著者
芝 定孝 平田 雄志 八木 俊策
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.245-250, 1999-02-10 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10

Cloud droplet formation is an important process in water cycle between the earth and the atmosphere. In order to investigate the nonsteady growth of cloud droplets due to the condensation of the atmopheric water vapor on (NH4) 2 SO4 particles, a mathematical model has been constructed and the nonsteady growth has been simulated numerically with use of the mathematical model. The mathematical model is constituted by the conservation laws of water mass and heat energy and the state equation of ideal gas. As the speed of time variation of droplet heat QW is very fast compared with that of droplet mass mw, droplet temperature Ta can be treated as in steady state. The equilibrium droplet size ae is dependent on the 3/2 power of the initial radius aso of cloud condensation nucleus (NH4) 2SO4. The larger as0 is, the more the droplet grows in its equilibrium size ae. It takes much time for large condensation nucleus to attain the equilibrium size ae. It also has been cleared that Kelvin's equation is not always applicable to estimate the cloud droplet siz
著者
山崎 浩 篠崎 勝彦 平田 雄志
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.683-688, 1999-09-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1

凍結濃縮のための氷晶製造技術として掻面型製氷機と側面にフィルターを有する縦型円筒フィルターを連結させ, 氷晶含有比率0.50~0.53の柱状氷晶ケークを製造する技術を開発した.フィルター上部から連続的に排出する氷晶ケーク中の氷晶粒子は製氷機から生成したスラリー中のものと比較して平均粒子径が約2~4倍に成長した.この現象は主にフィルター内で氷晶ケークと濃縮液が分離する過程で生じることが確認された.このような氷晶の成長は主に氷晶間の接触・融合によるものであると考えられる.さらに柱状氷晶ケークをガラス製カラムフィルターに充填し, 冷水で氷晶ケーク内の濃縮液を押し出し置換することにより, 氷晶ケーク内の残留溶質分濃度はmg/lオーダーとなり, 濃縮液をほぼ完全に回収することができた。この方法は遠心分離法と比較して優れた回収性を示し, しかも, 濃縮液の希釈がほとんどないことが明らかになった.
著者
山崎 浩 篠崎 勝彦 平田 雄志
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.704-707, 1998-07-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
9
被引用文献数
1

10kg/m3CCNa溶液を用いてアイスライニングによる凍結濃縮における氷晶層中への溶質の取り込みについて撹拌回転数Nとブライン温度と溶液の氷点との温度差ΔTをもとに検討した.溶質のみかけの分配係数Kへの影響はΔTよりNの方が大きい.ΔT=2.8~7.9℃, 撹拌回転数N=20~400min-1の条件下における氷晶層の成長速度は10-7~10-6m/sである.氷晶層への溶質の分配係数Kは氷晶層の成長速度より, むしろ, その氷晶層の表面状態の影響を受ける.氷晶層の表面状態は凍結界面の溶液側の撹拌によって影響を受け, 弱い撹拌条件下では複雑な形状の氷晶層が生成し, その比表面積は大きくなる.そのため氷晶表面に付着する溶質量が多く, 結果的に氷晶層に取り込まれる溶質量も多くなるものと考えられる.
著者
山崎 浩 矢沢 久豊 平田 雄志
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.30-36, 1998-01-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
9
被引用文献数
6 8

ジャケット付き撹拌晶析槽の内壁面に予め形成した氷層から氷晶を成長させることによってのみ溶液が濃縮される新しい凍結濃縮法 (アイスライニング法) を開発した.セファロスポリンCNa溶液の凍結過程について濃縮液の濃度と液量を測定することにより, 本法はアイスライニングを使用しない単純凍結と比較して高濃縮液の回収に極めて優れていることが明らかになった.溶質の見かけの分配係数は, 濃縮液の溶質濃度に対する氷の溶質濃度の比として定義した.実験の結果, 分配係数は, 供給液濃度が低い場合, ブライン温度と供給液の氷点が小さい場合, また, 撹拌速度が大きい場合に減少した。さらに, 本法は, 蒸発濃縮法と比較して濃縮液中の溶質の劣化がほとんどないことが確認された.
著者
味香 修 堀内 知一 岩井 一 平田 雄志 真田 秀夫
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.954-962, 1968-10-05 (Released:2010-10-07)

化学機械メーカーは, エンジニアリング会社, 単一機器メーカー, コンストラクター (建設会社) の三種に大別できる。現在, 化学工業の広い分野に対応するために専門化が非常に進みつつあるが, 一方コストダウンのため装置がintegrationしつつある。この専門化とintegradonとをいかに両立させるかということが, 工業プラントを経済的に有利に建設する鍵になっている。技術資料を収集し消化して, 経済的なプラントの設計を目的とするエンジニアリング会社で化工出身者に必要なことは, 基本としては, 安全, 経済, 運転を考えた設計能力を有することである。最近, 経済性を要求されることが多くなって来たので, 設計の手法としてコンピューターが頻繁に利用されており, また, コンピューター制御の方式も徐々に取入れられつつある。一方, 工場全体のintegrationになると, 電気, 土木, 建築の分野の人によってプロジェクトシステムがとられるが, プラントを経済的に使い易いものとするために中心となるのは, 化工出身者である。
著者
大川 和男 中元 崇 井上 義朗 平田 雄志
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.352-360, 2005
被引用文献数
6 7

三次元屈曲チャネル内での流体層の分割,180°回転,再合流・重ね合せを組み合わせて流体を多層化する静止型マイクロミキサーの単位エレメントの構成則を求め,それに基づいてY字分岐と120°と60°の屈曲チャネルからなるY型平板静止マイクロミキサーを開発した.正方形のチャネル断面をもつY型ミキサーを用いてヨウ素の脱色実験を行い,混合完了に必要な単位エレメント数<i>n</i>を測定した.レイノルズ数<i>Re</i>が低い場合には<i>n</i>は<i>Re</i>の増加とともに増加した.1単位エレメント通過ごとに厚さが1/2となる流体層内の混合過程をモデル化し,<i>n</i>を表す関数関係を導出し,この関係に基づいて<i>Re</i>が低い場合の<i>n</i>の実験結果を相関した.<i>Re</i>が高い場合,<i>Re</i>の増加とともに<i>n</i>は減少した.この場合の<i>n</i>については上記の関数に用いられる変数を用いて実験的に相関した.<i>Re</i>を50まで変化させてCFD解析を行い,<i>Re</i>の影響を調べた結果,<i>Re</i>=50では流体層は三次元屈曲チャネル内で発生する二次流によって大きく変形していることがわかった.この界面の変形が混合速度を加速させ,<i>n</i>を減少させる.さらに,ミキサーを構成するチャネルのアスペクト比<i>a</i>/<i>b</i>の影響をCFD計算によって検討した.<i>a</i>/<i>b</i>が2.0以上では流体界面の湾曲が大きく,<i>a</i>/<i>b</i>が0.2以下では分岐チャネルで流体が均一に分割されない.したがって,本研究で開発した平板静止型ミキサーにおいて理想的な流体層の分割・再合流を進行させるためには,できるだけ正方形に近いアスペクト比をもつ流路断面を採用することが望ましい.