著者
金子 芳樹 浅野 亮 井上 浩子 工藤 年博 稲田 十一 小笠原 高雪 山田 満 平川 幸子 吉野 文雄 福田 保
出版者
獨協大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究のASEANを①拡大と深化の過程、②地域横断的イシューの展開 、③域内各国の政治社会変動分析という観点から「国際・地域・国内」の3次元で捉え直すという目的に沿って、第1年目の平成29年度においては、各担当者が現地調査や文献調査を中心に国別、イシュー別の調査を進めた。また、本研究のもう一つの特徴である「ASEANとEUとの比較」という観点については、その第1歩としてEU研究者を報告者に招聘して研究会を複数回開催し、EUの組織や地域統合のあり方などについて研究分担者・協力者の理解を深める活動を行った。その際、ASEANとEUの両研究分野の相互交流や共同研究を今後進めていくことについても、その体制造りなどを含めて意見交換を行い、具体的な段階へと歩を進める準備を行った。さらに、本研究の研究成果を逐次社会に公表していくという目的と、研究の新たな展開と蓄積のために他国や他分野の研究者との情報・意見交換を進めるという目的に沿って、国内の公開シンポジウムや学会ならびに他国開催の国際研究集会に研究分担者・協力者を派遣もしくは参加支援を行った。また、各研究分担者・協力者は、本研究のテーマもしくは関連テーマに関する論文および書籍の発表・刊行を積極的に行った。これらを通して、研究成果の公表とフィードバック、新たな研究知見の獲得、国内外での研究人脈の形成といった面でそれぞれに成果を得ることができた。上記のような諸活動を通して、1年目の目標であった本研究の基盤作りを着実に進めることができ、2年目以降のステップアップに向けた準備を整えることができた。
著者
黒柳 米司 浅野 亮 稲田 十一 小笠原 高雪 金子 芳樹 菊池 努 佐藤 考一 玉木 一徳 吉野 文雄 山田 満
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

(1)米国の対ASEAN政策の積極化、(2)中国の存在感の顕著な増幅、(3)日本の存在感の長期的凋落、および(4)「地域としての東アジア」の顕在化などという方向で変容する地域国際環境の下でASEANは、(1)「ASEAN憲章」の採択・発効、(2)インドネシア民主主義の確立などの成熟を示したものの、(3)タイの軍事クーデター、(4)タイ=カンボジア武力衝突、(5)ミャンマー軍政の民主化停滞など、後退局面がこれを上回りつつある。