著者
青田 洋一 飯塚 晴彦 石毛 勇介 持田 尚 吉久 武志 斉藤 知行
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.179-185, 2005
被引用文献数
2 1

長時間の着座に伴う腰痛を緩和する試みとして,椅子の背もたれ部の突出(Lumbar support)の収縮による腰椎用CPMを作成した.日常生活で腰痛のない10人の健常者(平均21歳)を対象とし,2時間の持続的着座姿勢を維持させ腰痛,腰の張り,疲労感,臀部の痺れをLumbar supportのない椅子,Lumbar supportのある椅子,CPMの3つの状態でのvisual analogue scalesを用いて比較検討した.Lumbar supportのない椅子と比べLumbar support付きでは腰痛と全身の疲労感は有意に改善したが,CPMではさらに臀部のしびれも有意に改善した.また追加実験によりCPMによる全身の動きは骨盤の動きに比べ,頭部や下腿で動きが軽微なこと,さらにCPMにより座面の臀部表面の接触圧分布が有意に変化することを明らかにした.CPMは長時間の着座に伴う腰痛,疲労感,臀部の痺れを包括的に改善する機器として発展する可能性がある
著者
森丘 保典 伊藤 静夫 持田 尚 大庭 恵一 原 孝子 内丸 仁 青野 博 雨宮 輝也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.181-190, 2003-03-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
1 2

本研究の目的は,異なる種目を専門としながらほぼ同等の400m走能力を有する被験者群(SPR、MID,DEC)を対象として,間欠的な漸増負荷走行テスト(MART)を行い,Laから推定されるパワーと400m走記録との関係を検討することであった。結果の要約を以下に示す。1)MARTにおける安静時から速度増加中のLaおよびPBLaにおいては,SPRが最も高く, MIDが最も低かった。この結果,PBLaはSPRがMIDに比べて有意に高い値を示し,P3mM,P5mMはMIDがSPRに比べて有意に高い値を示した。2)400m走記録とMARTにおけるPmaxとの間(r = -0.662,P<0.05),およびP60%Laとの問(r = -0.662,P<0.05)には,いずれも有意な相関関係が認められた。以上のことから,MARTは400m走能力を反映するテストとして有用であること,また,P60%Laは400m走能力を反映する評価指標の一つとして用いることができることなどの可能性が示唆された
著者
森丘 保典 持田 尚 内丸 仁 青野 博 雨宮 輝也 伊藤 静夫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.117-124, 2006 (Released:2008-01-25)
参考文献数
22

本研究の目的は, 十種競技者を対象に間欠的な漸増負荷走行テスト (MART) を行い, La動態と走能力との関係を検討することであった.結果の要約を以下に示す.(1) V400m, V1500mおよびTPRとVmaxとの間にそれぞれ有意な正の相関関係が認められた. また, V400mとPBLaとの間に有意な正の相関関係が認められた.(2) 十種競技者の走能力 (V100m, V400m, V1500m, TPR) は, VRLaとの間にVALaよりも高い有意な正の相関関係が認められた.(3) VRLaは, 無気的能力の向上 (最大下のLa濃度およびPBLaの増加) によるLa動態の変化を, トレーニング効果として評価することができた.以上のことから, MARTが十種競技者の走能力を反映したテストであること, また, PBLaおよびVRLa (V20%La, V40%La, V60%La) が, 個々の競技者の生理的特性やトレーニングによる無気的能力の変化を考慮した, 十種競技者の走能力評価の指標として利用可能であることなどが示された.