著者
後藤 秀章
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.479-485, 2009 (Released:2011-03-28)

日本産キクイムシ類の分類について、これまでの研究史を述べるとともに、キクイムシ類研究の基礎的資料として、日本産キクイムシ類の学名、および和名のリストを作成し、その中で5種について新たに和名を与えた。その結果日本産のキクイムシ類はキクイムシ科302種、ナガキクイムシ科18種が記録されていることがわかった。
著者
槇原 寛 北島 博 後藤 秀章 加藤 徹 牧野 俊一
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.165-183, 2004 (Released:2011-03-05)

小笠原諸島に近年移入されたイグアナ科トカゲ、グリーンアノールが在来昆虫相に与えた影響を推定するため、野外および網室で捕食行動を観察した。網室内のグリーンアノールは餌として与えた昆虫等のうち、比較的小型の種(たとえば体長約2cm以下の甲虫)を捕食したが大型種(体長約3cm以上の甲虫、チョウ)は捕食しなかった。また小笠原諸島母島でグリーンアノールが蔓延する以前(1983、1985、1986年)とそれ以後(1995、1996、1997)のカミキリムシの採集記録を比較した。夜行性のカミキリムシ11種のうち、蔓延後に採集されなくなったものは1種もいなかったのに対して、昼行性の5種のうち3種がまったく採集されなくなった。これらから、侵入者であるグリーンアノールは、小笠原の昼行性小型昆虫を激しく捕食することにより、少なくとも一部の種の生息数を激減させている可能性が強いと考えられる。
著者
後藤 秀章
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.479-485, 2009 (Released:2010-03-12)
参考文献数
45
被引用文献数
3 6

日本産キクイムシ類の分類について, これまでの研究史を述べるとともに, キクイムシ類研究の基礎的資料として, 日本産キクイムシ類の学名, および和名のリストを作成し, その中で5種について新たに和名を与えた。その結果日本産のキクイムシ類はキクイムシ科302種, ナガキクイムシ科18種が記録されていることがわかった。
著者
牧野 俊一 後藤 秀章 岡部 貴美子 井上 大成 大河内 勇
出版者
Forestry and Forest Products Research Institute
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.121-128, 2021 (Released:2021-11-09)
参考文献数
17

茨城県北部の、林齢が異なる天然広葉樹二次林10か所(林齢1~178年)と、スギ人工林8か所(3~76年)においてマレーズトラップを用いた有剣ハチ類の採集を4~11月に行った。広葉樹二次林系列では1年間で合計12科167種3605個体、スギ林系列では11科136種2645個体が得られた。種数が最も多かったのはギングチバチ科で、クモバチ科がそれに次いだが、個体数ではクモバチ科がどの林分でも最も多かった。有剣ハチ類全体の種数と個体数は、広葉樹二次林系列、スギ人工林系列ともに林齢3~4年の林分で最多で、いずれにおいても林齢とともに減少した。有剣ハチ類の多くは若齢林分を好んで出現したが、より林齢の高い林分に偏って出現する種も見られた。