著者
新井 龍一
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.59-62, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
14

脊柱の変形を伴う右変形性股関節症患者を担当する機会を得た。股関節に対する理学療法を3週間行ったが,歩行時の疼痛がNumerical Rating Scale(以下NRS)4と残存し難渋した。治療内容を再考してシュロス法の治療概念を用いた脊柱に対する理学療法を行い,歩行時の体幹動揺を制御させた結果,12週目で腰椎のコブ角が4°改善した。歩行時の動揺も減少し,14週にはNRS 0へ減少した。脊柱の変形を伴う股関節症患者において,脊柱のアライメントを修正することが股関節の負担軽減に繋がり,さらなる疼痛軽減に効果があることが示唆された。
著者
新井 龍一 来間 弘展 根本 海渡
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.921-927, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
30

〔目的〕深部横断マッサージが拮抗筋の筋機能に影響を与えるかをストレッチングと比較し検討することとした.〔対象と方法〕対象は33名の健常成人男性の右足とし,対照群,ストレッチング群,マッサージ群に分け,自動下肢伸展挙上角度,大腿四頭筋の筋硬度,角速度60 °/sec,120 °/secの大腿四頭筋最大筋トルク,大腿直筋の筋反応時間を介入前後に測定し検討した.治療介入はそれぞれ合計10分間とし,ハムストリングスに対してマッサージ群は深部横断マッサージ,ストレッチング群は静的ストレッチングを用い,対照群は安静背臥位とした.〔結果〕ストレッチング群,マッサージ群において自動下肢伸展挙上角度に主効果を認め,その他の項目では主効果, 交互作用を認めなかった.〔結語〕深部横断マッサージは主動作筋の伸張性に効果はあるが, 拮抗筋の筋機能に影響を与えないことが示唆された.
著者
作田 裕美 坂口 桃子 佐藤 美幸 新井 龍
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

上肢リンパ浮腫は、リンパ節郭清を行った乳がん患者にしばしば発症する。リンパ浮腫の有効な治療手段が確立されていない中、国際リンパ学会において標準治療として認められている「複合的理学療法」を各施設で施行しつつある。しかしながら、標準化には至っていない(複合的理学療法とは、スキンケア、リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫下での運動療法の併用を指す)。複合的理学療法の効果を「リンパ浮腫発症予測指標」を用いて検証した結果、有用であることが示唆された。