著者
小田 桂吾 吉田 和歌子 藤沼 絢子 児玉 真知子 鈴木 恒 吉田 怜 成田 崇矢 馬見塚 尚孝 金森 章浩 宮川 俊平 平野 篤
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3P3435, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】膝前十字靱帯(以下ACL)再建術後、再度ACL断裂を受傷した症例について調査し、今後のリハビリテーション(以下リハ)プログラム及び予防プログラムについて検討することを目的とする.【対象および方法】平成15年4月から平成20年9月までの期間に、当院で自家半腱様筋腱(および大腿薄筋腱)を用いた解剖学的二重束でACL再建術施行例のうち経過観察可能であった155名(男性70名,女性85名,平均年齢24±10歳)のうちACL再受傷した4名を対象とした.調査項目はACL再受傷発生頻度,性別,年齢,競技種目,競技レベル,再受傷期間,受傷機転について検討した.なお本研究は当院の倫理委員会の審査を受け、承認されたものである【結果】全手術例に対するACL再受傷発生率は2.6%であった.症例の性別,年齢,競技種目は男性1例(24歳、サッカー、JFLチーム所属).女性3例(16~17歳、バスケットボール部所属で全国大会出場レベル1例,県大会出場レベル1例、ハンドボール部所属,県大会出場レベル1例)で再受傷期間は165±47日であった.【考察】再断裂した症例は1例(女性,バスケットボール部全国大会出場レベル)を除いて競技復帰前に受傷していた.移植腱の成熟および骨の癒合は3~6か月程度要すると報告されていることから、この時期のリハは筋力の回復状況や膝固有感覚の回復を考慮したプログラムを実施すると同時に危険肢位等のリスク管理を十分患者に理解させ、再断裂を未然に防ぐことが重要である.また2例は部活動以外のアクシデントで再断裂している.スポーツ活動中だけでなく日常生活レベルでのリスク管理の指導も十分行う必要性がある.以上のことは以前から報告されているが、改善されていない理由として患者本人の病態意識の低さだけでなく、再断裂した症例は全て初回も再受傷も非接触型で受傷していることから我々のリスク管理を含めた予防トレーニングの指導力不足も関係しているのではないかと考える.また当院では術後6カ月でBIODEXを用いた筋力検査を行い患健比マイナス15%以内、H/Q比60%以上を競技復帰の目安にしており今回、競技復帰後に再断裂した症例はこの目安をクリアし順調に筋力が患健比約90%回復していたにも関わらず再断裂に至ってしまった.当院のACLのリハは筋力検査の結果を競技復帰の目安にし、術後平均約8か月でリハ終了としているが、まだ競技復帰に対して不安感を持っていながら、この時期を境に今まで行ってきたリハのプログラムを終了していたことが誘因のひとつであると推察した.
著者
成田 崇矢 釜谷 邦夫 長谷川 惇 小田 桂吾 野村 孝路
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0224, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】飛込競技は水面から高さ10mの固定された台や高さ3mに設置した弾力のある飛板を使用し高所より水面に飛び込む競技であり、特徴として技術獲得に多くの時間を要する採点競技であるため傷害発生の頻度は他の水泳競技と比べて極めて高いと報告されている。今回、より具体的な傷害予防策を講じる事を目的とし、3年間のナショナルジュニア合宿時における、ジュニア強化選手の外傷、障害の状況を調査したのでここに報告する。【対象】2003年から2005年の3年間に日本水泳連盟より選抜されナショナルジュニア合宿に参加した男性21名(平均年齢15.3±1.4歳、平均身長 164±8.2cm 平均体重 56.7±9.8kg 競技歴 5.9±1.7年)、 女性17名(平均年齢15.5±1.7歳 平均身長 153±5.3cm 平均体重 48.2±6.2kg 競技歴6.6±2.6年)計38名である。 【方法】合宿参加者個別に面談し、障害、外傷に対する治療・相談を行う中でアンケートを交え外傷・障害の調査を実施した。【結果】対象者38名中合宿中に痛みを有した者は33名(86.8%)であった。複数回答による疼痛部位の総数は56件で、腰背部が最も多く25件(44.6%)次いで膝関節7件(12.5%)母指6件(10.7%)肩関節5件(8.9%)手関節3件(5.6%)下腿部3件(5.6%)その他7件(12.5%)であった。特に多い腰背部に着目すると、腰背部筋に痛みを生じているものが16件。椎間関節周囲7件。その他2件。であった。慢性的に腰背部筋に痛みが生じている者は12名でそのうちの10名のアライメントは頭部前方位、胸椎後彎増強、腰椎前彎増強、骨盤前傾位を呈していた。また、椎間関節周囲に痛みが出ている者7名中6名が合宿中もしくは過去に入水を失敗し、腰椎の過伸展を経験後痛みが生じていた。【考察】飛込競技において正しいボディーアライメント(耳垂、肩峰、大転子、外果前方が一直線上)を体得することは非常に重要である。そしてアプローチやテイクオフ、入水時にその姿勢を保持することは高いパフォーマンスを得る事に不可欠な要素とされている。今回強化合宿時の調査により、腰背部筋痛を有している者は正しいボディーアライメントが取れなかったり、入水時の衝撃により椎間関節を痛めている者が多いことが分った。腰背部痛の改善、予防トレーニングとして最近、腹圧を高め、頚部、上肢、体幹、下肢の協調性を向上させるコアトレーニングが推奨されているが、正しいボディーアライメントをとることで腰背部筋群へのストレスを軽減すると予想される。腹圧の強さと外傷・障害の関連性は今後の調査が必要であるが、より効果的なトレーニング方法を作成し、良姿勢を獲得することが傷害予防においても重要であると考えられる。
著者
成田 崇矢
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2013-01

制度:新 ; 報告番号:甲3864号 ; 学位の種類:博士(スポーツ科学) ; 授与年月日:2013/3/15 ; 主論文の冊数:1 ; 早大学位記番号:新6232
著者
成田 崇矢
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-17, 2019-10-31 (Released:2019-12-24)
参考文献数
21

There is no clinical evaluation of lumbar and trunk functions that can reveal all the trunk functions in one evaluation. Therefor you have to understand the clinical evaluations assessment of lumbar and trunk functions of athletes. This paper introduced clinical evaluations of lumbar and trunk functions. The contents are movement evaluation (active movement, thoracic alignment evaluation during extension), spinal segmental mobility, trunk function evaluation (Manual Muscle Test), trunk endurance, Sharmann core stability test, and motor control. When used clinically, it is important to understand the pathology of low back pain of the athlete and evaluate the dysfunction. In addition, if medical rehabilitation is insufficient, the next stage of athletic training often does not proceed as expected. So it is recommended to improve the function of the trunk at the stage of medical rehabilitation.