著者
後藤崇行 常松 祐一 渡辺 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.66, pp.31-36, 2005-07-08

フィルムグレインは、フィルムで撮影したコンテンツ特有の模様である。一般に雑音成分として捉えられがちだが、フィルムグレインによってフィルムコンテンツの質感を表現することができるため、質感を表現したい場合、除去されないことが望ましい。しかし、フィルムグレインを含んだ画像に圧縮符号化を施すと符号化による影響を受け失われてしまう。特に近年標準化された動画像符号化方式H.264/AVCにおいては、デブロッキングフィルタや4x4整数変換により、フィルムグレインが失われやすくなっている。H.264/AVCの拡張方式FRExt(Fidelity Range Extensions) では、映画コンテンツなどフィルムグレインを含む高解像度画像において画質改善を行う様々な符号化ツールが追加された。そこで筆者らは、更なるフィルムグレインの再現性を考慮したH.264/AVC符号化方式について検討してきた。本稿では、符号化モード決定のコスト値について考察し、フィルムグレインの再現性を更に向上させる手法の検討を行う。Film grain is a specific texture of film conttents. Though it generally tends to be recognized as a noise,it is preferable for film grain not to be removed to express the feeling of quality of film contents. However,film grain is influenced and lost easily by encoding. Especially,in H.264/AVC which is the state-of-the-art video coding standard,it is more easier for film grain to be lost by performing de-blocking filter and 4x4 integer-transform. In FRExt(Fidelity Range Extensions) which extended the conventional H.264/AVC,various coding tools were added to improve the quality of high definition size images such as movies containing film grain. We have been studying the H.264/AVC encoding method considering the fidelity of film grain. In this paper we consider the method to improve the fidelity of the film grain further by changing the cost value of the encoding mode decision.
著者
後藤 崇行 長谷川 輝之 阿野 茂浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.36, pp.79-84, 2009-05-14

近年,ネットワークを流れるトラヒック量が増大してきており,その迅速な解析を目的としたサンプリングの必要性が高まってきている.サンプリングはパケットサンプリングとフローサンプリングに分類される.前者は実装が容易であり,様々な製品に実装され広く使用されているが,フロー統計の計測性能が低いという問題を有している.後者は,パケットサンプリングに比べてフロー統計の計測性能は高いが,フローを分類する必要があり汎用のルータ・スイッチへの実装は進んでいない.本稿では,フローサンプリングの問題点である実現性向上を目的として,ルータ・スイッチのアクセスリスト機能を利用したワイルドカードマスクによる方法を提案する.ハッシュベースのフローサンプリングと比較し,フローを大きく間引かない場合には,フローの統計量分布の計測性能は実用上問題とならないことを確認した.