著者
山本 悦治 山田 芳文 阿部 善右衛門
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.163-170, 1978-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
14

Previously we proposed a new application of NMR to measure biological materials in human body noninvasively, using the magnetic focusing technique on the measuring target (MT).The present paper considers how to generate the magnetic focus and demonstrates this technique by using the low-field NMR spectrometer.In the first parts of this paper, the signal error due to the fringe region of MT is evaluated theoretically and the constant field contours for several arrangements of multiple coils are calculated so as to generate the magnetic focus.Simple results are obtained analytically for the axisymmetric field especially. Furthermore, a new approach which enlarges the zero-flux region is proposed to achieve a high S/N ratio.In the latter parts, the construction of 100kHz NMR spectrometer, whose static field H0 is generated by the main solenoid 70cm long and 40cm in diameter with two compensation windings, is described. The proton resonance signals from 1cm3 sample water are obtained with a S/N ratio of 15, which is more than ten times better than the value estimated from the relation S/N∝H02/3.By using the separate samples under the gradient field, a separate signal corresponding quantitatively to each sample is obtained. The signal from a certain specified area near the surface of a large sample has a shifted resonant frequency and an emphasized magnitude when the magnetic focusing technique is applied.
著者
伊藤 聡志 斉藤 文彦 荒井 博俊 山田 芳文
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.167-175, 2013 (Released:2013-07-27)
参考文献数
16

少数の観測信号から画像復元を行う圧縮センシングを MRIの撮像に応用する場合に,三次元撮像は信号の収集軌道をランダムに選択できる次元を二次元に設定できるため,二次元撮像に比べて圧縮率を高めることが期待できる.本研究では,スパース性を導入する関数に我々が提案する三次元 FREBAS変換を使用し,これを MRI三次元撮像の圧縮センシングに応用した.再生像の品質を二次元画像と比較した結果,信号収集率を同条件とした場合に三次元撮像の方が良質な画像が再生されることを確認した.また,圧縮センシングによる三次元の画像再生は膨大な計算コストを必要とすることから,GPUを利用した再構成処理の並列化を行い,画像再生の高速化を試みた.実験の結果,256×256×64画素の画像を 53秒で行うことができ,CPU計算の 807秒に比べて大幅な高速化を達成することができた.
著者
小久保 潤 伊藤 聡志 山田 芳文
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.115-122, 2012 (Released:2012-04-13)
参考文献数
14
被引用文献数
1

圧縮センシングは,信号のスパース性を利用して,少数の信号データから画像を再生する手法である.MR画像は一般にスパース性を持たないため,スパース性を与える関数を導入する.スパース性導入関数には,ウェーブレット変換や空間差分などが多く利用されているが,我々はFREBAS変換を利用した方法について検討を行っている.圧縮センシングによる画像再生では多数回の反復処理を必要とするため,一般に膨大な計算コストを要し,実用上の障害となっている.そこで本研究では,PCに搭載されているGPUを汎用的な処理に使用する方法により,圧縮センシングによる画像再生の高速化を試みた.実験の結果,単一画像の再構成を1.3秒で行うことができ,CPU計算に比べて約9倍の高速化を達成することができた.
著者
伊藤 聡志 原田 弘章 山田 芳文
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.123-131, 2014 (Released:2014-05-24)
参考文献数
15

MRIにおいて三次元的な関心領域を高速に撮像する方法に,二次元撮像を応用したマルチスライス撮像がある.このマルチスライス撮像は適切な信号収集軌道のもとで撮像を行うと,三次元空間におけるスパース性を利用した圧縮センシングを適用することができる.マルチスライス撮像に圧縮センシングを適用する場合にスライス間にあるスピン密度の連続性を利用し三次元像として再構成する場合と,スライスごとに独立に二次元再構成する場合とで再生誤差の比較を行った.信号収集比率を同条件として比較を行った結果,再構成に利用するスライス枚数が多いほど再生像に含まれる誤差が減少し,再生像の品質が向上することが示された.また,スライス方向に対し画像の輝度値変化が小さい画像ほど三次元再構成による誤差軽減効果が大きくなることが示された.さらに画像にスパース性を導入する関数比較では,三次元FREBAS変換は三次元ウェーブレット変換に比べ,再生誤差の少ない画像を再生することが明らかとなった.
著者
上村 佳嗣 小島 勝哉 山田 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.706-714, 2002-05-01
被引用文献数
9

日常,我々が使っている電気機器にはかなり大きな磁束密度を生じているものがある.特に,交流式の電気シェーバの場合,局所的に10mT(100ガウス)を超える.それらから発生する磁界による人体への誘導電流を評価するには,電気シェーバ内にある磁界の発生源を特定しなければならない.本研究では,交流式電気シェーバの内部にある磁流源の向きと位置の同定をSPM(Sampled Pattern Matching)法を用いて行った.その結果,磁流源は一つの磁気ダイポールで近似でき,それは電気シェーバの中心に位置し,使用時の向きは体表と平行に置かれることがわかった.また,人体頭部を平板モデル,均質球モデル,多層球モデルで模擬し,磁流源から発生する磁界による内部の誘導電流密度を解析的に計算した.更に,SPFD法,インピーダンス法の計算結果と比較し,相互の妥当性を検証した.その結果,通常の使用状態ではICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドラインの一般人に対する限界値である2mA/m^2を超えないが,ワーストケースでは職業人に対する限界値を超える可能性があることもわかった.
著者
長谷川 まどか 加藤 茂夫 山田 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1483-1489, 1997-09-25
被引用文献数
9

シンボル出現確率に偏りのある2値無記憶拡大情報源に対するコンパクト符号の構成法について提案する. 2値無記憶情報源のn次拡大情報源においては, 同一出現確率をもつ通報が多数組発生する. これらの通報をグループ化し取り扱うことにすれば, 優勢シンボル出現確率が1に限りなく近い場合, すなわち, 低エントロピー情報源に対しては, ハフマンのアルゴリズムによって縮退操作を行う際にはグループ間にまたがる通報の並べ替えは発生しない. 本論文では, このことを利用して, 上記の場合におけるコンパクト符号の符号語長と符号語数の組, 平均符号長, 最大符号語長などを符号木を作成することなく簡単な式で容易に求められることを明らかにしたので報告する.
著者
長谷川 まどか 加藤 茂夫 山田 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.77-84, 1998-04-17
被引用文献数
1

ハフマン符号などの可変長符号によって符号化された符号系列中から, 逐次的に復号することなくある符号語を検出可能とする部分復号可能性を持つ可変長符号構成法について提案する.提案する方法は, 符号化すべき情報源シンボル系列中に, 検出用のマーカシンボルを用意しておき, これにある符号語を割り当て, この符号語は連続して出現しないことを利用することによって, 符号系列中のどの部分にあっても必ずこのマーカシンボルに対する符号語は検出可能であるように符号を構成するものである.検討の結果, わずかなオーバーヘッドを付加するのみで符号系列中から所望とするマーカ位置に対応する符号を検出し, 正しく復号できることがわかったので報告する.