著者
案浦 知仁 青柳 領 田方 慎哉 小牟礼 育夫 川面 剛 大山 泰史
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.267_1, 2019

<p> 2点シュートはボール落下までの時間が短く、ゴール下付近にボールが落下する傾向がある。反面、3点シュートは時間的に長く、大きく跳ね返る傾向がある。そのため、ディフェンスリバウンドを獲得するためには均等に選手が配置されることが望ましいが、両者にはそのコート占有には違いが見られると考えられる。そこで本研究は2点シュートと3点シュートのディフェンスリバウンド獲得に対する自チームと相手チームのコート占有の影響について検討する。対象となったのはK地区大学バスケットボール選手権大会で行われた30試合で見られた1677ディフェンスリバウンドである。その際、ゴールからの距離と方向によりコートを6分割し、区画ごとに「自チームのみ」「相手チームのみ」「両者が存在」「両者ともに存在しない」区画数を獲得の成功・失敗とともに記録し、全ての組み合わせについて獲得と非獲得間の区画数についてt検定を行った。結果、2点シュートでは10個の有意差がみられ、「自チームのみ」で獲得し、「両者が存在」で非獲得の傾向がみられた。しかし、3点シュートでは2個しか有意差がなく、3点シュートのコート占有の影響は2点シュートより少ないと考えられた。</p>
著者
大山 泰史 青柳 領 八板 昭仁 田方 慎哉 川面 剛
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.271_1, 2018

<p> 教員が想定していない観点からの受講生の授業の評価を知ることは、授業の質の向上改善に繋がると考えられる。そこで、本研究は、バスケットボールの授業に対する感想文にテキストマイニングを用いて受講生が受けた授業に対する潜在化している評価の構造を明らかにする。大学および高等専門学校でバスケットボールの授業を受講した学生218名に対し、授業に対する評価を自由記述形式で回答する感想文の作成を依頼し、その文章中から名詞と動詞と形容詞を抽出した。まず、頻度分析の結果、「ショット」「練習」「試合」「ドリブル」「パス」等の名詞が多く、学生の評価の観点が攻撃の基本技能にあることが考えられた。さらに、コレスポンデンス分析およびクラスター分析を行い、品詞間の関連を分析した結果、「名詞×形容詞」では「楽しい」「上手い」など好意的な評価を示す形容詞に「バスケ部」「生徒」「戦術」などの名詞が、「きつい」「難しい」など否定的な評価を示す形容詞に「指導」「レイアップ」の名詞が近い位置を示し、授業中のバスケ部員への憧れや戦術を学習することが好意的に捉えられ、逆にレイアップシュートの練習につまずきがあったことが示唆された。</p>
著者
八板 昭仁 青柳 領 倉石 平 野寺 和彦 大山 泰史 川面 剛
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.253_2-253_2, 2016

<p> バスケットボールのゲーム中のショットは、様々な要因に影響され同様の種類や位置からの試行であっても状況によって難易度は大きく変わることになる。本研究は、昨年の本大会におけるショット決定に影響する諸要因からショット状況の難易度についての報告の第2報である。第66回全日本大学選手権大会の男子準々決勝以降の試合を対象に、1,010本のショットの成否とそれに影響すると考えられる14項目を調査した。ショットの成否を目的変数として、クロス表によるχ2乗検定とロジスティック回帰分析による解析を行った。クロス表によって各要因の成否への影響を検討したところ11項目で有意であった。ロジスティック回帰分析では、χ 2乗値(df=96)が187.59、p<0.01で、回帰式の当てはまりは良好であり、Wald値はショットエリア7.95(df=2)、ショットポジション24.63(df=13)、防御者との間合い9.18(df=5)、防御者の手の位置8.12(df=4)、被ファウル5.41(df=2)の各項目が大きな値を示した。ショットの成否に影響する複合的な要因として、ショット試行位置と相手防御者の状況や対応が大きいことが示された。</p>
著者
川面 剛 八板 昭仁 大山 泰史 青柳 領 今村 律子
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学研究紀要 (ISSN:21860483)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.31-47, 2014

In basketball, fast-break and early-offense are called "progressive plays" because the ball iscontinuously advanced from the back-court through the front-court to the basket. In a progressive play,the preceding play and situation are related to the subsequent play and situation. The plays are notnecessarily chosen freely due to the former play or situation. The plays and situations that are related to each other and are frequently performed in sequence are referred to as nagare in Japanese. This studyinvestigated the relationship between the preceding and subsequent play and condition in the nagare ofa progressive play in basketball.We observed and evaluated 658 plays considered either fast-break or early-offense plays. Theseplays took place during 12 games between the RF team and 6 other teams in the same bj League (JapaneseProfessional Basketball League) held in 2009 and 2010. A total of 17 items, such as "How the opponent's ball was taken away," "The number of defensive players putting pressure on the ball man whentaking the ball," and "Distance (length) from the end line to the place where the ball was taken away,"were assessed. As categorical and continuous scales were mixed in the data, we used the t-test for acorrelation coefficient for two continuous variables, the chi-test for two discrete variables, and analysisof variance for continuous and discrete variables. Considering significant relationships among variables,we found the following 3 nagare:When we paid attention to the ball-taking-away method, we found a nagare that was started fromthe ball-taking-away by a steal/intercept, through conveying the ball on the center lane by two playersmainly using dribbling and finishing with a lay-up shot under the goal.When we paid attention to the play just after the ball was taken away, we found a nagare in whichunder-goal lay-up shooting was allowed under the conditions that many defensive players put pressureon the ball man, the distance from the end line to the ball-taking-away place was farther, and the ballcould be conveyed through only the middle lane.When we noted the duration time from taking the ball to shooting the ball and the ball-conveyedlane, the following three nagare were detected: In the case of the short ball-conveying time from theball-taking-away to the center line and the ball-conveying lanes through only the middle lane, small outnumberedsituations (e.g., 2 to 1 and 3 to 2) appeared and a short duration from center line to shootingallowed the use of a lay-up shot under the goal; the middle-to-middle ball-conveying allowed for 2-pointshooting by an early offense using the trailers (e.g., 4 to 3 and 5 to 4); and long ball-conveying durationtime from the ball-taking to the center line and ball-conveying middle to middle lines allowed for 3-pointshooting because of loose matching, even though players were not out-numbered (e.g., 4 to 4 or 5 to 5). 本研究では,ファストブレイクやアーリーオフェンスなどのボールを絶えず前へ進める「前進型プレイ」において,時系列にプレイした状況が次の状況を発生させる「プレイの流れ」があることに着目し,各状況間の相関を手がかりにそれらを構成するプレイや状況を明らかにすることであった.そして,2009年および2010年度のbjリーグ所属するRFチームを対象とし,12試合でファストブレイクやアーリーオフェンスを試みたと見なされる658プレイを調査し,得られたデータの尺度水準に応じて積率相関係数,一元配置の分散分析,クロス表の調整残差を検討した結果,以下のような関連や「流れ」が認められた. 1)ボール獲得方法に着目すると,スティールやインターセプトによるボール獲得からは,ドリブルによってミドルレーンでボールを前進させながら,2人のプレイヤーによって攻撃し,ゴール下でシュートするという「流れ」が認められた. 2)ボール獲得後の最初のプレイに着目すると「ボール獲得時のボールDF数が多い」「ボール獲得エリアがエンドラインから遠い」「ミドルレーンを進めることができる」という状況下では,ドリブルを使える状況であればゴール下までボールを進めてショットできるという傾向が認められた. 3)ボールの運び局面における「ボール獲得からショットまでの時間」および「ボールを進めたレーン」に着目すると,ボール獲得からCLまでを短時間にミドルからミドルでボールを進めた場合は,2対1や3対2のような少人数のアウトナンバーになる傾向があり,CLを越えてからシュートまでの時間が短ければゴール下でシュートするという「流れ」が認められた.そして,ミドルからサイドでボールを進めた場合は,4対3や5対4のようなトレーラーを使ったアーリーオフェンスによって2点エリアでシュートするという「流れ」が認められた.また,ボール獲得からCLまでボールを進める時間が他のプレイよりも長く,「サイドからサイド」でボールを進めた場合は,4対4や5対5といったOFとDFの人数が同じであってもしっかりとした対峙の状態ではないことによって3点エリアでシュートするという「流れ」が認められた.