著者
川村 理 山本 純子 首藤 明日香
出版者
香川大学農学部
雑誌
香川大学農学部学術報告 (ISSN:03685128)
巻号頁・発行日
vol.60, no.113, pp.83-86, 2008-02

改良ジエチルアミノプロピルシリル化シリカゲル固相抽出法によるオクラトキシンA(OTA)の分析法は、簡便かつ低コストで毒性の強い有機溶媒を使わない優れた方法である。しかし、この方法をそのまま節製品に適用させた場合、回収率が約65%と低かった。そこで、固相抽出での洗浄を80%メタノール:酢酸(99+1)から(99.5+0.5)に変更したところ、85%以上の高回収率であった。本法で、2003-05年の市販節製品114検体を分析した結果、粉末削り節49検体中7検体(17%)平均4.1ng/gとだしパック12検体中3検体(25%)平均8.7ng/gのOTAを検出した。しかし、削り節53検体からはOTAは検出されなかつた。以上の結果から、節製品の製造工程からOTA汚染は、カビ付け工程以前で起こっている可能性が示唆された。
著者
八木 昌人 川端 五十鈴 近藤 玲子 川村 理恵
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.234-239, 1992-05-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Forty patients of an acute low-tone sensorineural hearing loss (ALHL) were studied based on their clinical diary in which the patients described six subjective symptoms such as tinnitus, ear fullness, autophonia, headache and dizziness.Twenty-one patients complained of fluctuation of subjective symptoms in during a day. In seven cases, decrease of the fluctuation of subjective symptoms were observed as ALHL has been improved.The fluctuation of hearing or the relapse of hearing loss was indicated by audiograms in twenty-two patients. Audiograms in some cases did not correlate to their subjective symptoms.As it is difficult to perform frequent audiograms in the patients of ALHL, the clinical diary as well as the audiogram are very useful to study the clinical course of ALHL.
著者
川村 理
出版者
香川大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

マイコトキシンは、カビが産生する有毒2次代謝産物で、様々な農作物や食晶を微量汚染しており、耐熱性で調理程度の加熱ではほとんど分解しない。よって、マイコトキシンを迅速かつ高感度に測定し、汚染食品を排除することが食の安全において重要である。そこで、水晶発振子バイオセンサーを用い、抗原抗体反応を利用したデオキシニバレノール(DON)とアフラトキシンB_1(AFB_1)の迅速検査法の開発することを本研究の目的とした。1.抗体の作製抗DONと抗AFB_1モノクローナル抗体産生細胞を無血清培地で大量培養し、培養上清を回収後、硫安分画法で精製抗体を調製した。2.測定系の検討生体分子間相互作用定量QCM装置AFFINIX Qを用いて、特に迅速測定法の必要性が高いDONとAFB_1の測定のための測定系を検討した。(1)直接法抗体を振動子に固定化し、規制値に相当するDON又はAFB_1標準品を加え測定を行ったが、いずれの場合も反応が微弱で測定できなかった。(2)競合法振動子に結合する質量を増幅させれば、測定が可能となる。そこで、次に規制値に相当するDONとDON-OVA結合体又はAFB_1とAFB_1-BSA結合体とを同時に加え競合法について検討した。その結果、DONでは、規制値の約1/5程度相当までの測定が可能であったが、AFB_1の揚合は、規制直相当の濃度では、反応が微弱で測定できなかった。以下の実験は、DONのみで行った。(3)DON汚染穀物への適用性の検討競合法で、DONを各濃度添加した小麦を調製し、アセトニトリルー水で抽出し、祖抽出液中のDONを測定し、本法の穀物検体への適用性を検討した。その結果、小麦からの抽出マトリックス存在下では、抽出マトリックスが振動子や抗体およびDON-OVAに付着し、規制値相当量のDONの検出も不可能であった。抽出マトリックスの付着防止のために界面活性剤の添加も試みたが、現時点では解決していない。