著者
庄野 逸 福島 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.940-950, 1994-05-25
被引用文献数
6

手書き英字筆記体連結文字列認識を行うシステムの一つとして選択的注意機構を用いたシステムが今川らによって提唱された.しかしながら今川らのシステムは,それほど高い認識能力をもっていたわけではなく,認識する文字カテゴリーも5文字と比較的小規模なシステムであった.本研究では今川らの認識システムを拡張し,更に高い認識能力をもつシステムを作成した.我々は"選択的注意のモデル"の一部分がパターン認識システム"ネオコグニトロン"に類似していることに着目した.ネオコグニトロンにおいて,折れ点検出回路を導入すると認識能力の向上が認められることが報告されているので,我々は今川らのシステムに折れ点処理回路を導入したシステムを作成した.更に本システムに対して種々のテストパターンを与え,コンピュータシミュレーションを行い,筆記体連結文字列の認識に対して有効であることを確認した.
著者
庄野 逸 福島 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.93, no.537, pp.57-64, 1994-03-25

手書き英文筆記体連結文字列認識を行うシステムの一つとして選択的注意機構を用いたシステムが今川らによって提唱された.本研究では今川らの認識システムを拡張し,更に高い認識能力をもつシステムを作成することを試みた.ところで,パタ-ン認識システム"ネオコグニトロン"において,エッジ抽出回路と折れ点検出回路を導入すると認識能力の向上が認められることが報告されている."選択的注意のモデル"の一部分は,パタ-ン認識システム"ネオコグニトロン"に類似しているので,我々は今川らのシステムにエッジ抽出回路と折れ点処理回路を導入したシステムを作成した.さらに本システムに対して種々のテストパタ-ンを与え,コンピュ-タシミュレ-ションを行い,筆記体連結文字列の認識に対して有効であることを確認した.
著者
川村 誠護 寺田 英雄 庄野 逸
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.117-118, 2017-03-16

西洋音楽において,楽曲表現にはリズム,メロディー,ハーモニーという三つの要素が存在すると考えられている.これらの三要素は作曲者の個性によって表現方法にばらつきがあり,現代では複雑多様化した表現パターンを持つ楽曲が多く存在している. 本研究では,音楽の三要素から得られる表現パターンのばらつきを統計的に取り扱い,学習することができる生成系フレームを構築することで,楽曲の自動生成を試みる.また,このような生成系フレームを構築することによって,音楽状態表現を変数として評価し,鑑賞者の好みによる自動作曲や伴奏などの生成,音楽推奨システムなどに応用可能か検討していく.
著者
吉塚 武治 庄野 逸 宮本 弘之 岡田 真人 福島 邦彦
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.266-272, 2007-12-05 (Released:2008-11-21)
参考文献数
19
被引用文献数
1

It is known that the object recognition is processed in the ventral pathway of the visual system in humans and monkeys. The neocognitron that was proposed by Fukushima is a hierarchical neural network model for pattern recognition. In this paper, we show that the neocognitron can be regarded as a proper biological model of the ventral pathway. From the biological point of view, the model of the ventral pathway should satisfy the following conditions. The model should be hierarchical, the synaptic connections should spread locally, and each component in the hierarchy should be homogeneous. The network architecture of the neocognitron satisfies these conditions. Thus, we investigate the functional similarity between the neocognitron and the ventral pathway. We compared the response property of the neocognitron with that of IT cells. On comparing our results with those obtained by Logothetis et al., we found that the result were very similar qualitatively. Thus, we conclude that the neocognitron is a proper model for the ventral pathway.