著者
水原 敬洋 後藤 隆久
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.736-741, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
30

キセノンに麻酔作用があることが1946年に報告されて以来さまざまな研究が行われ,その特性が麻酔薬として理想的であることが判明している.キセノンはすでに欧州では麻酔薬として臨床認可されており,本邦でも臨床認可される可能性はあると考えられる.キセノンは導入・覚醒が早い,鎮痛作用を持つ,術中の循環動態が安定する,脳保護作用を持つ,術後認知機能障害を予防できる可能性がある,といった多数の利点を持っている.しかし一方で,キセノン自体のコストは高く,臨床普及を阻む欠点となっている.本稿ではキセノン麻酔の利点と欠点を概説し,今後の展望についてまとめる.
著者
菊地 龍明 後藤 隆久 相馬 孝博
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.562-566, 2014-07-01

要旨 横浜市立大学附属病院で発生した医療事故に対して,医療安全管理室が中心となった院内での事故調査と,それに引き続き外部委員を加えた事故調査委員会による調査とが行われ,それぞれ報告書が作成された.後者の事故調査委員会では,ロンドン・プロトコルに基づき寄与要因の枠組みに沿って網羅的・系統的な分析を行った結果,より客観的な寄与要因の同定と対策立案が可能になった.さらに事故における本質的問題を定め,寄与要因との関連性を明確化したことにより,より具体的な対策案も示された.