著者
掛下 哲郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.16-19, 2021-12-15

本稿では情報処理学会が策定したデータサイエンス(DS)を専攻する大学レベルの教育に関するカリキュラム標準および今後の構想について紹介する.本カリキュラム標準は,ACMのDSカリキュラムや欧州Edison DS Frameworkを参照して策定されており,国際的互換性を有する.さらに,データサイエンティスト協会が作成したDSスキルチェックリストを参照することで,本会のDS資格とも連携している.本カリキュラム標準は約60単位の規模であり,データサイエンスを専攻する学生が必要とする知識およびスキルを網羅している.また,数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムのモデルカリキュラム(リテラシーレベル)の履修を前提としている.
著者
掛下 哲郎 原槙稔幸
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SIG01(TOD8), pp.131-139, 2001-01-15

電子的に流通する様々な情報(エンティティ)の共有および活用を促進するためには,エンティティの分類および整理を円滑に行う必要がある.本論文では,このために多次元分類方式を提案する.提案方式では互いに独立した概念ごとに平衡した木構造を構成し,それらを組み合わせることで複数の分類基準に対応した情報整理を行う.本方式により,格納されているエンティティの概観や検索コストの低減が可能になる.また,木構造の管理コストも低い.さらに,同一のエンティティ集合に到達する検索経路を多数提供できるため,利用者の様々な検索要求に柔軟に対応できる.本論文では多次元分類方式のコスト評価モデルを作成し,モデル評価実験を行う.
著者
掛下 哲郎 高橋 尚子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.420-425, 2017-04-15

本稿では文部科学省の支援を受けて情報処理学会が実施した「大学における情報学分野の教育に関する実態調査」の概要を速報する.調査用Webサイトには約650の大学(日本の大学の85%)から約3,000件の回答が寄せられた.本調査は(A)情報専門学科に対する調査,(B)非情報系学科における情報専門教育に関する調査,(C)一般情報教育に関する調査,(D)高校教科「情報」の教職課程に対する調査,(E)教育用電子計算機システムに関する調査から構成されている.本調査では,教育プログラムの概要,情報学の参照基準等の項目に対する教育内容および達成度レベル,学生・教職員の状況,教育環境,将来計画などを含む包括的な調査を行った.
著者
掛下 哲郎 大月 美佳 嘉藤 直子 村田 美友紀
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成25年度電気関係学会九州支部連合大会(第66回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.608-609, 2013-09-13 (Released:2016-01-17)

プログラミング教育は理工系の大学や高専において重要性が高いが,学生の学力低下に関する懸念や,プログラミング実習時の支援体制が十分には確保できない等の課題がある.本研究では,学生のプログラミング学習を支援するソフトウェアツールをMoodle上で開発する.本ツールはプログラムやトレース表に対する穴埋め問題を用いて様々な難易度の問題を学生に出題でき,学生の解答過程のログデータを収集して理解度を把握することもできる.本稿では,プログラミング教育支援ツールの目的や全体構想を紹介する.
著者
柴田 祐貴 山下 智史 掛下 哲郎
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成26年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第67回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.318, 2014-09-11 (Released:2016-02-10)

我々は系統的なソフトウェア設計を支援するツールであるPerseusを開発してきた。本研究では、学生の設計した答案と教員が設計した模範解答とを自動的に比較する機能の実装を行う。Perseusではソフトウェア設計を木構造で表現している。そのため、模範解答との比較を行う際にはノード同士で比較を行い、対応するノードの位置を求める必要がある。そこで、文字列の類似度を表すレーベンシュタイン距離の概念を導入することで、ノード同士の比較機能の実装を行った。これにより、学生の答案に対してデータ型等の設計の不一致、ルーチンやデータ構造等の過不足に対してのチェックを行う事ができるようになる。
著者
掛下 哲郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.520-525, 2017-05-15

文部科学省の支援を受けて情報処理学会が実施した「大学における情報学分野の教育に関する実態調査」の中から(A)情報専門学科に関する調査結果を報告する.183大学・216学部・267学科からの回答を分析した結果,1学年当たり少なくとも25,498名の学生が情報専門教育を受けている.学生の約半数は工学部に所属している.J07カリキュラム標準が定めた5種類の専門分野との対応を見ると,CS(コンピュータ科学)が約25%を占めるが,どれにも該当しないケースも50%近く見られた.その他,情報学の参照基準等の項目に対する教育内容および達成度レベル,卒業後の学生の進路,教職員の状況,教育環境などについて示す.