著者
天野 道代 恵美須 文枝 志村 千鶴子 岡田 由香
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.354-365, 2013-07

本研究は,キャリア途上にある女性が,予期せぬ妊娠に気づいてから初めての出産にのぞむまでの体験を明らかにすることを目的とした。妊娠32週以降の女性で,自分の仕事に対して明確な目標をもち,その経験を積み重ねることに価値を置いて働いて(学んで)いた13名を対象に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した。その結果,妊婦は,土台となる【妊娠前に育成されたキャリア意識】があり,【職業生活が揺さぶられる予期せぬ妊娠の体験】に遭遇し困惑する実態が示され,そして,【妊娠と仕事との調和のとれた働き方にたどり着く体験】までには,さまざまな生活上の調整を行い,それを経て気持ちが落ち着き,その結果,【仕事と家族と自分をつなげる方向にキャリアの価値が広がる体験】という経過で,妊娠の体験を認識していた。以上のとおり,予期せぬ妊娠は,女性が歩むキャリア形成においての節目となっていた。妊娠して出産することを決意した女性は,その後のすべての体験をプラスに受け止める姿勢が養われ,キャリアと妊娠を融合しながら,他者とともに生きるという新たな生活の価値を獲得していた。妊娠初期には,職場や家族との調整に混乱状態にある女性を支援することの重要性が示唆された。
著者
岡田 由香 大林 陽子 緒方 京 神谷 摂子 志村 千鶴子 高橋 弘子
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

看護系大学を拠点に地域と連携し、未就園児とその養護者を対象とした子育て支援事業を通して、子育て支援ネットワークを確立し、継続的な子育て支援活動を定着させるシステムの構築に取り組んだ。結果、大学-行政-地域という子育て支援ネットワークによる子育て家族への支援、学生への生きた教育現場の提供について成果を確認することができ、看護系大学の特色を活かした子育て支援活動のシステムを機能させる事業へと継続された。