著者
川崎 武 浅野 武彦 牧田 茂雄 吉田 忠正 柿沼 光明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.246-252, 1962-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
12

56才の男.食餌性蕁麻疹を二,三度経験した以外にアレルギー疾患の既往なく,家族にもアレルギー疾患はない.ビタミンB110mgの静注後1分以内に急激な血圧降下,冠不全,全身の発赤,顔面蕁麻疹様膨疹をきたし失神した.ノルアドレナリン,プレドニソロンの静注および酸素吸入が奏効し,ショック状態より回復した.ビタミンB1に対する皮内反応強陽性, Prausnitz-Küstner試験陰性,白血球融解現象陽性, ACTHテスト正常であつた,ビタミンB1を用いて減感作に成功にした.減感作後に皮内反応は陰性化した.更にビタミンB1,アリナミン,コカルボキシラーゼ,ピリミジン誘導体4種,サルゾールSおよびチアゾールイエローに対する皮内反応を試み,ビリミジン核を有する薬剤に共通して皮内反応が陽性となることから,本症例においてビタミンB1の抗原としての決定群はピリミジン核残基であろうと推論した.
著者
川崎 武志 滝沢 直樹
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.159-162, 2002-03-20
参考文献数
12

セキセイインコの前胸部皮下に径約2cmの限界明瞭な腫瘤が認められた. 腫瘤は表皮ごと摘出され, 病理組織学的に検査された. 肉眼的には, 腫瘤の中心部は黄白色チーズ様で, それを薄い被膜組織が取り巻いていた. 組織学的に, 被膜組織の真皮層には多中心性の組織球性微小肉芽腫を認め, 皮下組織層には泡沫状の組織球, 類上皮細胞, 変性した結合組織が混在し, 脂肪様組織を形成していた. 脂肪様組織は, 中心に向かうに従って変性の程度を増し, 中心部は壊死に陥っていた. 真皮の微小肉芽腫と脂肪様組織に, チール・ネールゼン染色と免疫染色により, 抗酸菌が見いだされた.
著者
長坂 和彦 引網 宏彰 名取 通夫 川崎 武志 寺澤 捷年
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.9-15, 2001-07-20
被引用文献数
1

今回,当帰四逆加呉茱萸生姜場加附子を酒煎することを指示し,良好な結果を得た症例と中毒症状を来した各一症例を経験したので報告する。症例1は46歳,女性。夜間寒さで目覚め,一度目が覚めるとストーブにあたりながらドライヤーで肩から腕を温めないと眠れなかった。そこで,酒煎(水:酒=1:1で煎じる)を指示したところ,冷え症が改善して夜間の覚醒がなくなった。症例2は65歳,男性。2年前より多関節痛,腰痛があり,冷え症も強くなってきたため受診した。当帰四逆加呉茱萸生姜場加烏頭で足が温まるようになった。さらなる効果を期待して,酒煎を指示したところ,内服25分後に舌のしびれを自覚した。附子中毒と考え服用を中止した。清酒は性大熱にして,陽気を助ける作用がある。これは附子の作用と同じである。当初は,附子と清酒中のアルコールの相乗効果で作用が高まると予想した。しかし,清酒と同じアルコール濃度のエタノール液で煎じた場合は効果は高まらず,清酒による煎液のpHの低下が主因であった。