著者
工藤 保則
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.163-177, 2006-12-30

本稿は「女性の20代研究」の一環として,工藤(2005,2006)に続き,「地方出身で都市の大学に進学した女子大学生」だった3人へのインタビューをまとめたものである.インタビューでは,主に,仕事(勉強)のこと,家族・恋人のこと,将来のことについて語ってもらったが,それらは結果的に「自己実現」に関することが中心となった.
著者
工藤 保則
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-68, 2005-03-31

本稿は,都市と地方の中学生の姿を,ネットワーク論を手がかりとして,とらえようとしたものである.論文では,まず,ネットワークの構造の地域別の特徴を示した上で,ネットワークの違いによる意識(特に社会化に関係する意識)の違いについて,M・グラノヴェターの「弱い紐帯の強さ」理論を応用しながら計量的に考察している.それらを受けて,最後に,「中学生の社会化」について,それを10代という文脈の中でとらえる試みを行っている.
著者
工藤 保則
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.57-66, 2006-03-31

10代については,これまでそのどこかに焦点をあてた研究はされてきたが,10代という10年間を単位として社会学的に研究されることはほとんどなかった.しかし,10代という時期は,時間的連続性の中でまとまった状態として,社会学的にもあらためて考える価値のある10年間だと考えられる.本稿は,その間題意識のもと,筆者がこれから行おうとしている,「都市と地方」の「10代」を比較しながら,それぞれの「地域性」とかかわる,かれらの「社会化」「ライフコース」についての研究の序説となるものである.
著者
吉田 毅 工藤 保子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.36_1, 2019

<p> 東京2020オリンピック・パラリンピック(オリ・パラ)の開催を契機として、さまざまなレガシーの創造が模索されている。学校教育との関わりから言えば、オリ・パラ教育が多様なアクターによって推し進められている。</p><p> 例えば、東京都教育委員会は、育成すべき人間像、教育のレガシーを定め、基本的枠組みとして4つのテーマと、4つのアクションを組み合わせた多様な取り組みから、重点的に育成すべき5つの資質を掲げ、教育を展開している。</p><p> 一方で、ほぼ全ての幼稚園、学校を網羅することもあり、多様な価値観を含み込むオリ・パラについて、一方的、かつ固定化された価値の押しつけにつながるのではないかという懸念もある。また、そのような教育が行われる社会的意義については十分議論されているとは言いがたい。そこで、本シンポジウムでは、オリ・パラ教育の現状について実践例を検討しながら、その社会的意義や課題、向かうべき方向性について体育社会学の観点から議論したい。</p>
著者
阿保 七三郎 三浦 秀男 工藤 保 当眞 秀夫 池田 利史 中村 正明
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.377-381, 1980-05-01
被引用文献数
40

日本における食道癌と他臓器との重複癌症例に関する集計報告はこれ迄なされていなかったので, 第23回食道疾患研究会 (1977.10) のさい加入全国施設の御協力をえてその実態を調査した. 報告を戴いた63施設の全食道癌患者数は11,732例でこの中食道の同時性重複癌は251例 (2.1%), 異時性重複癌は136例 (1.5%) を占め圧倒的に男性に多かった. 年齢は50&acd;60歳代に多く食道との重複癌臓器としては胃が絶対的に多くこの中早期胃癌が約 20% を占めていた. しかし遠隔成績では食道癌治療の困難性に加え, 他臓器癌が重複する関係上その予後は不良で, 特に同時性食道重複癌では1年以内に 72% が死亡していた. 異時性重複癌では初癌が食道癌であったものが約 25% にすぎず他臓器癌先行例が多かったため, 初癌からの予後は同時性重複癌に比べるとやや良好であったが, 食道癌治療時からの予後はやはり不良であった. なお多重複癌症例についても調査した.