著者
岡田 昭宏 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.17-20, 2003-04-10
被引用文献数
11

インターネットにおけるトラヒック特性は,インターネットの利用形態などの影響を強くうける.従来,インターネットにおけるトラヒックはwebベースのHTTPによるトラヒックが主流と考えられていた.そして,その前提のもとでネットワークの設計,運用がおこなわれてきた.本稿では,先ず,インターネットのトラヒック測定から,ファイル共有ソフト間のトラヒックが主流を占めていることを示し,HTTPとの比較においてトラヒック特性を分析した.次に,ネットワークの運用・設計に関わるいくつかのトラヒック特性を分析した.ここでは,統計多重化の効果が期待できること,自己相似性の度合いは高くないことを示した.最後に,トラヒックの1日周期の変化について分析し考察した.
著者
森 達哉 木村 達明 池田 泰弘 上山 憲昭 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.287, pp.5-10, 2010-11-11

本研究は分散コンピューティングシステムにおいてMapReduceによる大規模データ処理を実行した際にシステム全体に生じるワークロードをネットワークの観点から分析した結果を報告する.12台の計算機で構成されるHadoopクラスタを利用し,Masterサーバおよび各々のSlaveサーバで取得したMapReduce Jobのログ,およびSlaveサーバ間の通信をキャプチャしたデータを収集した.はじめにMapReduceジョブを構成する各々のタスクとネットワークに生じ得る負荷の関係をケーススタディによって明らかにする.つぎに,MapReduceに与えるパラメタによって,ノード間のデータ転送に用いられるTCPフローのサイズ,持続時間,レートの分布が変わることを示す.最後にMapReduceジョブによるネットワーク負荷を計測する際に注意すべき点について論じる.
著者
上山 憲昭 森 達哉 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.165-170, 2006-02-23
参考文献数
17
被引用文献数
3

近年,ワーム,ウィルス,DDoS等が引き起こす異常トラヒックが,ネットワークに深刻な被害をもたらすことが問題となっている.DDoSの踏み台にされたホストや,ワームやウィルスに感染したホストは,個々のフローサイズは小さいものの短時間に大量のフローを生成するという特徴がある.そのため,短時間に大量のフローを生成するホスト(フローHog)を早急に特定し,ネットワークから切り離すといった対処をとることが重要となる.本稿では,フローサンプリングによって得られた情報からフローHogを高精度に特定する方式を提案する.
著者
森 達哉 川原 亮一 長谷川 治久 下川 信祐
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.273, pp.33-38, 2009-11-05

本研究は,YouTubeやニコニコ動画等に代表される大規模な映像共有サービスのワークロード分析を試みる.はじめに映像共有サービス発のトラヒックフローを検出するためのシンプルで効果的な方法を提案する.鍵となるアイディアは大規模なサーバー・ファームにおける命名則やアドレス割り当てにおける慣習を利用することにある.次に検出したフローを分析し,映像共有サービスのワークロード分析を行う.分析の結果,映像共有サービスにおけるフローサイズ分布に特有な性質を明らかにする.また,この性質は映像共有サービスにおける有料会員に対する差別化サービスの存在に起因することを示す.さらに,この性質が持たらす意味について考察を行う.