- 著者
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下川信祐
新上 和正
大田原一成
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
- 巻号頁・発行日
- vol.2003, no.116(2003-IS-086), pp.31-38, 2003-11-19
人はどのようにしてシステムと深い関係を形成して行くのでしょうか?これを解き明かすには,従来のタスクレベルを越え,人レベルで利用行動を考察することが必要です.私たちは情報通信と人の幅広く深い関わりに注目します.マクロに眺めると現代の情報通信には,計算機と電話に由来する2元性(双対性)が現れています.これは,アンケート調査の分析で得られたミクロレベル(利用行為)での2種類の複雑さ(多様性と高次元性)に応じています.ミクロからマクロに一貫して2元性に応じている性差に注目し,その行動的起源を辿り,2つのモードをもつ行動モデルを抽出します.これは双対的なマクロ構造や性差研究報告を説明します.ユーザー経験を予想するための参照モデルとしてデザインに利用できます.また,人と深い関係を形成するためのシステム概念,技術と人間社会の発展に対する鳥瞰図,ライフスタイルの長期的シフト(日常化)が導けます.