著者
酒井 寿郎 川村 猛
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

エピゲノム修飾酵素であるJMJD1A、SETDB1、および活性未同定のSET蛋白の抗原となるタンパクを昆虫細胞Sf9および大腸菌から精製し、免疫を開始した。また全長のタンパクを精製し、in vitroにおけるアッセイを開始した。活性未同定のSET蛋白はmesenchymal stem cellで発現させFLAGタグで免疫沈降を行い、これをヒストンメチル化アッセイに供し、活性を新規に同定することができたため、どのヒストンテールにメチル化を入れるか、質量分析器で解析することとした。さらに、このSET蛋白の発現量が骨分化に関与するという知見を得て、トランスクリプトームを細かい時間分解能で解析することとした。本研究は現在、基盤S (課題番号22229009) にて継続進行中である。
著者
酒井 寿郎 川村 猛 油谷 浩幸 眞貝 洋一 桜井 武
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

生活習慣病発症には遺伝的素因とともに、環境因子が大きく関与する。環境からの刺激はDNAメチル化やヒストン修飾などのエピゲノムとして記憶される。我々は、脂肪細胞における研究から、エピゲノム修飾酵素が形成する新規のクロマチン構造を発見し、これが前駆脂肪細胞の未分化性を維持すること、また、寒冷刺激を感知するエピゲノム酵素複合体の発見し、環境変化に対する初期応答にはエピゲノム修飾酵素の翻訳後修飾が鍵となることを明らかにした。
著者
酒井 寿郎 田中 十志也 川村 猛
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

脂肪細胞分化において、分化誘導のマスターレギュレータPPARγが分化を完成させるメカニズムの一端として、ヒストン修飾酵素の発現を制御し、エピジェネティックな制御機構を担うことを解明した。また、Wntが脂肪細胞分化を抑制する機構として、核内受容体COUP-TFIIの転写を促進し、これがPPARγの転写調節領域に結合し、ヒストン脱アセチル化複合体を介してPPARγ発現を抑制するメカニズムを解明した。