開放水面区に飛来する傾向が認められた。一方,必ずしも繁殖に広い開放水面を必要としないアオモンイトトンボでは,条件間で飛来回数に有意差は認められなかった。繁茂スイレンの除去はトンボ相修復に対して一定の効果が期待されるものの,飛来が期待されたかつての生息記録種の飛来は多くはなく,対象水域周辺地域のトンボ類の生息状況も影響していると考えられた。</p>
著者
森 清和 島村 雅英
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.631-634, 2000-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
24
被引用文献数
2 6

自然共生都市の重要な生態的拠点となる谷戸に関する基礎研究として, 横浜市域における谷戸生態系の成立過程, 谷戸地形の分布と特徴及びその現況について検討した。横浜市域の谷戸地形は, 縄文海進期に概成される。谷戸の農業開発による二次自然としての谷戸生態系の成立は中世以降である。○○谷戸と呼ばれる小字地名も数多く残されている。1次谷戸数は3751か所で全市に分布する。横浜は「谷戸の発達した都市」といってもよい。近年住宅開発等によって谷戸地形そのものや土地利用に大きな変化が見られる。現在の1次谷戸は, 2467ケ所である。そのうち, 自然的土地利用の多い谷戸は944ケ所となっている。