著者
斎藤 二郎 芳賀 孝成
出版者
Japan Concrete Institute
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.14-21, 1982

地下連続壁工法は, 海外より我が国に導入されて以来, 主に土留壁の施工に利用されてきたが, 今日, 利用範囲は拡大し, 施工実績もますます増大している。本稿では, 地下連続壁の発展の経緯を顧みた後, 大規模土留壁, 構造物の基礎, 円形立坑などへの今後の利用の動向を述べる。また, 安定液中へのコンクリート打設法, プレストレスを導入する工法, プレキャスト版を用いる工法などの研究・開発の動向も紹介する。
著者
斎藤 二郎 西林 清茂 細谷 芳己
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, 1976-12-15

軟弱地盤改良工事にPVCドレーン工法を適用した際の施工実績を主として紹介した。この工事は施工面積約46,000m^2で, 層厚3〜4mの腐植土層およびその下の層厚2〜3mのシルト質粘性土が改良の対象であった。腐植土の含水比は600〜850%, 自然間ゲキ比16〜22と大きく, 圧縮指数も8〜13と高圧縮性を示しており, シルト質粘性土についても含水比70〜130%, 自然間ゲキ比2〜4,圧縮指数0.3〜2.5と通常のチュウ積粘土と同程度となっている。施工に際してまずPVCドレーン打設機のトラフィカビリティー確保とサンドマット造成のためにファゴット工法を適用し, サンドマットとして山砂を50cm厚に敷均したのち, PVCドレーンを1.2mの正方形配置で打設し盛土を2段に分けて行なった。PVCドレーンの打設深さは4.5〜6mで, 施工実日数当り513本の実績であった。改良効果は深さ2m以深において著しく, 改良前のコーン指数約1.5kg/cm^2から約2kg/cm^2増大しており, 含水比では平均で400%前後低下している。また一軸圧縮強さについては改良前の0.05〜0.2kg/cm^2から0.25〜0.5kg/cm^2へと増加した。
著者
斎藤 二郎 西林 清茂 細谷 芳巳
出版者
土質工学会
雑誌
土質工学会論文報告集
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, 1980

全国的な規模で広範に分布している有機質土を土木工事で取り扱うケースが増加しているが, 現行の有機物含有量試験法は土の種類に対する適性, 測定操作上の難易などに一長一短があり, 標準的な測定法が確立されているとはいいがたい。この点を考慮して筆者らは有機物含有量測定法のうちの強熱減量法を取り上げ, 特にその測定法に影響を及ぼすと考えられる燃焼温度, 燃焼時間, 試料重量の3つの要因に関して, 各要因が強熱減量値に与える影響を調査した。実験に使用した試料として有機物含有量が20%代, 40%代, 50%代, 70%代の4種類の土を選び, 上記各要因についても各々4種類の値を選んで組合わせによる実験を行った。試料の作成方法は土質工学会基準の強熱減量法の方法に準じ, 燃焼装置として電気マッフル炉を使用した。実験の結果, 有機物含有量に最も大きく影響する要因は燃焼温度であることが判明したが, 結果を総合すると上記3要因の組合わせでは600℃×4時間×2.0gが最適であると判断された。
著者
谷野 賢二 鳴海 日出人 斎藤 二郎 本間 明宏 北原 繁志 黄金崎 清人
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 理工学系 (ISSN:09162097)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.35-47, 1999-03-25

In Hokkaido ports on the Sea of Japan and along the Tsugaru Straits, which are along the course of the spawning migration of spear squids, Loligo bleekkeri, their eggs were found on breakwaters and other port structures. Therefore, research has been conducted on the spawning properties of spear squids and survival rates of eggs on breakwaters, as well as on related physical environment properties. On breakwaters and other structures, spear squids lay their egg capsules in cracks in vertical concrete walls of breakwaters and quays, as well as in the cavities of wave-dissipating works and armor blocks. In deep cavities created by wave-dissipating works and armor blocks, more eggs were found on blocks which were deeper in the cavities than the second row from the end of the slope. Since spawning grounds on reefs are not deep enough in many cases, the irradiance may be high at some parts to which egg capsules adhere. In highly illuminated spawning grounds, diatoms adhere to the surface of egg capsules and the survival rate decreases. In the port with little current, silt adheres to the surface of egg capsules and also decreases the survival rate. The cavities of wave-dissipating blocks, on the other hand, are washed by swift waves and the irradiance is low. There are no substance adhered to the surface of egg capsules and the survival rate is high.