著者
吉門 洋 中島 虹 川本 陽一 大岡 龍三
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.541-548, 2014-07-31

都市化の進んだ東京の夏季日中の大気構造把握を目的として,都心部で東京湾岸から9.5kmの東京大学と,その北西12.3kmの郊外域との境界部において低層用ラジオゾンデによる境界層観測を行った.その他2地点でも補助的な観測を行った.得られたデータから,連続する3日間の海風の発達経過を調べ,海風気塊の熱構造の変動を追った.熱構造がほぼ定常的な午後の時間帯に,対流混合層が成長する形で前記2地点間を進む海風の加熱率は600Wm^<-2>前後と算定された.この加熱の主要構成要素は地表からの顕熱フラックスと都市人工排熱と考えられ,これらの和が600Wm^<-2>程度となるためには,両者とも従来の観測事例や見積り量に比べ,かなり大きな値であることがうかがわれた.
著者
川本 陽一 大岡 龍三
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
学術講演会論文集
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.2337-2340, 2007-08-24

Meso-scale climate analysis is very useful to understand the structure of the urban heat island. MM5, provided by National Center for Atmospheric Research, is one of major meso-scale model in the world. However, parameterization of ground surface in MM5 is to rather coarse to analyze urban climate. That is, in MM5, ground surface parameters are determined by most superior land-use in each mesh. However, this method is unable to represent detail urban structure, to say, the effect of Cool Island with green or water body is neglected. In this paper, ground surface parameterization in MM5 is modified to represent land-use fraction. Furthermore, effect of anthropogenic heat release is also incorporated in MM5.
著者
川本 陽一
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究はゲリラ豪雨と通称される都市部での短時間集中豪雨と都 市化の関連について検討を行った。東京首都圏の夏期のゲリラ豪雨については、東京湾・ 相模湾より吹き込む南からの海風と鹿島灘より吹き込む東風の収束域で多く発生する事が 報告されている。東京首都圏の都市化の進展が東京湾からの海風進入性状に与える影響を 検討する為、高層観測による海風の現状の把握と、シミュレーションを用いた海風の性状 に対する都市化の影響の評価を行った。