著者
斎藤 祐一郎 久野 靖
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.7-18, 2015-03-16

コミュニケーションは,企業内でソフトウェア開発を遂行するうえで不可欠である.しかし,現状ではコミュニケーションが苦手なソフトウェア技術者が存在し,新人技術者にも同様の傾向が見られる.そこで筆者らは,新人技術者がソフトウェア開発に必要なコミュニケーションスキルを獲得できるような教育方法を考案し,ソフトウェア技術者予備軍である大学4年生を対象に試行のうえ,有効性を評価した.教育方法には,コミュニケーションの重要性を体感できるケースメソッドとロールプレイング形式を組み合わせたものを採用した.被験者として情報系大学4年生2グループ各3名を集め,コミュニケーションに関する事前指導を片方のグループのみ施した.その結果,事前指導を施したグループにおいて,特に成果物を基にチームメンバと接するコミュニケーションスキルを獲得できたことを確認した.
著者
草塲 新之助 松岡 かおり 阿部 和博 味戸 裕幸 安部 充 佐久間 宣昭 斎藤 祐一 志村 浩雄 木方 展治 平岡 潔志
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.30-36, 2016 (Released:2016-01-23)
参考文献数
12
被引用文献数
4

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故により放出され樹園地に降下した放射性セシウムについて,リンゴ園における地表面管理の違いが土壌および果実における放射性セシウムの蓄積に与える影響を,福島県において 2011 年から 4 年間にわたり調査した.地表面管理は,清耕区,中耕区,中耕+堆肥施用区,草生区,ゼオライト散布区とした.土壌の放射性セシウム濃度は上層ほど高く,表層土(0~5 cm)では,有意差は認められないものの草生区のみが 2011 年と比較して 2014 年に濃度が上昇した.中層土(5~15 cm)では,中耕を伴う処理区の濃度が他の処理区よりも高くなった.樹冠下地表面の雑草,落ち葉等の有機物に含まれる単位面積あたりの放射性セシウム量は草生区で最も高く,中耕を伴う処理区で低かった.果実の放射性セシウム濃度は,いずれの処理区においても 4 年間にわたり指数関数的に減少した.また,果実の濃度に堆肥施用の影響は認められなかった.果実と土壌の放射性セシウム濃度が連動していないことから,試験地に降下した放射性セシウムのレベルでは,少なくとも事故発生後 4 年間は,中耕,草生管理,堆肥施用などの地表面管理は,リンゴ果実の放射性セシウム濃度に影響を与えないことが示唆された.
著者
松本 光吉 富永 明彦 斎藤 祐一 若林 始
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.233-236, 1993
被引用文献数
7

1954年, Nelsonらによって開発されたタービンが世に出て, 約40年の歳月が流れたが, 依然として, タービンによる歯質切削時の不快音, 象牙質切削時の麻酔の必要性は完壁には改善されていない.これらの諸問題を前進させるために開発された酸化アルミニウム粉末噴射法について, 噴射時のエナメル質, 象牙質切削面の形態学的変化を検討するために本実験を行った.被験歯として, 人の抜去歯20本を使用した.酸化アルミニウムの粉末粒子の径は約27μmと約50μのものを使用した.また, 噴射装置は, American Dental Laser社のKCP-2000を使用した.噴射速度はSlowが80 psi (5.6) kg/cm<SUB>2</SUB>, Mediumが120 psi (8.4kg/cm<SUB>2</SUB>), Highが160 psi (11.2kg/cm<SUB>2</SUB>) であった.切削法は粒子の大きさと切削速度を組み合わせて, 約1-2mmの距離より粉末を歯質表面に噴射した.なお, チップの直径は約0.34mmで, 噴射時に生じる切削片や粉末は付属のバキューム装置で吸引した.切削而の観察は, 肉眼的, 実体顕微鏡, 走査型電子顕微鏡によって行った.その結果, 酸化アルミニウムの粉末の粒子の大きさ, 切削速度の差によって, 切削面の形態学的差はなく, 滑沢な, 砂丘状を示した.酸化アルミニウムの粉末および切削歯質は噴射時に大方は飛散してバキュームにより吸引されたが, 一部は歯表面に残存していた.特に象死質では, 躯細管内に圧入されていた.歯融象頒の切削時に, 周囲と明らかに区別される物質が観察された.なお, 以上の観察所見には炭化や溶解.嫉凝固などの変化は観察されず歯質の本来の色調を示していた.