- 著者
-
辻谷 将明
左近 賢人
- 出版者
- Japanese Society of Applied Statistics
- 雑誌
- 応用統計学 (ISSN:02850370)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.1, pp.15-29, 2005-08-30 (Released:2009-06-12)
- 参考文献数
- 34
- 被引用文献数
-
2
従来,生存時間解析ではCox比例ハザードモデルが広範に活用されてきた.特に,共変量の値が時間とともに変動する時間依存型データが含まれる場合,その近似解法としてMayo updatedモデルやヨーロッパnew versionモデルが広範に活用されてきた.しかし,それらのモデルには,べースライン生存関数やベースライン累積ハザード関数の推定などに問題点が残されている.本稿では,部分ロジスティック回帰モデルを援用した部分ロジスティックモデルおよびニューラルネットモデルを提案し,ブートストラップ法による統計的推測を系統的に行う.実際例として,PBC(原発性胆汁性肝硬変)データを取上げる.肝移植を念頭においた,観測期間の任意時点における6ヶ月後の条件付き生存率の予後予測を通じ,提案手法を既存手法と数値的に比較する.