- 著者
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御前 明洋
- 出版者
- 京都大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2006
白亜系鳥屋城層において,Canadoceras Kossmati,Sphenoceramus schmidtiなどが産出する層準と,Didymoceras awajienseが産出する層準の間に,Diplomoceras sp.などの特有のアンモノイドのみを産出する層準があることがわかった.さらに詳しく検討する必要があるが,この層準は,蝦夷層群などのMetaplacenticeras subtilistriatum等を含む層準に相当する可能性が考えられる.淡路島に分布する和泉層群から産出するPravitoceras sigmoidaleを詳しく観察すると,完全に平面的なものだけでなく,フック部の付け根が少しゆがんでいるものがあることがわかった.動漂構モデルを用いて形態解析を行った結果,1)典型的なD.awajiense,2)昨年度の調査で明らかになった平面形に近い形態のD.awajiense,3)フック部がゆがんだP.sigmoidale,4)ほぼ平面的なP.sigmoidaleのそれぞれの形態の差異はかなり連続的なものであることがわかった.また,鳥屋城層で産出するEubostrychoceras elongatumやD.awajienseなどの異常巻きアンモノイドと,東京大学総合研究博物館や東北大学総合学術博物館に所蔵されているいくつかの標本の比較検討を行い,これらの異常巻きアンモノイドの分類学的研究を行った.夏には,北海道の羽幌町周辺の白亜系の調査を行った.Inoceramus uwajimensisの産状と堆積相との関係を詳細に観察した結果,I.uwajimensisの生息姿勢や埋積過程を考える上で重要なデータを得た.また,パキディスクス科大型正常巻アンモノイドの両面全体にPycnodnteが付着している重要な標本を採集した.