著者
三浦 稜将 八板 昭仁 宮田 睦美
雑誌
九州共立大学研究紀要 = Study journal of Kyushu Kyoritsu University (ISSN:21860483)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.21-29, 2015-03-31

Present study investigated the relationships between rationales for the result of attacks and successof attacks during attacks involve a receive, a toss and a spike. Quarter finals, semi-finals and finalof All Japan Intercollegiate Volleyball Championships tournament were analyzed using mathematicalQuantification Theory Type One. Main factors for the success of attacks were judgment of opponent’s blocks and tosses. For the blocks, large positive influences on success of attack was observed when3 players jumped to block and at least one player performed block 2 or block 3. On the other hand,large negative influences on success of attack was revealed when 3 players jumped to block and atleast 2 players performed block 1. For the judgment of tosses, the largest influence on success of attackwas shown by toss-A followed by toss-B and then toss-C. Moreover, it was found that players can becategorized into “reliable type player”, “constant type player”, “gamble type player” and “clunker typeplayer” when regression coefficient calculated from mathematical Quantification Theory Type One wasemployed for the analysis.
著者
八板 昭仁 七森 浩司
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.1-9, 2005-02

バスケットボールのゲームでは、チームのボール保持によって攻撃と防御が交互にまたは連続的に行われる。このようなゲームにおける攻撃と防御の切り替えは、バスケットボールの特徴的なプレーということができるであろう。その中速攻は、防御から攻撃への早い局面転換や得点地域へ早くボールを進めてショットする特性を持っており、短時間に多くの得点が可能となる第1攻撃法といわれている。本研究は、バスケットボールのゲームにおける攻防の転換局面においてバックコートでボールを獲得したチームのボール獲得方法と攻撃形態の関係および、フロントコートへボールを進める時間と攻撃形態の関係について調査することとした。調査対象は、女子大学生の全国トップレベルのチームであり、全日本学生バスケットボール選手権の決勝リーグの6試合12チームとした。調査の結果、全攻撃数における速攻の割合は18.4%であり、ボール獲得方法別の速攻の割合は、スティール56.0%、リバウンド27.5%でありスティール、リバウンドにおいて速攻の出る割合が高かった。また、ボール獲得からボールがセンターラインを越えるまでの時間は、速攻の約60%が3秒未満であり、3秒未満でボールをフロントコートへ進めた時の速攻になる確率は、ボールをフロントコートへ3秒以上かかって進めたときの約4倍であった。速攻をスタートするチャンスは原則的には、ボールの保持が転換するごとにあり、その転換局面が不意であるほど効果的なチャンスになるが、リバウンドやその他の方法によるボールの獲得から、ファーストパスの距離や速さといった防御から攻撃への素早い局面転換が必要となり、ボール獲得から概ね3秒でボールがセンターラインを越えることがその目安になると考えられる。
著者
宮田 睦美 八板 昭仁 青柳 領 北田 豊治
雑誌
九州共立大学研究紀要 = Study journal of Kyushu Kyoritsu University (ISSN:21860483)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.1-9, 2016-03-25

The purpose of this present study was to investigate the relationships between rationales for theresult of attacks and success of attacks during attacks involve a receive, a toss and a attacks.We covered six games of top four teams in Division I of The Kyushu Intercollegiate Women’sVolleyball League Matches. As an analysis method, this study used the results of attacks as objectivevariables and ten items, 1) receive position, 2) receive quality, 3) toss position, 4) toss quality,5) toss type, 6) combination, 7) attack position, 8) attack type, 9) judgment of opponent’s block,and 10) attack strength, as explanatory variables to calculate multiple correlation coefficients, partialcorrelation coefficients, and a category weight for each item using Mathematical Quantification TheoryType I.Main factors for the success of attacks were 9) the judgment of opponent’s blocks and 4) tossquality. As for 9) the judgment of opponent’s block, block pattern-6 (one player cannot performblock) and block pattern-4(two players jump for a block an incomplete condition)had large positiveinfluences on success of attacks. The toss quality had a significant impact on success in the order oftoss-A (assisting a strong attack to all courses on the court or possibly assisting for feinting), toss-B(assisting a strong attack to the limited courses on the court or possible assisting for feinting), andtoss-C (an assisted toss that is only able to return the ball to the other court), which showed that the accuracy of the toss had a significant impact on the result of the attack.
著者
八板 昭仁 青柳 領 倉石 平 野寺 和彦
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.189-199, 2022-03-20 (Released:2022-05-09)
参考文献数
43

The purpose of this study was to develop a knowledge test for in-game situational awareness to evaluate the presence or absence of knowledge about fast-break situations in basketball. Because the amount of knowledge, which is the basis for making decisions, reportedly affects the superiority of decision-making ability in ball games, the presence or absence of basic knowledge for athletic performance is thought be related to in-game decision-making ability. First, we developed a 44-scene, 88-question original test that included plays on the backcourt and frontcourt for three typical fast-break offensive situations. Seven coaches who had participated in the all Japan intercollegiate championships and 190 college basketball players classified into national championship and local tournament groups completed the original test. As a result, 33 scenes and 45 questions were selected that satisfied the criteria of reliability, internal consistency, and criterion validity. A cross-validity evaluation of this 33-scene, 45-question test conducted by 60 different college basketball players found a significant difference between the national championship group and the local tournament group, thereby validating the test's applicability. This test, which evaluates the presence or absence of knowledge about decision-making for tactical actions in basketball games, could be used to determine the acquisition of necessary knowledge for appropriate decision-making in fast-break situations in basketball games.
著者
大山 泰史 青柳 領 八板 昭仁 田方 慎哉 川面 剛
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.271_1, 2018

<p> 教員が想定していない観点からの受講生の授業の評価を知ることは、授業の質の向上改善に繋がると考えられる。そこで、本研究は、バスケットボールの授業に対する感想文にテキストマイニングを用いて受講生が受けた授業に対する潜在化している評価の構造を明らかにする。大学および高等専門学校でバスケットボールの授業を受講した学生218名に対し、授業に対する評価を自由記述形式で回答する感想文の作成を依頼し、その文章中から名詞と動詞と形容詞を抽出した。まず、頻度分析の結果、「ショット」「練習」「試合」「ドリブル」「パス」等の名詞が多く、学生の評価の観点が攻撃の基本技能にあることが考えられた。さらに、コレスポンデンス分析およびクラスター分析を行い、品詞間の関連を分析した結果、「名詞×形容詞」では「楽しい」「上手い」など好意的な評価を示す形容詞に「バスケ部」「生徒」「戦術」などの名詞が、「きつい」「難しい」など否定的な評価を示す形容詞に「指導」「レイアップ」の名詞が近い位置を示し、授業中のバスケ部員への憧れや戦術を学習することが好意的に捉えられ、逆にレイアップシュートの練習につまずきがあったことが示唆された。</p>
著者
坂井 充 八板 昭仁 北田 豊治 得居 雅人 船津 京太郎 泉川 貴子 宮田 睦美
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.61-69, 2003

バレーボールにおけるリベロ制度は、国内では1998年度の大会から国際ルールで正式決定される前年から導入されており、試合では各チーム1名のリベロプレイヤーの登録が許されている。箕輪らは、リベロ制の導入によりゲームにおけるレシーブの返球結果が向上しており、リベロは、特にラリー中のレシーブに関してゲームへの貢献度が高いと述べている。そこでリベロ制導入というルール改正の目的が「ラリーの継続によりバレーボールゲームにおける本来の面白さを引き出す」であることに注目し、ラリーの継続とリベロのレシーブの直接的な関わりについて調査することとした。本研究では、ラリー中におけるリベロのレシーブをパターン別に記録し、ラリー継続回数との関連を調査することによって今後のバレーボール指導に関する資料を得ることを目的とする。調査対象は、女子大学生の九州トップレベルのチームであり、それらの中からラリー中におけるリベロのレシーブと1回のサーブにおけるラリー継続回数について記録・集計した。その結果、ラリーの継続回数とリベロのレシーブ率には相関があり、SPRでは正の相関、MRでは負の相関が認められた。相手の攻撃をレシーブするSPRにおいてラリー継続が長くなるとリベロのレシーブする確率が高くなり、相手の攻撃をレシーブミスで終わったMRにおいて、ラリー継続が長くなるとリベロのレシーブミスする確率が低くなることは、リベロのレシーブがラリー継続に大きな影響を与えているということができるであろう。また、リベロが相手チームの1回目の攻撃をレシーブすることによって、2回目以降の攻撃に対するレシーブ率は有意に高くなり、レシーブミスの割合も1回目と比較して2回目以降は有意に低くなることが認められた。したがって、1回目の攻撃をレシーブすることが、そのラリーの継続に大きく関わっているということが認められた。
著者
八板 昭仁 青柳 領 倉石 平 野寺 和彦 大山 泰史 川面 剛
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.253_2-253_2, 2016

<p> バスケットボールのゲーム中のショットは、様々な要因に影響され同様の種類や位置からの試行であっても状況によって難易度は大きく変わることになる。本研究は、昨年の本大会におけるショット決定に影響する諸要因からショット状況の難易度についての報告の第2報である。第66回全日本大学選手権大会の男子準々決勝以降の試合を対象に、1,010本のショットの成否とそれに影響すると考えられる14項目を調査した。ショットの成否を目的変数として、クロス表によるχ2乗検定とロジスティック回帰分析による解析を行った。クロス表によって各要因の成否への影響を検討したところ11項目で有意であった。ロジスティック回帰分析では、χ 2乗値(df=96)が187.59、p<0.01で、回帰式の当てはまりは良好であり、Wald値はショットエリア7.95(df=2)、ショットポジション24.63(df=13)、防御者との間合い9.18(df=5)、防御者の手の位置8.12(df=4)、被ファウル5.41(df=2)の各項目が大きな値を示した。ショットの成否に影響する複合的な要因として、ショット試行位置と相手防御者の状況や対応が大きいことが示された。</p>
著者
八板 昭仁 青柳 領 倉石 平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.237_1, 2017

<p> バスケットボールのゲーム中のショットは、様々な要因が関与しており状況によって難易度は大きく変わると考えられる。これまでショットの成否と影響する諸要因からショット状況の難易度を数量化する方法について報告してきた。本研究は、それらを利用してショット成功率と難易度別のショットの関連、およびゲームの勝敗との関連について検討した。第65回全日本大学選手権大会女子準々決勝以降の12試合を対象に、1,789本のショットの成否に影響する状況9項目を調査した。ロジスティック回帰分析を用いて算出した予測値から難易度を数量化し、難易度の高いショットをTough-Shot、平均的なショットをAverage-Shot、難易度の低いショットをEasy-shotとして、ピリオド別の相手チームとの得点差との関連を検討した。試投数については、Easy-shotと得点差の間に1%水準の有意な関連が認められ、Tough-shot、Average-shotに相関はみられなかった。成功数については、すべての難易度のショットに相関が認められた。また、ゲームの勝者と敗者に分類すると異なる傾向が認められ、ゲームを有利に進めるためには低難易度のショットの試投数や成功率が影響していることが示された。</p>
著者
八板 昭仁 濱 賢次郎
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.33-42, 1999-02

筆者らはこれまで女子大学生及び女子高校生(以下それぞれを大学生、高校生と省略する)を対象にバスケットボールのゲームにおける各局面において、ボール獲得状況が、そのボール保持の攻撃結果に影響を及ぼすことについて調査を重ねて報告してきた。大学生、高校生ともにボールの獲得と攻撃終了形態の間には有意な差が認められた。しかし各ボールの獲得と攻撃終了形態の関連において、局面転換における時間的な経過が攻撃終了形態に与える影響は、とりわけショット成功について異なった傾向がみられた。そこで本研究は、これまでの報告の結果から攻撃開始エリアと攻撃終了形態の関連について、高校生における攻撃開始エリアが攻撃結果に及ぼす影響は、大学生と異なった傾向がみられるという仮説を立てその検証を行った。データは攻撃開始エリアと攻撃終了形態をクロス集計し、全体的な頻度によって独立性の検定を行い、各チームのデータは攻撃終了の3形態のそれぞれについて重回帰分析法による統計処理を行った。各攻撃終了形態についての重相関係数はF値を算出し、各変数間の偏相関係数についてはt値を算出し有意性の検定を行った。また、各攻撃終了形態におけるボール獲得状況の度数分布については、x^2値を算出し独立性の検定を行った。高校生における全体的な度数分布の分散傾向から攻撃開始エリアと攻撃終了形態の関連は低く、大学生とは異なった傾向が認められた。攻撃開始エリアがバックコートエリアの場合において攻撃終了形態(特にターンオーバー)に影響がみられ、ショット成功とショット失敗の割合にも差が認められた。高校生においては攻撃開始エリアが攻撃するゴールに近くなればショット成功率が高くなり、遠くなれば防御側が隊形を整えるための時間的余裕ができ防御することが可能になるため、ショット失敗の割合が高くなり、ターンオーバーにも影響を及ぼす傾向がみられた。
著者
川面 剛 八板 昭仁 大山 泰史 青柳 領 今村 律子
出版者
九州共立大学
雑誌
九州共立大学研究紀要 (ISSN:21860483)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.31-47, 2014

In basketball, fast-break and early-offense are called "progressive plays" because the ball iscontinuously advanced from the back-court through the front-court to the basket. In a progressive play,the preceding play and situation are related to the subsequent play and situation. The plays are notnecessarily chosen freely due to the former play or situation. The plays and situations that are related to each other and are frequently performed in sequence are referred to as nagare in Japanese. This studyinvestigated the relationship between the preceding and subsequent play and condition in the nagare ofa progressive play in basketball.We observed and evaluated 658 plays considered either fast-break or early-offense plays. Theseplays took place during 12 games between the RF team and 6 other teams in the same bj League (JapaneseProfessional Basketball League) held in 2009 and 2010. A total of 17 items, such as "How the opponent's ball was taken away," "The number of defensive players putting pressure on the ball man whentaking the ball," and "Distance (length) from the end line to the place where the ball was taken away,"were assessed. As categorical and continuous scales were mixed in the data, we used the t-test for acorrelation coefficient for two continuous variables, the chi-test for two discrete variables, and analysisof variance for continuous and discrete variables. Considering significant relationships among variables,we found the following 3 nagare:When we paid attention to the ball-taking-away method, we found a nagare that was started fromthe ball-taking-away by a steal/intercept, through conveying the ball on the center lane by two playersmainly using dribbling and finishing with a lay-up shot under the goal.When we paid attention to the play just after the ball was taken away, we found a nagare in whichunder-goal lay-up shooting was allowed under the conditions that many defensive players put pressureon the ball man, the distance from the end line to the ball-taking-away place was farther, and the ballcould be conveyed through only the middle lane.When we noted the duration time from taking the ball to shooting the ball and the ball-conveyedlane, the following three nagare were detected: In the case of the short ball-conveying time from theball-taking-away to the center line and the ball-conveying lanes through only the middle lane, small outnumberedsituations (e.g., 2 to 1 and 3 to 2) appeared and a short duration from center line to shootingallowed the use of a lay-up shot under the goal; the middle-to-middle ball-conveying allowed for 2-pointshooting by an early offense using the trailers (e.g., 4 to 3 and 5 to 4); and long ball-conveying durationtime from the ball-taking to the center line and ball-conveying middle to middle lines allowed for 3-pointshooting because of loose matching, even though players were not out-numbered (e.g., 4 to 4 or 5 to 5). 本研究では,ファストブレイクやアーリーオフェンスなどのボールを絶えず前へ進める「前進型プレイ」において,時系列にプレイした状況が次の状況を発生させる「プレイの流れ」があることに着目し,各状況間の相関を手がかりにそれらを構成するプレイや状況を明らかにすることであった.そして,2009年および2010年度のbjリーグ所属するRFチームを対象とし,12試合でファストブレイクやアーリーオフェンスを試みたと見なされる658プレイを調査し,得られたデータの尺度水準に応じて積率相関係数,一元配置の分散分析,クロス表の調整残差を検討した結果,以下のような関連や「流れ」が認められた. 1)ボール獲得方法に着目すると,スティールやインターセプトによるボール獲得からは,ドリブルによってミドルレーンでボールを前進させながら,2人のプレイヤーによって攻撃し,ゴール下でシュートするという「流れ」が認められた. 2)ボール獲得後の最初のプレイに着目すると「ボール獲得時のボールDF数が多い」「ボール獲得エリアがエンドラインから遠い」「ミドルレーンを進めることができる」という状況下では,ドリブルを使える状況であればゴール下までボールを進めてショットできるという傾向が認められた. 3)ボールの運び局面における「ボール獲得からショットまでの時間」および「ボールを進めたレーン」に着目すると,ボール獲得からCLまでを短時間にミドルからミドルでボールを進めた場合は,2対1や3対2のような少人数のアウトナンバーになる傾向があり,CLを越えてからシュートまでの時間が短ければゴール下でシュートするという「流れ」が認められた.そして,ミドルからサイドでボールを進めた場合は,4対3や5対4のようなトレーラーを使ったアーリーオフェンスによって2点エリアでシュートするという「流れ」が認められた.また,ボール獲得からCLまでボールを進める時間が他のプレイよりも長く,「サイドからサイド」でボールを進めた場合は,4対4や5対5といったOFとDFの人数が同じであってもしっかりとした対峙の状態ではないことによって3点エリアでシュートするという「流れ」が認められた.